地域において担っている役割
兵庫県におけるリハビリテーション医療の中核病院として、地域で対応困難な脊髄損傷や四肢切断、神経難病、脳卒中等による重度の障害者を対象に、専門医やセラピスト、看護師等のチームアプローチによる高度で専門的かつ総合的なリハビリテーション医療を提供している。また、子どもの睡眠障害・発達障害の有効な治療の開発にも取り組んでいる。
経営の健全性・効率性について
(1)収益について経常収益については、入院患者数の増に加え、手術件数の増等による診療単価の向上により、前年度より272百万円増加し、4,670百万円となった。(2)費用について経常費用については、収益連動による材料費の増や経費の増等により、前年度より263百万円増加し、4,606百万円となった。上記の結果、経常損益は、前年度よりも10百万円改善し、65百万円の黒字となり、経常収支比率102.7%、医業収支比率102.3%を確保した。
老朽化の状況について
当院設置から26年が経過し、建物・設備等全体的に老朽化が進行している。特に、空調設備と電気設備の老朽化が著しい。また、建物についても、雨漏り箇所が多数発生している等、その対策が急務となってきている。予算上の制約もあることから、計画的な設備更新を行うよう努めている。
全体総括
平成29年度の経常損益は、65百万円の黒字を確保したが、今後とも、経営の安定化を図るため、より一層の収入の確保及び費用の抑制を行う等、収支改善に努める必要がある。そのために、地域の医療機関との連携の強化、神経難病疾患患者の受け入れ促進、糖尿病医療の拡充等により患者確保に努めるとともに、手術件数の増等診療単価の向上にも取り組んでいく。また、薬品や診療材料について、更なる価格交渉の推進・強化に取り組みつつ、設備・建物・医療機器の計画的な更新を図っていく。今後、当院の運営理念を実現すべく、安全で質の高い先導的なリハビリ医療の推進に向け、県病院局及び法人本部と連携し、より一層経営改善に努めていく。