地域において担っている役割
本市唯一の自治体病院として、救急医療・災害時医療・小児救急医療・周産期医療・身体合併症精神科救急医療・感染症医療などの政策的医療や「地域の中核病院」「市民のための病院」としての役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
病床利用率は感染症患者の病床確保のため、通常診療の一部を制限せざるを得ない時期があったことから前年度比では減少したが、感染症患者に対する診療報酬の特例的な上乗せなどがあったことから医業収支比率は前年度比で微増した。経常収支比率は新型コロナ患者の受け入れに対する国からの補助金により前年度比で増加し、累積欠損金比率は前年度比で減少した。患者1人1日当たりの収益が過去5年間の中で最も高い値となった。
老朽化の状況について
器械備品減価償却率は医療機器等の更新を行ったため前年度に比べ減少した。また、有形固定資産減価償却率、一床当たり有形固定資産については、平成26年度に移転新築したことから類似病院の平均値を下回っている。今後は平成26年度の移転新築時に整備した医療機器等について、費用負担の平準化を図りながら、計画的な更新を行っていく。
全体総括
新型コロナウイルス感染症の影響で医業収益は落ち込んだものの感染症患者の補助金を受け入れたことにより前年度に比べ経常収支比率は改善した。しかしながら、平成26年度の移転新築に伴う減価償却の負担増などにより厳しい経営状況は続く見込みである。引き続き地域の医療機関からの紹介患者や救急搬送患者の受け入れを積極的に行い、より一層の収益の向上と費用の抑制に努め、安定的な経営基盤を構築するとともに、安全で質の高い医療を提供していく。