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地方財政ダッシュボード

沖縄県糸満市の財政状況(2016年度)

🏠糸満市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

特別徴収納税者の増及び新築家屋の増により地方税は増加傾向にあるが、歳出における扶助費の増加が続いており、依然として類似団体平均を下回ったまま推移している。今後も厳しい財政運営が見込まれるため、行政経費のさらなる節減合理化を推し進め、財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

歳入において地方税の増加はあるものの地方交付税等の減少が大きく、経常一般財源が減少したため、昨年の90.0%から悪化している。今後、障害福祉、生活保護措置費や保育関連事業の扶助費は増加傾向にあり、一般財源当充当経常経費は全体として増加しているため、今後も引き続き行財政改革に取組み、経常的経費の削減と経常一般財源の増収に努めなければならない。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

管理職手当の削減等、人件費の削減を続けており、全国平均・県平均を下回り推移している。今後とも、行政改革に取り組み、定員管理・給与の適正化、民営化や民間委託、指定管理制度等の導入により、経費削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

退職者と採用者の学歴、経験年数の構成等により類似団体・全国平均を下回っている。今後とも人件費の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

第7次糸満市行政改革大綱・実行プランにより、保育士や現業職員等の退職不補充、保育所や給食センターの民間委託等を推進した結果、全国平均・県平均を下回る数値を示している。今後も職員の定数管理及び適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成21年度以降、投資的事業の抑制により地方債の新規発行額が減少しており、徐々に改善しているが、類似団体平均を下回ったまま推移している。今後は老朽化した学校施設の大規模改修等が控えているため、建設事業費の適正化を図り、地方債発行の抑制に取り組む必要がある。

将来負担比率の分析欄

大規模事業の地方債償還が終了した影響や、退職者不補充による人件費抑制により、将来負担比率は徐々に改善しているが、依然として類似団体・沖縄県平均を上回っている。そのため、今後控えている大規模な長期事業計画の整理縮小を図るなど、行財政改革に取り組み、人件費や公債費等の義務的経費の削減に取り組む必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

団塊の世代の退職による退職手当負担金の増傾向が落ち着いたため、県平均・全国平均を下回っている。今後も継続し管理職手当削減等による人件費の圧縮を図っていく。

物件費の分析欄

物件費が類似団体、全国及び沖縄県平均を下回っている主な要因として、ごみ処理業務を一部事務組合で行っていることがあげられる。今後とも事務事業の廃止や削減により物件費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

障害者福祉サービス費、生活保護費、児童福祉費等の増化が著しく、類似団体・沖縄県平均を上回る高い水準で推移している。今後もこの傾向は続く見通しだが、資格審査等のさらなる適正化や見直しを進めていくことで、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。

その他の分析欄

介護保険特別会計及び公共下水道事業特別会計への繰出金の増により比率は増加している。今後は高齢化による、後期高齢者医療特別会計、介護保険特別会計の給付費の増加や、また、農業集落排水特別会計の施設整備費の増が見込まれるため、給付費の適正化、保険料の見直しやさらなる徴収強化等に取り組み、独立採算の原則に沿った財政運営を目指さなければならない。

補助費等の分析欄

単費補助金等の見直しにより類似団体、全国平均を下回っている。今後、糸満市豊見城市清掃施設組合負担金については施設の老朽化に伴う修繕・更新費用により増加することが見込まれ、補助費全体としても数年は徐々に上昇する見通しである。今後とも補助金の見直しや廃止に取り組み、適正化に努める必要がある。

公債費の分析欄

大規模事業の地方債償還が終了した影響により減少しているが、今後は沖縄振興特別推進交付金事業に伴う地方債発行の増加が懸念される。事業推進のうえで地方債の発行は不可欠だが、義務的経費の増加による財政の硬直化を防ぐために、地方債の新規発行を抑制するよう努めなければならない。

公債費以外の分析欄

人件費で0.5ポイント、扶助費で0.8ポイントであった。人件費は給与改定による給与等の増、扶助費は社会保障関係費が増加により今後も増加が見込まれる。したがって、一般財源当充当経常経費は全体として増加し続けているため、今後も引き続き行財政改革に取組み、経常的経費の削減と経常一般財源の増収に努めなければならない。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

