北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

熊本県錦町の財政状況(2019年度)

🏠錦町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 末端給水事業 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

法人関係税の減収を、固定資産税の増収(償却資産分)で補うことができたため、前年と同値(0.40)であった。今後においては、令和2年7月豪雨災害と新型コロナ感染症による税収減が確実に見込まれることから、令和2年度以降は低下することが避けられない状況である。災害復旧関係以外の投資的経費の抑制を行うとともに、使用料等の見直しを行い歳入確保に努める。

経常収支比率の分析欄

平成31年度から中山間地域等直接支払事業(36,395千円)に着手したことにより、補助費等が増加したこと、業務量増(人吉海軍航空基地資料館)により非常勤職員数が増加したため、人件費が増したため、前年比2.3ポイント上昇した。今後も人件費を始めとした固定経費(経常経費)は、緩やかに増加していく一方、経常的な収入(地方税収、交付税)については、増加を見込めない状況である。新型コロナウイルス感染症、令和2年7月豪雨災害を受けて、増収を見込むことは難しい状況であり、財源調整機能を持つ普通交付税についても、財源となる所得税・法人税の収入の伸びが鈍化していることから、事務事業の見直しを更に行い、優先度の低い事業については、廃止・縮小に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、新規採用の抑制、定数条例の改正等により、職員数の削減を行ったこと、給与水準が低いことにより、全国平均・県平均・類似団体を下回っている。令和2年度から会計年度任用職員が導入されたことにより、期末手当分が増加する。物件費等については、近年維持補修費が増加している。これは、公共施設等の経年劣化によるものであるが、今後も増加することが見込まれる。

ラスパイレス指数の分析欄

全国町村平均より3.0ポイント下回っており、給与水準は抑制されている状況である。今後も人事院勧告等を注視し、住民の理解を得られる給与制度の維持に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

類似団体平均より2.7人少ない状況である。定員管理計画においても、現状の職員数程度を維持することとなっており、住民の福祉向上のため、引き続き効率的な事務執行に取り組む必要がある。

実質公債費比率の分析欄

一般会計の元利償還金は減少してきているが、準元利償還金(公営企業への繰出し金のうち公債費の財源と認められるもの)のうち、特に水道事業会計については、企業債償還ピークを令和3年度に迎える。そのため、水道事業に係る準元利償還金が前年度比で12,003千円増加しており、比率上昇の要因となっている。元利利償還金は、一般会計は令和5年度、水道事業会計は令和3年度、下水道事業は令和4年度にピークを迎える。水道事業、下水道事業は面的整備がほぼ完了しているため、公債費財源繰出しは償還ピークを過ぎると年々減少していくと見込んでいるが、一般会計については、令和2年7月豪雨災害の影響で、今後地方債の増発が見込まれる。

将来負担比率の分析欄

これまでの減少要因としては、地方債の償還が進むにつれて、地方債残高が順調に減少していること、財政調整基金を始めとした基金の残高が年々増加していること、職員の若年化により退職手当引当金相当額が減少したことが挙げられる。元利利償還金は、一般会計は令和5年度、水道事業会計は令和3年度、下水道事業は令和4年度にピークを迎える。水道事業、下水道事業は面的整備がほぼ完了しているため、地方債残高も順調に減少すると見込まれるが、一般会計については、令和2年7月豪雨災害により、地方債を発行したため、将来負担比率の上昇が見込まれる。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

職員数、ライパイレス指数が類似団体と比較して低い水準にあり、人件費の経常収支比率も類似団体を下回って推移している。今後においては、定年延長、会計年度任用職員制度の開始により上昇することが予想される。また、新型コロナ感染症対策・豪雨災害関連の事務量が増加しており、一時的な増加が見込まれる。

物件費の分析欄

全国や類似団体平均よりは下回っており、各種業務の見直しや経費削減に取り組んだ成果が表れている。しかしながら、近年増加傾向にあり、国の施策に係る事業等により増加することも予想されるので、今後においても行財政改革を通じ、全国や類似団体の平均を上回らないように努める。

扶助費の分析欄

保育園の負担金や障がい者福祉サービスの増加により、依然として高い水準で推移しており、年々増加している。社会保障制度の経費増大や保育園数、子どもの数が多いことも影響していると考えられる。全国や県平均より下回ってはいるものの、類似団体平均に比べると高い状況であり、個別の事業の見直しを進める。

