経営の健全性・効率性について
①経営収支比率は100%金比率については、令和元年度に既給水事業者のうち1社が契約解除したことに伴い年々増加し、③流動比率は、令和2年度に流動負債である企業債の償還が終了したことにより大幅な増加となったが、依然として赤字経営が続いている状態である。④企業債残高給水収益比率は、令和2年度に償還金が終了し、今後の借入見込みもないため、令和3年度以降も「0」となる。⑤料金回収率は100%給水に係る費用を給水収益だけでは賄えてはいない。⑥給水原価は、給水能力9,300./し、年度末契約水量が1,910./に対して契約水量の割合が20.5%と、減価償却費用が大きいことが給水原価の平均値を大きく上回っている要因である。⑦施設利用率と⑧契約率については、給水区域に食品加工業者が多く、契約水量が伸びず、平均値を下回っている。以上のことにより、累積欠損金は年々増加し、給水に係る費用も給水収益では賄えておらず、施設の老朽化に伴う設備更新など新たな投資も必要となるため、経費の節減や給水契約の増加に努めていかなければならない。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、一定の割合で上昇しており、高い傾向にあるため、今後の更新計画については、工業用水道事業経営戦略に基づき、資金を確保出来る範囲内で行うこととしている。②管路経年化率及び③管路更新率は、耐用年数を経過した管はなく、更新を行っていないが、布設より26年が経過しているため、今後は順次更新していく必要がある。
全体総括
平成5年に工業用水の給水を開始したが、給水区域には食品加工業者が多く、工業用水が適さず、契約率は低いままで、設備等の老朽化の更新については、令和2年度に国のインフラ長寿命化基本計画に基づき策定した「個別施設計画」により行う予定だが、多大な経費負担となるため、今後の経営状況はますます厳しくなると見込まれる。県内での現行料金は、当市が最高であり、料金改定は予定していない。今後も、経費の節減、給水区域の新規需要の開拓や既契約企業への工業用水の用途等の再検討など契約水量の増加に努め、給水収益の増収を図る必要がある。