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地方財政ダッシュボード

福島県川俣町の財政状況(2017年度)

🏠川俣町

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

平成29年度は、平成28年度に比べ基準財政需要額が減少したことにより増加したもの。「川俣町まち・ひと・しごと創生人口ビジョン・総合戦略」においても平成34年には町高齢化率が36.4%、町民の3人に1人が高齢者という時代を迎えると予測している。そのことに付随し、労働人口の減少や町内に中心となる産業が少ないこと等により、財政基盤が弱く、類似団体平均よりここ数年低い状況にある。今後も第5次川俣町振興計画に沿った施策の重点化を図り、行政の効率化に努めることにより、財政の健全化を図る。

経常収支比率の分析欄

平成29年度は、前年度の89.5%に対し1.8ポイント上がり91.3%となった。要因としては、分子となる歳出の経常一般財源の額が補助費等の増により増額となる一方、分母となる歳入の経常一般財源の額が地方譲与税等の減により減額となったことが理由である。今後も適切な事業運営を行い、支出額の点検等を随時行っていくよう努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

平成28年度決算と比較して1人当たりの人件費・物件費等は38,879円低くなっている。主な要因としては、除染対策事業の完了により大幅な物件費の減少が挙げられる。また、ゴミ処理業務や消防業務を一部事務組合で行っており、負担金として支出していることも影響している。除染対策事業等については減少傾向にはあるが、ため池の除染作業などの除染項目も設けられていることから、今後の動向を注視しなければならないと考える。

ラスパイレス指数の分析欄

昨年度の指数99.9%と同水準となっている。給与表上の引上げ率が国より低い事や給料月額の高い現給保障者の定年退職など、低下要因はあるものの、職員分布が変わったことによる上昇要因があったため、結果として同水準となった。※今年度数値が未公表であるため、前年度数値を引用しています。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成5年度よりスタートした「定員適正化計画」及び平成17年度からの「川俣町行財政集中改革プラン」等により、退職者の不補充をはじめ、事務事業の見直し、組織機構の簡素合理化、OA化の推進、民間への業務委託等を行った結果、平成5年度末で194名だった職員数は、平成24年度当初で118名まで減少している。しかしながら、東日本大震災及び原子力災害により災害対応等の業務が増大したため、現状の職員数での対応は厳しい状況にあり、平成24年度以降は積極的な職員の採用を行っている。

実質公債費比率の分析欄

過去からの起債抑制策等により類似団体平均を下回る3.1%となっている。しかし、東日本大震災により被災し建て替えを余儀なくされた役場庁舎の建設工事や、復興公営住宅建設等の復興に向けた事業など、事業規模が大きい建設事業債を起こしていることから実質公債費比率の上昇は今後避けられない。このような状況を踏まえながらも補助金等の活用を積極的に進め、一定水準を維持した財政運営を行っていく。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、類似団体平均を上回って58.7%となっている。主な要因としては、平成29年度に新たに借入を行ったことにより、地方債現在高が増加したことや、ふるさと融資貸付金元金収入が昨年度比で減少したことなどに伴い将来負担比率は依然高い状況にある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、昨年度に比べ0.3ポイント上がり、24.1%となり、依然として類似団体平均値を上回っている状況である。主な要因は県人事院勧告により人件費が全体的に引上げとなったこと、震災対応による業務が増えたことによる影響が大きく、今後も人件費の削減に努めなければならないところである。しかしながら、災害対応等の業務増に伴い時間外勤務手当が増加しており、今後注視していかなければならない。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、類似団体平均より高い状況が続いている。これは、除染対策事業等に関する委託料が主な要因となっている。今年度は前年度比、2.4ポイント上回ることとなったが、これは、除染対策事業の新たな動きとして始まった、ため池放射性物質対策業務委託料などが増額となったことによる。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年より1.4ポイント下がり、かつ類似団体よりも2.6ポイント下回っている。下がった要因としては、低所得者対策として設けられた平成28年度の臨時福祉給付金が平成29年度に皆減となったこと、乳児医療助成金、被用者小学校終了前児童手当などの減額よるものである。