その他の分析欄

特別会計への繰出金の増により近年増加傾向にある。上水道・下水道事業については、令和2年度3月議会に料金改定条例を提案予定である。一般会計繰出金の削減に努めていく。今後においても、高齢化による社会保障経費の増加が見込まれるため、住民の健康増進・予防介護等に取り組み、普通会計からの繰出削減に取り組んでいきたい。

補助費等の分析欄

少子高齢化対策として、高校生までの医療費の補助、給食費の補助等を拡充してきたことから、補助費等は増加傾向にある。また、地域公共交通(くま川鉄道、地方バス)への補助についても、利用者数の減少のため増加傾向にある。豪雨災害により、くま川鉄道への補助が今後増加することが見込まれる。

公債費の分析欄

平成27年度決算から類似団体平均を下回り、近年の新規発行抑制により順調に減少している。今後は、平成26年度から事業を開始した錦大橋大規模修繕事業の償還が始まり、償還ピークである令和5年度まで増加すると見込まれる。さらに、豪雨災害により、災害復旧事業債等の借入が増加することになるため、起債を伴う事業については、事業年度の分割など、過度な負担を避けるよう計画的に実施する必要がある。

公債費以外の分析欄

平成27年以降、類似団体平均に比べ高い状況にある。その要因としては、ふるさと納税の増加に伴う積立分である。また、上下水道に対する繰出金も要因であることから、使用料金改定を行い、繰出金の縮減に取り組む必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

人口減少と高齢化により、住民一人当たりのコストが全体的に増加傾向にある。議会費については、平成28年度以降、議員定数の見直し(2人減)により減少となった。総務費については、令和元年度において統一地方選及び参院選が執行されたこと、ふるさと納税額の増加に伴い基金積立が増加したことが増の要因である。民生費については、平成30年度において、認定こども園の施設整備補助に伴い一時的な増加となっている。衛生費については、令和元年度において重油流出事故が発生したことが増の要因である。農林水産業費については、平成28・29年度は国庫補助の畜産クラスタ―事業により大きく増加している。商工費については、平成30・31年度において人吉海軍航空基地資料館の建設及び開業が増加の要因である。土木費については、平成29年度で完成した錦大橋大規模修繕事業により増加となっているが、今後の建設事業については、町道や老朽化した橋りょう等の改修が必要となってくることから、優先順位を見極めながら計画的にインフラ整備を行っていきたい。教育費については、児童生徒数は減少しているものの、学校教育施設の老朽化による修繕やICT教育に係る経費が増加している。公債費については、過去5年間はほぼ同額となっているが、今後は令和2年豪雨災害復旧分の償還、錦大橋の架け替え、木綿葉大橋の改修分が増加となることを注視し、起債抑制に取り組む必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

人口減少・高齢化・住民ニーズの多様化により、住民一人当たりのコストが全体的に増加傾向にある。人件費については、定員適正化計画に基づき削減を進めた結果、類似団体や県平均を下回っている。維持補修費については、公共施設の老朽化に伴い、増加傾向となっており、引き続き増加するものと思われる。扶助費については、保育園の負担金や障がい者サービスの増により毎年増加しており、県平均より若干高いものの、類似団体の中でも高い状況であり、今後も増加することが予想される。普通建設事業費については、平成29年度に錦大橋大規模修繕事業が完了したことで、平成30年度に減少したものの令和2年度から球磨川に架かる木綿葉大橋の改修に着手したことから増加が見込まれる。公債費については、新規発行の抑制に努めているものの、錦大橋大規模修繕事業の償還が始まると令和5年度まで増加傾向になると見込まれる。積立金については、ふるさと納税額の伸びにより増加傾向にある。繰出金については、令和3年度において上下水道料金改定を予定しており、繰出金の縮減に取り組んでいきたい。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金残高については、年々増加しているものの、類似団体平均と比較すると少ない状況にある。平成27年度から令和元年度までの推移では大きな変動はなかったが、令和2年度において、豪雨災害対策等に財政調整基金から約4億円程度を取り崩す見込みである。実質収支比率については、住民サービスの低下を招かないよう3%から5%の範囲で推移していくよう留意しており、平成27年度には5%を上回ったものの、概ね適正な範囲で推移している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

