地域において担っている役割
田野病院は本市南西地域(田野地域)で唯一の入院施設ですが、病院完結型の医療ではなく、周辺の医療機関と連携しながら地域完結型の医療の提供を行うことにより、当該地域の地域医療の中心的役割を担うとともに、住民の健康増進に寄与することが求められています。
経営の健全性・効率性について
病院事業において、入院患者数が増加したこと、また平成29年1月に地域包括ケア病床を導入し「入院患者1人1日当たり収益」が伸びたこと等により、「医業収支比率」が前年度を上回り、「経常収支比率」がやや改善しました。しかしながら、外来患者数は増加はしたものの「外来患者1人当たり収益」が減少したことや、病院事業の附帯施設である介護老人保健施設の利用者の伸び悩み等の理由により、「経常収支比率」は100%を下回り、平成28年度も欠損金を計上することとなりました。その結果、累積欠損金が増加し、昨年度に引続き「累積欠損金比率」が類似病院平均値及び全国平均値を上回ることとなりました。今後、健診の受入体制等を充実させることで医業収益の増収に繋げるとともに、介護老人保健施設の利用者数の増加が一番の課題と考えています。
老朽化の状況について
平成23年度に病院の建替工事が完了したことと、平成26年度に附帯施設の介護老人保健施設の大規模改修が完了したこと等により、「有形固定資産減価償却率」は類似病院平均値及び全国平均値を大きく下回っています。また、「機械備品減価償却率」については、新たに購入した備品等がないことから年々上昇しています。
全体総括
田野病院は本市南西地域の地域医療の中心的な役割を担い、住民の健康増進に寄与する施設として、現在の機能を維持するとともに、高度急性期機能を担う宮崎大学医学部附属病院や附帯施設の介護老人保健施設などと連携し、回復期機能の医療の強化、さらには専門分野にとらわれない総合的な診療・全人的な医療の提供などに努めています。平成28年度に策定した「第3次宮崎市病院事業経営計画」に基づき、平成31年度からの「経常収支比率」100%以上の達成を目標として、指定管理者である宮崎大学とより一層連携に努め、積極的な病院改革に取り組み、病院事業会計の早期の収支改善を図っていきます。