その他の分析欄

その他の経費のうち繰出金については、介護保険特別会計への繰出金の減や、加えて、西部工業団地の造成工事が完成したことにより工業団地造成事業特別会計への繰出しが皆減となったことにより、前年度よりの0.9ポイント下回る結果となった。今後もさらに介護保険料の適正化など、普通会計の健全化を図っていく。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率は昨年と比較し、0.5ポイント増加した。これは伊達地方消防組合の地方債償還に係る負担見込額の増加や町道工事負担金の皆増によるものが要因と考えられる。

公債費の分析欄

公債費は類似団体よりも3.9ポイント下回っているものの、前年度より0.9ポイント上回っている。ここ数年、新庁舎建設など、大型の借入をおこなっており、平成29年度から新庁舎建設の元金償還が始まった。今後も増加する予定でいるため、新規発行の抑制など、今後適正な管理に努めていく必要がある。

公債費以外の分析欄

類似団体平均と比べ差が大きいものは、物件費が高く、補助費等が低くなっている。物件費の更なる見直し及び縮減が図られれば、経常収支比率の改善にもなるため、類似団体平均の値を目標に抑制を図っていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費が全国平均146,854円に対し425,502円となっている。その要因としては、原子力発電所事故に伴う除染対策費を民生費のうち災害救助費に振り分けていることが挙げられる。また、消防費が平成28年度比で21,147円増額となった。その主な理由としては、平成29年度から31年度までの3ヶ年で整備を行う町防災無線のデジタル化による整備事業費によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

物件費が類似団体に比べ高水準で高止まりしているのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故による除染対策事業費等の委託料が大半を占めている。宅地関連除染は完了を迎えたが、新たにため池放射性物質対策業務委託等が設定されるなど、次第に下降傾向を示していくものの、すぐさま平常時までの値になるのには、いましばらく時間がかかるとみている。同様に普通建設事業費においても、国が示す平成28年度から平成32年度の5か年間の「復興・創生期間」においては一定水準の事業費が見込まれるものと判断している。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

実質収支比率は平成28年度は10%を越えたものの、平成29年度は6.92%と低下し、平成27年度以前の平均値程度となった。財政調整基金は平成28年度より増加している理由としては、復興事業に係る震災復興特別交付税による歳入が基金に含まれており、実質、基金残高は決して高くはない状況にある。近年は復興に伴う大型建設事業の実施により、補助金交付の前に前払金の支払いが発生するなど、転資金の確実な確保が求められている。そのようなことからも、また、不測の事態に備えるためにも一定程度の基金を確保し健全な財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

一般会計、公営事業会計、法適用企業会計、法非適用企業会計の全ての会計において実質収支が赤字決算にはならなかった。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

実質公債費比率(分子)の大部分を占める地方債元利償還金は、平成18年度以降減少していたが、近年の復興事業に伴う大型建設事業への充当により地方債が増加傾向にある。そのため、比率は今後増加傾向に転じ、平成34年度には元利償還が6億円を超す予定となっている。原則として地方債は各年度の臨時財政対策債を除いた起債額が、当該年度の元金償還額を超えないよう抑制を図ることとしているが、交付金事業の活用を積極的に行うなど、後年度負担をさらに減らすことを念頭に事業を遂行していかなければならないと考える。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来負担比率減少の主な要因としては、平成29年度末定年退職による退職手当負担見込額が減額となったこと、また、充当可能基金につき、剰余金を財源とした財政調整基金への積立をしたことにより増額となったこと等が挙げられる。ただし、地方債の現在高が増加しており、来年度以降も増加する予定であること、さらに財政調整基金等への積立ができるか未定であることなど、予断を許さない状況にある。今回実質公債費率が上昇していることから、新規事業の抑制や繰上償還など今後、将来負担比率が増加しないよう不断の努力が必要と思われる。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金においては、平成28年度剰余金として220,430千円を積み立てたほか、補正予算時の一般財源不足分として106,997千円を取り崩す一方、歳入過剰分として537,170千円を積み立て、結果として差引430,173千円を積み立てたことにより、積立額は平成28年度末から倍増する結果となった。また、原発事故により避難区域とされた山木屋地区の農地保全管理を目的とする「粗飼料生産流通拠点施設整備事業」のため、福島再生加速化交付金(国庫補助金)351,149千円を歳入し、「川俣町帰還環境整備交付金基金」へ積み立てたこと等により、基金全体としては884,135千円の増額となった。(今後の方針)その他特定目的金においては、「川俣町帰還環境整備交付金基金」のほか、復興公営住宅の整備費用に充てる「川俣町生活拠点形成交付金基金」や、山木屋地区復興拠点商業施設の運営経費に充てる「原子力災害復興基金」等の原発事故に伴う復旧・復興事業に関連する基金、また、現在準備を進めている火葬場建設費用に充てる「火葬場建設基金」等、時限的な基金が大部分を占めているため、今後、それらの事業が縮小・終了するとともに、基金の規模も縮小していく見込みである。

