岩国市：岩国市立錦中央病院【地方財政ダッシュボード】

経営比較分析表（2016年度）

地域において担っている役割

当院は、医療機関の少ない岩国市北部地域において初期診療から慢性期医療までを幅広く担う地域の拠点病院である。へき地医療協力病院として、市民が等しく適切な医療が受けられるよう、へき地医療提供体制の堅持に努めることとしている。また、救急告示病院として救急患者への対応を行っており、過疎高齢化が進む当地域の医療体制を維持・確保するために欠かせない存在である。

経営の健全性・効率性について

医業収支比率が類似病院平均値を上回っているものの、経常収支比率が100％前後を推移しているため、今後、単年度の黒字化により累積欠損金の解消に努める。また、病床利用率も平均値を上回っているが、80％を目標に入院収益のアップによる赤字の解消を図る。支出面について、職員給与費対医業収益比率は平均値を下回っている。一方、材料費対医業収益比率は平均値より高くなっているため、美和病院との医薬品の共同購入を継続するとともに、ジェネリック医薬品の採用品目を増加し、経費削減に努める。

老朽化の状況について

病院施設については、築後30年以上を経過しているため、有形固定資産減価償却率が高くなっている。耐震性はあるため、今後は既存施設の改修工事に計画的に取り組むこととしており、平成29年度からは病棟トイレ２箇所の改修に、また、その後はスプリンクラーの設置等、必要な改修を行っていく。機械備品減価償却率については、平均値と同水準になっており、今後も計画的な機器の更新を進める。

全体総括

当院が位置する山口県岩国市玖北地域は、人口の減少及び高齢化の進みが著しく、今後入院･外来患者数共に減少していくことが予想され、経営的に厳しい状況になると考えられる。しかしながら、地域の医療を維持･確保するため、新公立病院改革プランに基づき経費の削減･抑制対策に取り組みつつ、今後は在宅医療への取組について積極的な検討を行い、収入の増加･確保を図り持続可能な病院経営が行えるよう努める。

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