地域において担っている役割
人口減少と少子高齢化が進む本地域において本病院は、二次救急医療を提供できる医療体制を堅持しながら、「かかりつけ医」としての機能を発揮し、長期の医療・介護が必要な方のための在宅復帰支援や院内で看取るターミナルケア体制の確保を図りながら、一般急性期から慢性期の患者への医療体制に取り組んでいます。
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率・経常収支比率は毎年度100%前後を繰り返している。②医業収支比率・医業収支比率は、類似病院平均値を上回っているが、平成28年度は診療報酬改定の影響により医業収支比率が80%を下回った。③累積欠損金比率・当年度未処理欠損金は増加したが、類似病院平均値は大きく下回っている。④病床利用率・病床利用率は、類似病院平均値を大きく上回っており、80%以上を確保している。⑤入院患者1人1日当たり収益・入院患者1人1日当たりの収益は、毎年度15,000円前後を推移しており、類似病院の平均額と比較して低いのは療養病床に占める患者が多いためである。⑥外来患者1人1日当たり収益・外来患者1人1日当たりの収益は、毎年度4,000円を少し下回る額で推移しているが、類似病院の平均額と比較して低いのは、高度医療検査等を実施していないのが要因と思われる。⑦職員給与費対医業収益比率・職員給与費対医業収益比率が昨年度と比較して7.5%上昇しているが、これは、給与改定と医師手当の増加によるものである。⑧材料費対医業収益比率・材料費対医業収益比率は、毎年度5%前後で推移しており、類似病院平均値よりも低いのは、療養病床に占める患者が多いためである。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率・本病院は、平成18年10月に新病院の建設を行っていることから有形固定資産減価償却率が低い。②機械備品減価償却率・機械備品減価償却率は、年々増加傾向であることから、今後は、計画的に機器等の更新を進める必要がある。③1床当たり有形固定資産・1床当たりの有形固定資産額は毎年度17百万円を上回る額で推移しており、健全な建設投資の状況と思われる。
全体総括
本病院の経営環境は、診療報酬の削減や国の医療制度改革、地域の人口減少及び医師不足等により厳しい経営状況となっています。平成28年11月に策定された地域医療構想では、急性期及び慢性期病床は大きく減少し、高度急性期及び回復期病床は増床する計画となっています。今後は、地域医療構想に沿った病床の転換を検討し、近隣の公立病院や民間病院との機能分担と連携強化に努め、安定した経営形態を目指します。