財政調整基金

(増減理由)平成28年度剰余金として220,430千円を積み立てたほか、補正予算時の一般財源不足分として106,997千円を取り崩す一方、歳入過剰分として537,170千円を積み立て、結果として差引430,173千円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)歳計剰余金の積み立てのほか、減額補正時の歳入超過に伴う積み立てを積極的に行い、「中長期財政計画」で示されている将来的な財源不足や、予期せぬ災害等への備えとして、一定程度の積立額を維持していく予定である。

減債基金

(増減理由)増減なし。(今後の方針)財政難の状況が続いていた平成17年度に財源不足を補うため、全額を取崩し、それ以降は端数である数千円の残金に対する利息の積立のみを行っているもの。震災で被災した役場本庁舎の建設に係る新庁舎建設事業債等、今後増加していく地方債の返済のため、基金の積み立てを行っていきたいところであるが、使途が限定される減債基金よりも、地方債への返済も含めて自由に活用できる財政調整基金への積み立てを優先している状況である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・川俣町帰還環境整備交付金基金:原発事故により避難区域とされていた山木屋地区の避難解除後の生活再建に向けた環境整備事業・川俣町火葬場建設基金:老朽化に伴い、建て替えに向けた準備を進めている火葬場建設事業・川俣町ふれあい福祉基金:高齢者の在宅福祉の向上及び健康の保持に資する事業、高齢者等に係るボランティア活動の活発化に資する事業、その他の高齢者等の保健福祉の増進に関する事業(増減理由)・川俣町帰還環境整備交付金基金:山木屋地区の農地保全管理を目的とする「粗飼料生産流通拠点施設整備事業」及び同地区の未舗装農道の舗装工事を目的とする「農業基盤整備促進事業」に充てるため114,895千円を取り崩す一方、「粗飼料生産流通拠点施設整備事業」のため、福島再生加速化交付金(国庫補助金)351,149千円を歳入し、積み立てたことによる増加。・川俣町ふれあい福祉基金:敬老祝金給付事業に充てるため、2,280千円を取り崩したことによる減少。・川俣町生活拠点形成交付金基金:復興公営住宅へのアクセス道整備事業への国庫補助金である、福島再生加速化交付金2,395千円を積み立てた一方、同事業及び復興公営住宅内の集会所の建設事業に充てるため、4,676千円を取り崩したことによる減少。(今後の方針)・川俣町帰還環境整備交付金基金:基金の使途の対象である「粗飼料生産流通拠点施設整備事業」及び「農業基盤整備促進事業」が、ともに平成31年度で完了する予定であり、基金の取り崩し、残金の返還等により、平成31年度で廃止する予定である。・川俣町生活拠点形成交付金基金:基金の使途の対象である復興公営住宅等の整備事業が、平成31年度で完了する予定であり、基金の取り崩し、残金の返還等により、平成31年度で廃止する予定である。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成28年度の有形固定資産減価償却率は、約50%と類似団体内平均値を下回っており、比較的施設の老朽化は進んでいないように見えるが、これは震災により被災した役場庁舎を新築したことや、復興公営住宅や復興拠点商業施設等の震災復興関連施設を複数新築したことが要因と考えられ、集会所等の既存の施設は軒並み老朽化が進んでいる。平成28年度に策定した公共施設総合管理計画や、令和元年度に策定を予定している各施設ごとの個別施設計画に基づき、今後、施設の統廃合も含めながら公共施設等の適正管理に努める。

債務償還可能年数の分析欄

平成29年度の債務償還可能年数は、7.1と類似団体平均を上回っている。その主な要因としては、平成29年から平成31年度までの3ヶ年で整備するデジタル防災無線整備事業にかかる借入額や、主に平成28年度に借入を行った新庁舎建設事業にかかる借入額等、近年の大型事業に伴う地方債の現在高が影響している。人件費は定年退職に伴い、職員が若年化しているため、ポイントの減少に若干影響している。今後は新規事業を見直し、地方債発行を抑制する必要があると考える。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

