四万十市：市民病院

地域において担っている役割

当院は、昭和27年に開設されて以来、地域における中核的医療機関として医療水準の向上に努め、市内のほとんどの医療機関が「回復期・療養期医療」を提供する中で、「急性期医療」を提供する役割を担い、市民をはじめ、幡多地域の住民の健康と福祉の増進に重要な役割と責務を担ってきました。今後も急性期医療を主体とした機能と規模を維持することを基本として、さらに進展する高齢者社会において、需要の増加が見込まれる回復期医療や在宅復帰支援の充実に努めます。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率（％）【指標】単年度の収支が黒字であることを示す100％以上が必要。【分析】平成28年度に黒字を計上。今後も平成29年3月に策定した健全化計画に基づき収益と費用の両面から経営改善に努める。②医業収支比率（％）【指標】病院の本業である医業活動から生じる医業費用に対する医業収益の割合で、医業活動による経営状況を判断するもの。【分析】類似病院を上回っているが、さらに医業収支比率を高める取り組みを進める。③累積欠損金比率（％）【指標】累積欠損金が発生していないことが必要。【分析】類似病院と比較して大きな累積欠損金が生じている。④病床利用率（％）【指標】病院の施設が有効に活用されているか判断する指標。【分析】いずれの年も類似団体を上回っているものの、平成28年度は70％割れとなったため、利用率向上に取り組む。⑤入院患者1人1日当たり収益（円）⑥外来患者1人1日当たり収益（円）【分析】⑤⑥ともに類似病院を上回っている。⑦職員給与費対医業収益比率（％）【分析】類似病院と比較して給与費の割合は低いが、今後も給与費の適正化に努める。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率（％）【指標】100％に近いほど、保有資産の使用年数が法定耐用年数に近づいており、資産の老朽化度合いを表す。②機械備品減価償却率（％）【指標】有形固定資産のうち医療機器備品の老朽化度合いを表す。【分析】有形固定資産及び機械備品の減価償却率は、他病院に比較して高くなってる。計画的に適切な機械備品等の更新を図る。③1床当たり有形固定資産（円）【指標】1床当たりの有形固定資産の保有状況を示す。類似病院を上回っている場合は、過大な投資がないか原因の分析が必要。【分析】平成27年度に大きく増加している原因は、平成28年3月1日より許可病床数を130床から99床へ減床したためである。また、類似病院を上回っている要因は、地域における中核的医療機関として「急性期医療」を提供する役割を担っており、診療機能の高度化、充実化のために、高額な医療機器の整備や手術室や検査室に係る資産を保有しているためである。

全体総括

当院は、平成28年度には黒字を計上したものの、大きな累積欠損金を抱えるなど、近年の医療制度改革、診療報酬のマイナス改定、医師不足等の影響により、厳しい経営状況に直面しています。このため、平成29年3月に「四万十市立市民病院経営健全化計画」を策定し、医療環境の変化に柔軟に対応し、経営の効率化を図るとともに、質の高い医療の提供や患者サービスの向上に取り組むことで、経営の健全化を図り持続可能な病院運営に努めることとしています。