那賀町：工業用水道事業

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率について当該指標は100%以上で、単年度の収支が黒字であることを示しています。当会計においてはH27年からの5年間の収支は黒字を維持しており、健全経営を続けています。②累積欠損金比率について当該指標は営業収益に対する累積欠損金の状況を示しています。当会計においては、H27年からの5年間の累積欠損金の発生はなく、0%を維持しております。③流動比率について当該指標は１年以内に支払うべき債務に対して、支払うことができる現金等があることを示す指標です。100%を下回る場合は１年以内に支払わなければならない負債を１年以内に現金化できる資産で賄えていないことを示します。当会計においては、H26年からR1年にかけて河川設備の大規模改修を実施したことから、他会計からの借入金を繰入れており、負債が増え類似団体よりも低い値となっていますが、H28年以降は100%を上回り、かつ増加傾向にあります。④企業債残高対給水収益比率について当該指標は給水収益に対する企業債残高の規模を表す指標です。当会計は給水収益は責任水量制を採用しており毎年ほぼ変化はないため、企業債残高が少なくなるほど率が低いということになります。H27年からの5年間の率は年々減少傾向にあります。⑤料金回収率について当該指標は給水に係る費用がどの程度給水収益で賄えているかを表した指標です。料金回収率が100%を下回る場合は、給水に係る費用を給水収益以外の収入で賄われていることを意味します。当会計は100%を維持しており、類似団体の平均と比較しても高い水準にあります。⑥給水原価について当該指標は送水流量１m3当たりにどれだけの費用がかかっているかを表す指標です。当会計は⑦の施設利用率からもわかるように、実総水流量が類似団体と比較しても少ないため、1m3当たりにかかる費用が多くなります。そのため、類似団体と比較して高い数値となっています。⑦施設利用率について当工業用水道事業は、配水能力に対しての実給水量が少ないため、類似団体よりも低い数値となっています。当事業は配水可能量と同量が契約水量となっており、給水事業所の工場の稼働状況によっては１日2000m3以上の給水が必用となる場合もあるため、設備のダウンサイジング等は考えておりません。⑧契約率について当会計は運用開始から、配水能力と同量の契約水量を確保しており、100%を維持しております。

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率について当該指標は、有形固定資産の内、償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを表すもので、資産の老朽化度合いを示しています。当事業の設備は地下水送水設備等の運用年数が浅い設備が多くあり、法定耐用年数に達した設備についても計画的に更新しているため、類似団体と比較しても低い水準となっています。②管路経年化率について当事業は平成５年から運用を開始しており、法定耐用年数の４０年に達していないため、0%となっております。③管路更新率について前述した通り、法定耐用年数に達していないため更新の行っておりません。そのため0%となっております。

全体総括

現状は健全な経営が行われていますが、今後は設備や管路の老朽化に伴うトラブルに備えた設備更新と、給水事業者の要望を踏まえた改良工事等、事業規模にあった設備更新を計画的に実施します。