経営の健全性・効率性について
●経営の健全性について「経常収支比率」は100%前後で推移し、累積欠損もありません。また、「流動比率」も100%を下回っておらず、支払能力も十分な水準にあり、健全性に問題はありません。「料金回収率」については、受水企業が2社で、給水収益と施設の運転・維持管理に係る費用がほぼ拮抗しており、100%前後で推移しています。なお、100%未満の年度については、単年度赤字を計上しており、すべて利益積立金で補填しています。●効率性について「給水原価」は全国平均よりやや高く、類似団体平均よりも低いことから、おおむね適正な数値と考えます。一方、「施設利用率」は、類似団体平均と同程度であるものの、全国平均より低い状況にあることから、受水企業の水需要等も考慮しながら、施設の改築・更新を検討する必要があります。また、「契約率」は、「責任使用水量制」を採用しており、全国平均と同程度の75.00%となっております。必要に応じて、契約水量の変更や施設規模の検討をする必要があります。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は、事業開始から30年を経過し、法定耐用年数を超える設備や施設の老朽化が生じていることから、類似団体平均や全国平均よりも高くなっております。また、「管路経年化率」と「管路更新率」については、法定耐用年数(40年)を経過した管路がないことから該当値は出ておりません。今後は、事業開始時に整備した管路が更新時期を迎えるため、アセットマネジメントの手法を活用し、計画的・効率的な更新を進めていく必要があります。
全体総括
事業開始から30年が経過し、施設等の老朽化や耐震対策が喫緊の課題となっており、施設等の更新事業費の増大が見込まれています。そのため、現在、アセットマネジメントの手法を活用した施設整備事業計画を策定し、中期の財政収支予測や料金の見直しの検討等を行っております。また、受水企業が2社であるため、給水収益の大幅な伸びが見込めない状況にあることから、今後、施設更新に伴う費用負担について、料金改定の必要性も含め受水企業の意見等を伺いながら検討していく必要があります。経営戦略については平成31年2月に策定しております。