地域において担っている役割
大崎・栗原医療圏における「回復期・慢性期」医療を中心とした,岩出山地域のかかりつけ医機能を担う。
経営の健全性・効率性について
当院は,過疎化が進む不採算地区病院であるが,本院や施設等からの転院増や,民間開業医が閉院した影響もあり,入院外来ともに患者数の増により医業収益が増加した。費用については,令和元年5月稼働に向け,リハビリテーション訓練室を建設し,リハビリ関係消耗備品等の整備や入院患者数増に伴う材料費や経費等が増加したものの,給与費や減価償却費等の減少により,医業収支比率は,前年度比で+2.8pとなった。一方,経常収支比率は,医業外収益である一般会計繰入金のうち不採算地区病院分が,医業収支改善に伴う減少に伴い,前年度比で△8.0pとなった。今後は,リハビリテーション施設の安定的な稼働と,地域包括ケア病床の設置により,地域包括ケアシステムの一端を担うとともに,経営の健全化に努めたい。
老朽化の状況について
当院は,新改革プランにおいて,リハビリテーション訓練室を建設したため,1床あたりの資産額は前年度比で約523万円増加した。また,平成23年度の建替時に取得した医療機器についても,今後更新時期を迎えるため,更新にあたっては費用対効果を考慮し,当院の役割や施設規模に即した設備整備を実施する。
全体総括
今年度は,患者数の増等による医業収益の増と医業費用の減少により医業収支比率は改善したが,経常収支比率は,医業外収益である一般会計繰入金が前年度の収支改善により大きく減少したため悪化した。今後は,今年度建設したリハビリテーション訓練室と地域包括ケア病床の稼働により,岩出山地域の地域医療を維持していく。今年度の施設整備により,減価償却費等経常経費の増加が見込まれるが,本院の後方支援として連携を強化し,患者数の確保により,経営改善を図りたい。