平成28年度までは全ての会計において赤字額は発生していないが、平成29年度においては、4月から簡易水道事業が水道(統合水道)事業に移行し、法適用企業になりその際に水道料金を引き上げたが、資金不足が生じた。公営企業会計(上下水道)においては、基準外の繰出しが続いている状況であることから、引き続き整備完了区域における加入促進を図るとともに、令和3年度において料金改定の予定である。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

臨時財政対策債に係る算入公債費が増加しており、一般会計の元利償還金の減少と併せて、その他の増加要因を吸収し分子の減少に大きく寄与していることから、実質公債費比率が年々減少している。今後、一般会計においては、新たな債務負担行為を行っていないため減少傾向だが、消防組合が整備した無線デジタル整備事業や消防車両の公債費に対する負担金、スマートインターチェンジ整備に係る負担金の増加が予想される。また、繰出金が増加傾向にある公営企業等においては、使用料の見直し等により繰り出しを減少させていく必要性がある。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

充当可能財源等が少なく、比率は高い状況が続いているが、これまで新規町債発行を抑制していることにより、一般会計地方債残高の減少や基金積立の継続によって順調に改善はしてきた。しかしながら、地方債の残高については、類似団体平均よりも低いものの、平成28~29年度において、元金償還額を借入額が上回ったため増加した。これは錦大橋大規模修繕事業の借入れが影響している。今後、住民サービスの低下を招かないよう各種歳出削減に取り組み、また今までのように剰余金の積立てができないと見込んでいることから、将来に負担を残さないように適切な財政運営に努めていく必要性がある。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)公共施設整備基金から、小中学校施設整備事業6,859千円、町道や道路側溝等の整備(単独)53,704千円、防犯施設7,727千円を取り崩した。ふるさと錦ゆかり基金から、ふるさと納税事業等の財源として70,000千円を取り崩した。一方、決算余剰金を、「財政調整基金」に29,724千円、「公共施設整備基金」に76,482千円、ふるさと納税での寄附金を「ふるさと錦ゆかり基金」に171,630千円積立てたことにより、基金全体として106,613千円増加した。(今後の方針)令和2年度7月豪雨災害対応のため、財政調整基金が減少するが、庁舎、学校施設、町道、橋りょうの公共施設の長寿命化に伴い公共施設整備基金を中心に積立てを行う予定にしている。

財政調整基金

(増減理由)決算余剰金29,724千円を積立て(取崩し0千円)。(今後の方針)年間の予算に対する自主財源が17億円程度で推移しており、不測の事態に備え自主財源を確保することを目的に17億円程度を目安としていたが、令和2年度において、豪雨災害対応のため約4億円程度減少する見込み。また、令和3年度については、新型コロナ感染症の影響により、税収をはじめ、各種交付金の減少が見込まれることから、取り崩さざるを得ない状況である。財政調整基金の趣旨に沿った活用を進めていきたい。

減債基金

(増減理由)基金の運用益(定期利息分)のみの積立て。(今後の方針)特に積立の予定なし。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公用若しくは公共用に供する施設の整備に要する経費及び既設の公共施設の整備に要する経費の財源とする。・社会福祉振興基金:社会福祉及び保健に関する事業、次代の社会を担う子ども及び青少年の育成に関する事業等、広く社会福祉の向上に資する経費の財源とする。・農業安心基金:家畜等の伝染病や自然災害等が発生した場合に、迅速な防疫活動や被害防止の支援に要する経費の財源とする。・森林環境税譲与税基金:森林整備や林業に関する人材育成の財源とする。(増減理由)・公共施設整備基金:小中学校施設整備事業6,859千円、町道や道路側溝等の整備(単独)53,704千円、防犯施設7,727千円等に総額71,959千円取り崩し、決算余剰金のうち76,482千円積立てを行い、4,529千円増加した。・ふるさと錦ゆかり基金:ふるさと納税者の目的に応じた事業に70,000千円取り崩し、寄付されたふるさと納税171,630千円を積立てたため全体として101,630千円増加した。・森林環境税譲与税基金:平成31年度に基金を設置し、440千円を積立て。(今後の方針)・公共施設整備基金:町道や橋りょうの公共施設の長寿命化に伴い公共施設整備基金を中心に積立てを行う予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

