地域において担っている役割
平成27年8月救命救急センター指定、平成28年度8月地域医療支援病院の承認、平成29年度は平成31年度に静岡県地域がん診療連携推進病院の指定に向け、がん相談支援センターや緩和ケア外来を開設し、急性期医療を担う基幹病院としての役割を十分に果たす体制が整いつつあるものと考えている。PET-CT、ロボット手術支援装置ダビンチ等、高度医療機器の整備により、地域の医療水準を高めるとともに、臨床研修病院として教育に力を入れ、医師をはじめとする医療従事者の教育研修施設としての役割を果たしている。
経営の健全性・効率性について
新公立病院改革プランに基づく、当院の改革プランでは、平成32年度の経常収支比率100%以上の目標を掲げている。①経常収支比率が、99.6%と目標に近い値となっているが、平成31年度に電子カルテの更新を控え、減価償却費が増加する平成32年度の目標達成のためには、更なる医業収支の改善が必須である。⑤入院患者1人1日当たり収益について、類似病院平均値が伸びていく中、当企業団の単価との差は更に拡大している。DPC係数上昇のための取り組みをはじめとし、がん診療機能の向上、紹介患者、手術件数の増加など、単価及び収益向上のためのあらゆる取組みを行っていく。なお、③累積欠損比率にて、平成28年度に減資を実施し、累積欠損の一部に補てんしたため減少した。
老朽化の状況について
当院は平成25年5月に開院した。建物等については整備計画に基づき、設備の長寿命化を図っていく。医療機器は、償却年数が4年から7年のものが多いため、②器械備品減価償却率は高くなっている。ただし、実際は耐用年数経過後も使用に耐えるものが多いため、稼働状況を確認しつつ適正な時期に整備を行っていく。
全体総括
県の地域医療構想では、当院が高度急性期・急性期機能の病床を有する地域の基幹病院として、掛川市・袋井市を含む中東遠医療圏東部の医療提供体制の中核となることが求められていることから、診療機能の充実とともに引き続き圏域内の他公立病院や医療/介護施設とのネットワーク化を強化していくこととする。旧改革プランの下、全国初となる掛川市及び袋井市の市立病院同士の統合を果たし、新病院における診療実績は当初想定を超えて推移するなど、病院運営は順調であることから、現時点で経営形態の見直しを必要とするような環境変化は識別されなかった。ただし、今後も適宜、最適な経営形態のあり方については、継続して検討を行うものとする。