民生費は住民一人当たり216,325円で、歳出全体の半分近くを占めており、類似団体平均を上回っている。民生費のうち、児童福祉費では子育て支援に関する事業に重点的に取り組んでいるため、平成29年度以降も徐々に増加していく見込みである。その他経費では議会費、農林水産業費を除けば軒並み全国平均、類似団体平均を下回っており、特に商工費や土木費、教育費が低いことから、将来的な労働人口や子育て世帯の他市町村への流出が懸念される。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり425,377円となっている。また、扶助費は決算総額の3分の1以上を占めており、一人当たりのコストでは全国平均、類似団体平均、沖縄県平均を大きく上回ったまま増加し続けている。主な構成項目のうち維持補修費と繰出金は全国並みだが、その他の費用は平均を下回っており、前述の扶助費の増加によって投資的経費に割ける財政力が不足していることがわかる。今後の人口推計では労働者人口の割合は減少することが見込まれており、更に状況は悪化すると考えられる。なお、普通建設事業費の増に関して、法人保育所等施設整備事業で平成27年度からの繰越が多かったため一時的な増と考えられる。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

実質単年度収支が赤字の年度もあり、財政状況は極めて厳しいと言える。財調基金残高は平成24年度までは増加していたが、扶助費の増や国民健康保険特別会計への繰出金増により減少している。糸満市の標準財政規模からみると積立が少額であるため、一層の健全化に取り組む必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

水道事業会計の黒字が水道料金の値下げによりH26には減少に転じており、今後は横ばいで推移していく見込みである。また、国民健康保険事業特別会計の赤字は年々増大しており、今後も医療費高騰の影響を受け増加していくと考えられるため、今後とも適正給付、保険料の見直し・徴収強化等に取り組み赤字額の縮減に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

平成19年度以降新規発行を抑制してきたことにより元利償還金は減少傾向にあり、実質公債費比率は平成27年度の9.0%から平成28年度は8.6%と改善しているが、今後は沖縄振興特別推進交付金事業に伴う地方債発行の増加が懸念されるため、更なる改善に取り組む必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

充当可能財源は概ね横ばいで推移しており、将来負担額が減少傾向であるため、将来負担比率は改善している。団塊の世代の退職による退職手当負担見込額の増傾向はピークを越えたが、今後は農業集落排水事業の工事費増に伴う公営企業債等繰入見込額の増加が見込まれる。また、一般会計等に係る地方債の現在高についても減少傾向ではあるものの、沖縄振興特別推進交付金事業に伴う地方債発行の必要性が高まることが予想されており、将来負担比率の増加が懸念される。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

平成27年度決算時の全国平均ならびに類似団体平均と比較すると低い値となっているが、沖縄県の平均と比較するとやや高い傾向にある。本市の公共施設等総合管理計画において施設管理の基本方針として掲げた施設保有量の適正化を考慮に入れ、公共施設の計画的な更新を実施していく。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率は類似団体と比較して低い状態にあるが、将来負担比率は類似団体の平均を上回っている。これは、地方債等の将来負担に対して充当可能な基金の残高が低いことが一因として考えられる。今後も市営住宅や一部の学校等、老朽化が進行している施設の更新を計画的に実施することに伴い、地方債の発行等が必要となる可能性を考慮し、公共施設の整備の財源として活用可能な基金残高の確保に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

前述の通り、将来負担比率は類似団体と比較して高い傾向にあるが、近年、新規起債額の抑制等により、地方債の残高は減少傾向にあり、実質公債費比率も継続的な減少傾向が認められる。公共施設の更新等に際しては有利な条件の補助や起債を積極的に活用し、引き続き将来負担の抑制に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

施設の保有量についてはいずれの施設類型でもおおむね類似団体の平均と比較して低い値となっていることがわかる。有形固定資産減価償却率については類似団体と比較して低い値となっている施設類型が多いが、公営住宅ならびに港湾・漁港については、類似団体平均を大きく上回っている。港湾・漁港については、供用開始年月日が昭和47年(本土復帰)以前となっている漁港が2つあり、有形固定資産減価償却率が高く出ている原因であると考えられる。公営住宅については真謝原市営住宅、親田原市営住宅、第一市営住宅等、昭和50年前後に建設された建物が有形固定資産減価償却率を押し上げているものと考えられる。市営住宅については個別施設計画を策定し、住民の安全に配慮した計画的な更新を実施していく。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

