地域において担っている役割
町立厚岸病院は地域の中核的な医療機関として、入院や外来機能を維持しつつ厚岸郡では唯一の透析診療を提供し、地域住民の医療ニーズに対応してきました。診療科は内科・外科・小児科の3科を基本とし、整形外科・脳神経外科の定期診療を行っています。町立厚岸病院では完結できない専門医療と高度医療については、釧路市内の二次医療機関と病病連携の強化に努め、また、厚岸郡における各医療機関と、保健・福祉関係者を含めた医療・介護・住まい・生活支援サービス等が地域で包括的に確保されるよう、連携し支え合う地域包括ケアシステムの一端を担っています。
経営の健全性・効率性について
令和元年度における医業収支比率は、入院・外来患者数の減少や、職員人件費の増加に伴い、前年度と比較して2.7%程低下しましたが、経常収支比率は100%を超え、黒字決算となりました。これは、不採算医療等に係る一般会計からの繰出金の増加が大きく影響しているためです。累積欠損金については、黒字決算により年々減少しています。
老朽化の状況について
医療機器などの器械備品については、現在、計画的に整備や更新を行っていますが、病院本体、医師住宅については、それぞれ建築から25年超となり、老朽化が進んでおり、計画的な整備が必要となる見込みです。
全体総括
平成20年度に公立病院改革プランを策定し、平成24年の4月には、一部の病床を介護老人保健施設へ転換しました。それに合わせ平成23年11月に公立病院改革プランを全面改定し、経営の健全化と不良債務の解消計画を進め、平成24年度、平成26年度に発生した不良債務は解消され、平成29年度には新公立病院改革プランを策定し、改革の継続性を保持しつつ、救急医療の確保、小児・保健・予防医療などの不採算医療を継続に向け、医師をはじめ医療スタッフの確保対策を最重要課題として取り組み、未来を支える地域医療を継続していきます。