資産老朽化の度合いを示す有形固定資産減価償却率については、平成29年度決算において、錦大橋大規模修繕事業が竣工し、新たに資産計上された事により、類似団体平均を下回ったものの、当該施設の資産計上後、減価償却が始まった事から、平成30年度決算以降、有形固定資産減価償却費率は2年連続で増加しており、令和元年度決算においては、前年度比1.4%増の60.9%となった。現時点では類似団体平均を下回っているものの、今後、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、計画的な維持管理・修繕を実施し施設の長寿命化、最適化を引き続き図っていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

償還能力を示す債務償還比率については、前年度比で21.4%増加し、類似団体平均を201.2%上回っている状況である。地方債の償還が進んだことによる将来負担額の減少及び積立金の増により算出式分子においては349,396千円減少したものの、経常経費充当一般財源が91,346千円増加したことで、分母が77,600千円減少した結果、比率が上昇している。歳入において、経常一般財源は、普通交付税及び臨時財政対策債の増加もあり、増加傾向にあるが、経常経費充当一般財源も人件費の増により年々増加している。令和2年7月豪雨災害の影響で、地方債残高も増加すると見込んでいるため、令和2年度以降は、当該指標は更に上昇する見込みである。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率が平成30年度比で9%減少した一方、有形固定資産減価償却率は1.4%増加となった。将来負担比率の減少要因としては、算出式の分子を構成する水道事業会計及び下水道特別会計の地方債現在高に対する一般会計繰出見込額の減少によるところが大きく、前年度比で61,463千円減少している。また、一般会計の地方債現在高も47,666千円減少している。令和2年度以降は、令和2年7月豪雨災害による地方債の多額の借入があるが、借入額に対する普通交付税の理論上の措置額を除いた実質的な一般財源所要額は、当年中の元金償還額以下になるため、比率は減少する見込みである。有形固定資産減価償却率については、平成29年度決算において、錦大橋大規模修繕事業が竣工し、新たに資産計上された事により、一旦は減少したものの、当該施設の資産計上後に減価償却が始まった事から、平成30年度決算で増加に転じ、令和元年度においても増加している。今後、錦大橋だけで毎年度約30,000千円ずつ減価償却が進むため、計画的な長寿命化対策が必要である。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