施設の保有量についてはいずれの施設類型でもおおむね類似団体の平均と比較して近い値となっているが、一般廃棄物処理施設等については類似団体の平均を上回る結果となった。一般廃棄物処理施設については、糸満市・豊見城市清掃施設組合の保有資産を案分して計上しているが、施設の老朽化等に伴い、今後県内南部に新たな処理場を建設する計画となっているため、今後は有形固定資産減価償却率が低下するものと考えられる。体育館及びプールについても類似団体の平均をやや上回り、と66.2%と高い値となっている。スポーツ施設等、社会教育施設についても、今後の中長期的な更新費用等を推計するため、個別施設計画の策定を検討していく。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が当該年度期首時点から1,649百万円の減少(△0.01%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産とインフラ資産であり、事業用資産は市立真壁こども園(152百万円)など367百万円の増加要因に対し、減価償却による資産の減少が上回ったことから238百万円の減少し、インフラ資産は真栄里国吉線(188百万円)など390百万円の増加要因に対し、減価償却による資産の減少が上回ったことから416百万円減少した。公営企業会計を加えた全体及び一部事務組合等を加えた連結では、資産の減価償却による減少要因に対し、公共下水道や農業集落排水の整備など資産増加要因が上回っており、一般会計等の資産減少分を吸収している状況にある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、経常費用が25,244百万円となった。そのうち、人件費等の業務費用は13,418百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は11,826百万円であり、業務費用のほうが移転費用よりも多い。最も金額が大きいのは社会保障給付の6,070百万円であり、次いで物件費の5,200百万円であり、純行政コストの45%を占めている。今後も高齢化の進展などにより、この傾向が続くことが見込まれるため、社会福祉給付費の適正化や事業の見直し推進等により、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,429百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が11,961百万円多くなり、純経常行政コストは12,506百万円多くなっている。連結では、糸満豊見城清掃施設組合の使用料42,435百万円など経常収益が計上されていることに対し、後期高齢者医療広域連合への負担金など移転費用4,784百万円計上され、純経常行政コストは41,894百万円となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(23,284百万円)が純行政コスト(24,954百万円)を下回ったことから、本年度差額は1,669百万円となり、純資産残高は1,459百万円の減少となった。本年度は、補助金を受けて与那堀線整備事業や真壁幼稚園園舎改築事業を実施したことなどによる純資産の増加要因に対し、社会保障給付費の増加などによる純資産の減少要因が上回ったことで、純資産残高が減少している。全体では国民健康保険及び介護保険、連結では後期高齢者医療保険にかかる保険税(料)収入が含まれることから、一般会計等に比べ税収等が6,761百万円多くなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は500百万円であったが、与那堀線整備事業などによる公共施設等整備費支出1,852百万円などの影響で投資活動収支については△10百万円となった。財務活動収支については、地方債の償還が発行額を上回ったことから△348百万円となっており、本年度末現金預金残高は前年度から159百万円増加し、803百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より291百万円多い791百万円となっている。連結では糸満豊見城清掃施設組合の使用料が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等に比べ765百万円多い1,265百万円となっている。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額(歳入額対資産比率)は、類似団体並の数値となった。本市は県下8位の人口(6万人)に対し県下14位の行政面積(47K㎡)と、標準的な規模の団体であることから、1人あたりのインフラ等資産が平均的であることが推察される。これに対し、有形固定資産減価償却率が類似団体に比べ低い傾向にあるのは、本県における社会資本整備が本土復帰後(1972年~)に集中的に推し進められ、その後の更新期(2000年代~)がひと段落したこと、更に2010年代には沖縄振興予算による面整備が加速したことに基因する。今後は沖縄振興予算で整備された施設等の維持補修費が発生することとなり、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設保有量の適正化などに取り組み、現状の維持に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均と同程度であるが、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少している。純資産の減少は、将来世代が利用可能な資源を過去及び現世代が費消して便益を享受したことを意味するため、行革推進プランに基づく行政コストの適正化に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストが類似団体を上回っている主な要因は障害福祉・児童福祉などの社会保障給付費の増加であり、それに伴う人件費・物件費等も増加傾向となっている。今後とも住民の高齢化とともに社会保障ニーズは増加が見込まれることから、社会福祉給付費の適正化や事業の見直し推進等により、経費の抑制に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は類似団体を下回っている。これは、沖縄振興一括交付金など県外より高率な補助を受け事業を実施していることにより、相対的に起債額が少なくて済む本県事情による。基礎的財政収支のうち、投資的活動収支がマイナスであることから、本市の施設整備等の投資活動が活発であることがわかる。今後も出来得る限り地方単独事業を避け、高率補助事業の活用を推進することで、負債額の抑制に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、その要因としては、公共施設運営にかかる維持補修費等の行政コストを使用料・利用料に転嫁していないことが考えられる。ただし、類似団体平均との乖離については、本県並びに本市における平均所得を考慮すると住民負担として妥当な範囲ではあることが推察されるが、今後はその検証・見直しが課題となる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,