地域において担っている役割
公立医療機関、また、国民健康保険診療施設として、不採算地区である東郷地区における医療サービスの提供や、保健及び福祉との連携により地域住民の健康の保持増進を図っていく役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
平成30年4月から入院診療等を再開し、入院収益(医業収益)が皆増となったため、職員給与費対医業収益比率及び材料費対医業収益比率は減少し、医業収支比率は改善しました。再開までの期間を要したことが大きく影響し、病床利用率は伸びず、また、診療報酬の改定時期も重なり、入院患者1人1日当たり収益は低い水準となっています。医師の異動等による外来患者数の減に比例して、外来患者1人1日当たり収益も減少しています。決算としては、経常損益は黒字となったため、経常収支比率及び累積欠損金比率は改善しましたが、これらは、資金確保のための一般会計繰入金の増額によるものであり、経営は厳しい状況が続いています。
老朽化の状況について
昭和49年に建設された病院施設の老朽化は年々深刻化しているため、医療機器の更新も含めた改築計画を策定しましたが、診療縮小により、計画を休止している状態であり、設備投資については、必要最小限度に抑えている状況が続いています。
全体総括
医師及び看護師等の確保、諸業務の委託業者の確保ができ、平成30年4月から2年8ヶ月ぶりに、入院診療、平日時間外及び休日救急診療を再開しました。しかしながら、休止していた期間が長かったことも影響し、患者数は伸び悩み、以前のような収益の確保には至らず、依然として、厳しい経営状況が続いています。また、老朽化している施設、医療機器の更新計画についても、安定的な経営が担保されることが前提であることから、中断している状況が続いています。このようなことから、持続可能な医療提供体制を構築するために、現在、庁内及び外部有識者で構成する検討組織において、病院の在り方について検討している状況にあります。