地域において担っている役割
本病院は、町内唯一の医療機関であり、町民に身近な病院として、その役割を担っており、救急指定も受けています。また、地域包括ケアの観点からも住み慣れた地域で安心して医療が受けられるよう訪問診療や訪問看護にも取り組んでいます。なお、本町は民間医療機関の立地が困難な過疎地域であり、地域医療を確保するため重要な役割を果たしています。
経営の健全性・効率性について
□経常収支比率は、100%以上で単年度の収支が黒字であることを示しています。当該値は、類似病院平均値を上回っていますが、100%未満であることからも、医業収益の確保に向けた経営改善が必要です。□医業収支比率は、医業活動から生じる医業費用が医業収益によってどの程度賄われているかを示す指標であり、入院患者数の減に伴い、医業収支比率が減少しています。□病床利用率は、病院の施設が有効に活用されているかを判断する指標で、近年、減少傾向で類似病院平均値を下回っていることからも、病床利用率の向上に向けた対策が必要です。□累積欠損金比率は、医業収益に対する累積欠損金の状況を示す指標であり、年々、増加傾向にあることからも、累積欠損金の減少に向けた経営改善が必要です。
老朽化の状況について
□有形固定資産減価償却率は、有形固定資産のうち償却対象資産の減価償却がどの程度進んでいるかを示す指標で、一般的に数値が100%に近いほど、保有資産の使用年数が法定耐用年数に近づいていることとなりますが、当該値は50%弱で推移しており、適切な更新が行われています。□機械備品減価償却率は、上記同様、医療機械備品の老朽度合にを示す指標であり、当該値は年々増加傾向にあることからも、計画的に機械備品の更新を行っていきます。□1床あたり有形固定資産は、1床当たりの有形固定資産の保有状況を示す指標であり、類似平均病院よりも下回っています。過大な投資は、将来的に減価償却費として収益的支出の増大につながることからも、適切な範囲内での投資に努めます。
全体総括
地域医療の確保のため、重要な役割を果たしていますが、継続して安定した医療を提供していくためには、健全な事業運営が必要不可欠であり、一般会計からの所定の繰出のほか、更なる医業収益の確保、経費の節減に努め、持続可能な経営に努めていきます。