地域において担っている役割
当町を取り巻く環境として、公共交通機関の便数が少なく、他医療機関を受診するにしても、住民の「足」がない地域である。また、冬期間には吹雪などの交通障害が発生し、「陸の孤島」となる地域である。上記観点から遠方まで治療に行かなくても済むよう人工透析や抗がん剤治療も近年開始しているところである。当院は、このような環境の中で、町内唯一の医療機関として、住民の生命、健康を守るという使命を担い救急医療の体制も確保しながら地域医療を支えている。
経営の健全性・効率性について
①依然一般会計からの繰入により経常収支比率100%以上となっている。②H30.6.1より一般病棟入院基本料のアップ(特別入院基本料→地域一般入院料3)を図り、入院患者1人1日当たり収益が増となっているものの、依然内科医不在(現在常勤医整形外科1名)の影響により外来患者等総数が減となっており、伸び悩んでいる。③累積欠損金比率については、町財政サイドと今後も協議しながら改善していく。④病床利用率については、H30.4より介護療養病床(18床)を休止とし、一般病床(30床)のみでの利用率ではあるが、類似団体平均値を大幅に上回っており、今後も維持していくとともに、今後休止とした18床の取り扱いを協議していく。
老朽化の状況について
医療機器においては、地域医療を支える上で引き続き計画的な更新をしていく必要がある。建物については、供用開始が平成7年度で20年以上経過していることから、建築時の起債償還が終了する令和6年度以降必要な医療体制を検討しながら計画的に改善していく。
全体総括
①今後の経営改善の方向性として、現在休止している介護療養病床18床を一般病床へ転換するとともに常勤医師(常勤医2名体制の確保)の招聘が急務である。道外の民間紹介会社も今後利用しながら医師の確保に努める。②近隣町村が診療所化していく中で、地域住民(患者)の今後の動向を見据えながら当院の在り方を考え、果たすべき医療機関としての役割を検討していく必要がある。