H28年度は類似団体平均値と比較し、上記の理由により有形固定資産減価償却率は低いものの、将来負担比率は約2倍と対極的な値となっている。将来負担比率が高い要因としては、地方債の現在高が増加していること、中堅以上の職員が多く、退職手当負担見込額が高い水準にあることが考えられ、今後、事業の抑制や元利償還金の繰上償還、職員採用するなどの人件費抑制が必要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成29年度の将来負担比率は58.7、実質公債費比率はは3.1となっており、類似団体平均からみると将来負担比率は高く、実質公債比率は低い状況にある。元利償還金の額は平成28年度から減少しているものの、地方債の現在高が増加しており、今後、元利償還額の増加に留意していかなければならない。また、充当可能基金については剰余金を財源とした財政調整基金への積み立てにより充当可能基金が増加したものの、復興に伴う財源が含まれており、復興事業の終了に伴い、今後充当可能な基金が減少することが予想され、結果として将来負担比率が増加する可能性があるため、新規事業の抑制や繰上償還などの取り組みが必要と考えている。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

平成28年度の有形固定資産減価償却率について、類似団体と比較すると学校施設、幼稚園等の水準が高く、老朽化が進んでいる。当町では過疎化による人口減少が著しく、小学校・幼稚園の統廃合が進んでおり、令和5年度には、2校1園に統合する予定である。令和2年度に策定を予定している学校施設の個別施設計画等に基づき、各施設の老朽化対策を実施していくとともに、廃校とされた施設のあり方についても模索していく必要がある。道路及び公営住宅では類似団体内平均値を下回っているが、道路については、避難指示が解除された山木屋地区において、震災復興事業として未舗装道路の舗装整備を複数路線で実施していることが要因の一つと考えられる。公営住宅については、震災により整備した復興公営住宅36棟の新築によるものと考えられるが、既存の公営住宅は軒並み老朽化しており、今後、「川俣町公営住宅等長寿命化計画」(計画期間:平成26年度~平成35年度)に基づき、長寿命化対策を実施していく。また、類似団体と比較すると一人当たり面積は大きいことから、老朽化の著しい小規模な木造住宅については、居住者がいないものから順次解体を行っていく予定である。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

