高松市：市民病院塩江分院

地域において担っている役割

塩江地域唯一の医療機関としての責任を果たすため、住み慣れた自宅で家族の負担を軽減しながら安心して療養できるよう、「在宅療養支援病院」として、医師、看護師が24時間・365日体制で患者の在宅療養を支援している。また、訪問診療や訪問看護を始め、歯科医師や理学療法士等、多職種が地域に出向き、専門性を活かした活動の充実のほか、交通手段を持たない地域住民のための患者送迎バスの運行など、職員全員で地域を支える「地域まるごと医療」を実践している。

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率については、類似病院平均値を上回っており、黒字を達成しているものの、経年比較においては少しづつ悪化しており、人口減少などの要因があげられる。③累積欠損金比率については、Ｈ26年度に企業会計基準の見直しに伴う退職給付引当金の一括計上により急増したものの、徐々に減少してきており、経営の健全化が進んでいると言える。④病床利用率はやや低下してきているが、人口減少、高齢化が進んでいる地域であることから、大きな改善は困難と考えられる。⑥外来患者１人１日当たり収益は類似病院平均を上回っているものの、⑤入院患者１人１日当たり収益は平均値より低くなっているため、入院患者の平均単価を上げることが必要である。ただ、塩江分院は療養病床のみであり、患者単価は急性期病院と比べて低いことから、一般病床を含む類似病院平均値を上回ることは困難である。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率及び②機械備品減価償却率は、類似病院平均値より高くなっており、施設設備の老朽化が進んでいることが分かる。類似病院よりも施設設備の更新が進んでいない状況であるが、現在、３０年９月に開院するみんなの病院の附属医療施設として、再整備を行うこととして検討を進めており、今後、適切な施設設備の更新に努めたい。

全体総括

２８年度中に療養病棟入院基本料Ⅰ、在宅復帰機能強化加算を取得する等、医療品質の向上にも努めた。今後においても、「地域まるごと医療」をスローガンに、健全経営に努めるとともに、保険、医療、福祉が一体となって地域包括ケアに貢献していきたい。