地域において担っている役割
北設楽郡唯一の公立病院であり、人口の減少、過疎化、少子高齢化が進む圏域内住民が住み慣れた地域で生きがいを持って暮らすことができるよう、また、町内の無医地区または無医地区に準ずる地区を対象とする巡回診療や、北設楽郡内のへき地診療所の医師等の休暇時等における代替医師の派遣を行い、必要な医療提供体制の確保を図ることとし、医療を適切に実施していけるように、医師、看護職、医療技術員等の確保に加え、必要な医療機器を整備するとともに、更なる経営の改革を進めながら持続可能な医療提供体制の構築を目指す。
経営の健全性・効率性について
近年、人口減少に伴い特に入院患者数が減少しており、加えて深刻な医師不足等により医療スタッフの確保も困難な状況が続いていることから病床利用率は低下する傾向にあり、厳しい経営状況となっている。②医業収支比率④病床利用率⑤入院患者1人1日当り収益類似病院平均値より下回っている要因は、入院患者の減少となっていることが主な要因である。1日当たりの入院患者数が、20人を下回っている状況であり、人口の減少等から更に入院患者の減少が予想され、入院機能を維持することが大変困難な状態である。なかでも②医業収支比率が増加した要因は、平成31年度より直営化し人員の適正化によるもの、また④病床利用率が減少した要因は、人口減少、救急受入の制限などである。⑦職員給与費対医業収益比率⑧材料費対医業収益比率類似病院平均値より上回っているが、経費削減や人員の適正化に努め、医業収支比率を昨年度より改善することができた。しかし、医業収益が減少しているため、職員の配置等検討していく。また、材料費は、入院患者の減少で材料の少量購入により購入単価が割高となっている。
老朽化の状況について
昭和36年に病院とし開設され、その後3期にわたって増築し現在まで至っているが、施設の老朽化が著しく①有形固定資産減価償却率が平均より上回っているため早急な整備が必要となっている。平成29年度に東栄町医療センター等施設整備基本構想・基本計画を策定し、令和4年4月に新たな無床の施設を整備していく。②器械備品減価償却率については、類似病院の平均値を上回っている。電子カルテ導入により償却資産が増額となったことが要因である。
全体総括
近年の人口減に伴い患者も減少傾向にあり、加えて深刻な医師不足と医療スタッフの確保が困難な状況が続いていることから、病院機能を維持することは困難であると判断し、平成31年度から有床診療所化した。また、施設も経年により老朽化しており、良質で安全な医療を提供し、住民の安心と安全を守るための拠点となる施設を、早急に整備することが必要な状態であるため、入院機能を段階的に縮小しつつ、令和4年4月に新たな無床診療所を整備する。H29年度新改革プラン策定済。