ストック指標である将来負担比率、フロー指標である実質公債費比率共に減少してきている。これまでと同水準の地方税収確保、年間償還元金以下の地方債借入が前提条件となるが、類似団体並みに減少した実質公債費比率については、一般会計において、元利償還金の償還ピークを令和5年度に迎える見込みであるため、今後、比率は増加するものと見込んでいる。一方、類似団体に比して高い比率を示している将来負担比率については、一般会計、公営企業会計共に元金償還金の償還ピークを迎えるにつれて、地方債残高は減少していくため、比率は減少していくものと見込んでいる。しかしながら、本町においては、職員の年齢構成にばらつきがあり、最も多い40歳~43歳の職員が退職を迎える頃には、退職手当のうち一般会計の負担見込額が多額に上ると見込んでいるため、これまで以上に将来負担比率の推移に注視しながら行財政運営をしていくことが重要である。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本町においては、これまで公共施設整備を抑えてきたこともあり、全体的に住民一人当たりの施設保有量は少なく、有形固定資産減価償却率(資産の老朽化率)は若干高い傾向にある。公営住宅については、町内人口が増加傾向にあった昭和50年から平成7年の間に整備されたものが多く、人口一人当たりの面積は類似団体より多くなっている。一方、有形固定資産減価償却率は類似団体よりも高くなっている。経年で見ると、同指標は平成30年度比で1.2%増加しており、施設の老朽化が進んできている事が言える。今後は、特に老朽化が進んでいる物件について資産売却を推進していく。また、令和元年度から令和3年度にかけて、指杉住宅外壁改修工事を実施する予定であり、引き続き、施設の長寿命化を図る事としている。道路については、住民一人当たり延長、有形固定資産減価償却率共に、類似団体よりも高くなっている。経年で見ると、同指標は平成30年度に0.2%減少したものの、令和元年度に増加に転じている。道路の施設保有額は、本町全体の有形固定資産額の約45%を占めており、保有資産全体の有形固定資産減価償却率への影響が大きいため、今後は、道路改良から舗装復旧へのシフトを進めつつ、個別施設計画に基づき、公共施設適正管理推進事業債を活用しながら、施設の長寿命化・最適化を図る事としている。橋りょうについては、平成29年度決算において、錦大橋大規模修繕事業が竣工し、新たに資産計上された事により、一旦は減少したものの、平成30年度から錦大橋の減価償却が始まったため、有形固定資産減価償却率は増加に転じた。今後、錦大橋だけで毎年度約30,000千円ずつ減価償却が進むため、計画的に長寿命化を実施しなければ、有形固定資産減価償却率は年々上昇していくと見込まれる。道路同様、全体に対するシェアが高いため、計画的な維持補修及び長寿命化対策が必要である。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プールについては、昭和59年建設の勤労者体育センター及び付属設備のみを資産計上していることから、有形固定資産減価償却率が高くなっている。当該施設は平成29年度において帳簿価格(残存価格)が備忘価格1円に達しており、今後の改修を見据えて、建物の劣化診断及び定期的な点検を実施していく必要がある。保健センターについては、木造建築物である事から、単年度減価償却額が高く、計画的な維持補修に努めていく必要がある。また、庁舎については平成6年に建築しており、有形固定資産減価償却率は類似団体より低くなっているが、経年劣化により、空調等の付属設備の不具合が近年頻発しているため、個別施設計画に基づき、計画的な維持管理に努める。一般廃棄物処理施設及び消防施設については、平成27年度において、一部事務組合が保有する資産を計上していなかったため、各指標は表示されていないが、平成28年度以降においては、経費負担割合によって按分した数値を計上しているため、各指標が表示されている。一般廃棄物処理施設及び消防施設については、その大部分が一部事務組合所有の施設ではあるが、今後、資産の老朽化が進めば一部事務組合への負担金増に直結してくるため、指標の推移を注視しておく必要がある。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、資産総額が前年度末から100百万円増の15,645百万円となった。金額の変動が大きいものはインフラ資産であり、町道下大鶴線外道路改良工事を実施したことにより、資産の取得額が減価償却による資産の減少額を上回った事が増加の要因である。負債総額については、105百万円の減となった。平成30年度決算において、それまで計上していなかった土地改良区等への元利金補給等の将来負担額175百万円を新たに未払金に計上したことで、平成30年度決算では増加したが、地方債残高が48百万円、退職手当引当金が12百万円、未払金が45百万円減少したことで、令和元年度決算では負債総額は減少に転じた。・各特別会計を加えた全体では、水道管や下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて資産総額が6,859百万円多くなっており、そのインフラ資産整備に地方債を充当していることから、負債総額も同様に4,937百万円多くなっている。・一部事務組合等を加えた連結では、一部事務組合等が保有する資産を計上していることで、一般会計等に比べて資産総額が8,441百万円多くなっており、負債総額も引当金や地方債を計上している事で5,334百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等純行政コストは、平成30年度決算では錦大橋の資産計上に伴う減価償却費の増が影響し、前年度から155百万円増加し、4,922百万円となったが、令和元年度決算では減少に転じ、前年度から76百万円減の4,846百万円となった。減価償却費については、近年の道路改良事業等の影響もあり、22百万円増加しているものの、人件費及び物件費が減少したことで、経常費用全体は136百万円減の5,038百万円となった。内訳を見ると人件費等の業務費用は2,152百万円、補助金や社会保障給付等の移転費用は2,887百万円であり、移転費用が業務費用を上回っている。移転費用のうち最も金額が多いものは、補助金等1,721百万円、次いで社会保障給付618百万円、他会計への繰出金547百万円であり、移転費用が純行政コストに占める割合は約60%にも上る。消費税引上げによる地方消費税交付金の社会保障財源上乗せにより、一定の歳入は見込めるものの、高齢化の進展により、社会保障給付費は増加していくものと思われるため、地方単独事業の見直しを行い、引き続き経費の抑制に努める。・各特別会計を加えた全体では、水道事業及び下水道事業の料金を使用料及び手数料に計上していることにより、一般会計等より経常収益が185百万円多くなっている。また、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金に計上しているため、移転費用も1,844百万円多くなり、純行政コストは2,112百万円多くなっている。・一部事務組合等を加えた連結では、一般会計等に加えて、連結対象一部事務組合等の事業収益を計上し、経常収益が258百万円多くなっている。また、人件費を取り込む事により、業務費用も908百万円多くなり、純行政コストは3,345百万円多くなっ

