岩国市：岩国市立錦中央病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2019年度）

地域において担っている役割

当院は、医療機関の少ない岩国市北部地域において初期診療から慢性期医療までを幅広く担う地域の拠点病院である。へき地医療協力病院として、市民が等しく適切な医療が受けられるよう、へき地医療提供体制の堅持に努めることとしている。また、救急告示病院として救急患者への対応を行っており、過疎高齢化が進む当地域の医療体制を維持・確保するために欠かせない存在である。

経営の健全性・効率性について

医業収支比率が類似病院平均値を若干下回っており、経常収支比率は平均値を大きく下回っている。これは常勤医の退職により医師が３名体制となったため、外来･入院共に患者数が減となったことが要因の一つと思われる。今後は適正な医師数の確保に努め、単年度の黒字化により累積欠損金の解消に努める。支出面については、平均値を上回っている材料費対医業収益比率の改善を図るため、同市立病院である美和病院との医薬品の共同購入を継続するとともに、ジェネリック医薬品の採用品目を増加し、経費削減に努める。

老朽化の状況について

病院施設については、築後30年以上を経過しているため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。耐震性はあるため、今後は既存施設の改修工事に計画的に取り組むこととしており、平成27年度にエレベーターの改修工事、平成29年度からは病棟トイレ２箇所の改修工事を行っている。今後は令和３年度にスプリンクラー施設の設計、令和４年度に設置工事、令和５年度以降に屋上の防水工事等、必要な改修を行っていく。器械備品減価償却率については、平均値を若干上回っており、今後も計画的な機器の更新を進める。

全体総括

当院が位置する山口県岩国市玖北地域は、人口の減少及び高齢化の進みが著しく、今後入院･外来患者数共に減少していくことが予想され、経営的に厳しい状況になると考えられる。そのなかで、地域の医療を維持･確保するため、新公立病院改革プランに基づき経費の削減・抑制対策に取り組みつつ、令和元年６月には病床数の削減に取り組み、空いた病室に訪問看護室、地域連携室の設置を行った。訪問看護業務については看護師２名体制による本格的な取り組みを開始し、入院･外来･訪問を柱とした病院経営により収入の増加･確保を図り、持続可能な病院経営が行えるよう努める。

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