平成28年度の有形固定資産減価償却率について、類似団体と比較すると消防施設の水準が高く、老朽化が進んでいる。また、人口減少等により、年々消防団員も減っている中、一人当たり面積は類似団体と比較して約2倍と大きいことから、今後、消防屯所の統廃合を含めた検討が必要である。体育館・プール及び保健センターでは類似団体内平均値を下回っており、比較的老朽化は進んでいない。保健センターの一人当たり面積は、類似団体と比較して小さいが、特に支障なく業務を実施している。庁舎については、旧本庁舎が震災により被災し、使用不可とされたことから、平成28年度に本庁舎を新築したところであるため、類似団体と比較して著しく低い数値となっている。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計においては、平成28年度末と比較すると、資産、純資産とも約32億円増加している。固定資産は約25億円の増額となったが、主な要因としては、避難解除された山木屋地区における復興・帰還促進事業として、山木屋地区復興拠点商業施設の新設や山木屋小中学校の大規模改修、アンスリウム栽培用園芸施設の新築等による事業用資産の増加(約18億円)や、荒廃した農地を大規模に再生させるための粗飼料生産流通拠点施設整備事業において、大型のトラクター類を多数購入したことによる物品の増加(約4億円)があげられる。また、営農再開促進のための農道整備事業である、農業基盤整備促進事業への国庫支出金を積み立てたことにより、基金が約2億円増額している。流動資産は約7億円の増額となったが、一般財源の剰余金約6.5億円を財政調整基金に積み立てたことが大きな要因である。負債については、デジタル防災行政無線整備事業等により地方債の借入が増加したものの、5名が定年退職したことにより退職手当引当金が減少したことにより相殺されたため、増減はなかった。全体会計及び連結会計においても、一般会計と同様の理由で資産、純資産とも増加している。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計においては、平成28年度末と比較すると、純経常行政コスト、純行政コストともに約9億円の減額となっている。経常費用は約75億円となり、最も金額が大きいのは物件費(約29億円)であり、純行政コストの約4割を占めている。これは、放射線量モニタリング業務、汚染物質運搬業務、山木屋地区地域安全パトロール業務等の原子力災害からの復旧復興事業に係る委託料を多額に支出したことによる。平成28年度末と比較すると約6億円の減額であるが、除染事業の進捗により継続モニタリング業務等の委託料が大幅に減額したことによる。全体会計及び連結会計においては、国民健康保険特別会計や後期高齢者医療特別会計等における、連合会等への負担金を補助金等に計上しているため、一般会計に比べ、純行政コストがそれぞれ増額している。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計における純資産残高は、約243億円となり、平成28年度末と比較して、約32億円増加している。これは純行政コストが約9億円の減額となる方、財源(税収等、国県等補助金)は約24億円の大幅な増額となったことによるものである。その要因としては、本年度に実施した山木屋地区復興拠点商業施設の新設や山木屋小中学校の大規模改修、園芸施設及び粗飼料生産流通拠点施設の新築等の復旧復興事業により、震災復興特別交付税が大幅に増額(約13億円)したことが挙げられる。また、当該復旧復興事業には多額の国県等補助金が充当されているため、財源にそれらの補助金額が計上されていることも増加の一因である。全体会計及び連結会計においても、一般会計と同様の理由で純資産残高が増加している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計において、業務活動収支は約16億円、投資活動収支は約17億円、財務活動収支は約15億円で、資金収支トータルは約0.4億円となり、投資活動収支のマイナス分を業務活動収支(通常業務)分の交付税等により賄ったという状況である。結果として、年度末資金残高は約7億円となり、平成28年度末から約1億円増加した。また、全体会計及び連結会計においても、一般会計と同様に資金残高は増額している。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体を下回っているが、当町では道路や河川について、取得価額が不明であるため、備忘価額1円で計上しているものが大半であることが一因と考えられる。本年度は、山木屋地区復興拠点商業施設の新設や山木屋小中学校の大規模改修等により、平成28年度末と比較すると約30万円ほど増加している。歳入額対資産比率は平成28年度末からやや改善はしたものの、依然として類似団体平均値の約半分と大きく下回っている。保有資産に対して、収入額が大幅に少ないことを意味しており、今後の推移を注視しつつ、公共施設等の統廃合も検討していく必要がある。有形固定資産減価償却率は、約48%と類似団体平均値を下回っており、比較的施設の老朽化は進んでいないと言える。公共施設総合管理計画や、策定を予定している各施設ごとの個別施設計画に基づき、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

平成28年度末と比較すると、事業用資産の増加による純資産の増額により、純資産比率は約3%上昇した。この値は、類似団体平均値とほぼ同数であり、財務的健全性は平均的であると言える。今後も公共施設等の統廃合等により、固定資産を減らしていくとともに、地方債の借入を抑えるなど、財政健全化に努めていく必要がある。本年度はデジタル防災行政無線の整備等により、地方債の借入額が増加したものの、将来世代負担比率は微減にとどまり、類似団体平均値とほぼ同数である。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均値を上回っているが、当町では、放射線量モニタリング業務、汚染物質運搬業務、山木屋地区地域安全パトロール業務等の原子力災害からの復旧復興事業に係る委託料を多額に計上しているという特殊な事情によるものと思われる。平成28年度末と比較すると4.6万円の減額であるが、除染事業の進捗により継続モニタリング業務等の委託料が減額したことによる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

負債総額については、固定負債において、地方債の発行が増加したものの、退職手当引当金が減少したことにより相殺され、ほぼ変動はなかった。住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っており、類似団体と比較して財政負担が軽いと言える。本年度は復旧復興事業を重点的に実施したことにより、過年度算定分も含め、震災復興特別交付税が大幅に増額したことから、業務収入が増大し、基礎的財政収支は約8億円となり、平成28年度の約18億円から大幅に改善され、類似団体平均を上回った。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、類似団体平均値を下回る低い水準にあり、公共施設等の使用料等の料金設定について、今後検討していくとともに、公共施設等の利用回数を上げるための取り組みを行うなどにより、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,