久万高原町：国保病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2019年度）

地域において担っている役割

町内唯一の自治体病院として救急医療から在宅医療まで幅広い医療提供を行う。また、併設する保健センターや老人保健施設とともに予防医療や介護サービス等にも取り組み地域包括ケアシステムの拠点としての役割を果たす。コミュニティケアとして地域とのパートナーシップづくりにも取り組み、地域に寄り添う医療を展開する。

経営の健全性・効率性について

経常・医業ともに改善し、病床利用率も上昇している。病床利用率は、数値目標80%超の数値目標を定め入院の受け入れ態勢の強化により利用率は大きく改善が進んだ。⑤⑥患者１人あたり収益は、前年度に引き続き上昇し、施設基準の見直し等により入院単価は向上した。今後においても病床利用率を一定の水準以上で推移させることが当院の課題である。固定経費である人件費の対策が最大の課題であり、非常勤医師や臨時職員の抑制により人件費の上昇を抑制していきたい。

老朽化の状況について

施設は老朽化しており、南海トラフ地震に対する懸念がある。建物は耐震スリット工事（建物の負荷個所にスリットを入れ、揺れに対して負荷を逃がす構造）をしているが、医療配管、給排水と設備系のほとんどは、建築当初のままであるので、被災後は、診療機能は維持できないと予測され、患者避難を優先させざるを得ない施設となるため、災害時にはDMATへの支援ができるレベルの診療施設としての機能が果たせるようできるだけ早急に改善策を講じる必要がある。建物の老朽化については新病院構想の具体化検討を始めることとしている。

全体総括

今後は病床利用率の向上が急務である。基準内の繰入金を確保したうえで収支均衡化を図り、老朽化する施設の対応をできるだけ早く進め、持続可能な病院経営の体制づくりを進めたい。また、会計年度任用制度の影響による人件費の増加も起こっており人員の適正配置も検討しなければならない。

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