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、税収等及び国県等補助金の財源5,031百万円が純行政コスト4,846百万円を上回り、本年度差額は185百万円となった。これにより、純資産残高は前年度から206百万円増加し、9,606百万円となったが、本年度差額の増は純行政コスト(主に人件費)の減によるところが大きい。今後は令和2年7月豪雨の影響により、令和2年度以降は多額の災害復旧事業費が臨時損失に計上される見込みであり、純資産残高は今後減少していくものと見込まれる。各特別会計を加えた全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が財源に含まれることから、一般会計等と比べて、財源が2,063百万円多くなっており、純資産残高は一般会計等比で1,922百万円多い11,528百万円となった。・一部事務組合等を加えた連結では、熊本県後期高齢者医療広域連合が受ける国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が3,284百万円多くなっており、純資産残高は一般会計等比で3,107百万円多い12,713百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は511百万円であったが、投資活動収支については、地方債を発行して公共施設整備を行ったため、481百万円の赤字となった。財務活動収支については、地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことから、48百万円の赤字となっており、本年度末資金残高は前年度から18百万円減少し、179百万円となった。経常的な活動に係る経費は税収等で賄えており、地方債発行収入が地方債償還支出を下回っている状況であるが、令和2年7月豪雨の影響により、令和2年度以降は地方債発行収入が地方債償還支出を上回る状況が続くと見込まれ、施設の更新整備に当たっては、これまで以上に慎重な判断が必要となってくると見込んでいる。・各特別会計を加えた全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料収入があること等から、業務活動収支は一般会計等より158百万円多い669百万円の黒字となった。投資活動収支では、地方債を発行して水道及び下水道の施設整備を行ったため、459百万円の赤字となっている。財務活動収支は227百万円の赤字となり、本年度末資金残高は前年度から17百万円減少し361百万円となった。・一部事務組合等を加えた連結では、一部事務組合等が受ける国県等補助金等が業務収入に含まれるため、業務活動収支696百万円の黒字、投資活動収支453百万円の赤字、財務活動収支264百万円の赤字となり、本年度末資金残高は前年度から21百万円減少し449百万円となった。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産形成に係る各指標(住民一人当たり資産額歳入額対資産比率)については、これまで、資本投下を最小限に抑制してきた成果が全般的に表れている。引き続き、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づいた施設管理・最適化に努めていく。一方、資産の老朽化の度合いを示す有形固定資産減価償却率については、錦大橋の減価償却が始まったことにより、前年度比で1.4%増加したが、類似団体比では低い比率となった。本町では、多額の更新コストを要する橋梁について、橋梁長寿命化計画に基づく全橋梁(136橋梁)点検を実施している。平成26年度に開始した橋梁点検は、現在、2サイクル目に入っており、早急に修繕が必要な4橋梁については、令和2年度から補修補強に既に取り掛かっている。今後、他の橋梁も修繕が見込まれることから、道路メンテナンス事業補助、公共施設等適正管理推進事業債、公共事業等債を活用しながら事業を実施し、一般財源相当額についても公共施設整備基金を取り崩しながら計画的な維持管理に努めていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

現役世代以前の負担割合を示す純資産比率は、類似団体に比して低い比率に、将来世代の負担割合を示す将来世代負担比率は高い比率となった。本町の純資産変動計算書を見ると、道路改良事業を始めとした各種公共事業を国・県補助金を活用しながら実施できたこと、税収等の伸びや純行政コストの減少もあり、固定資産等形成分の変動額118百万円の増、余剰分88百万円の増となり、純資産は206百万円増加した。このことから、令和元年度は将来世代が利用可能な資産を蓄積できたといえる。また、本町では据置期間の設定が限度年数で設定してあるものが多く、累積償還・償却額の差額が生じ、将来世代負担比率に影響を与えているため、形成資産の性質を見ながら据置期間年数を見直していく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体に比して低い数値となっした。本町は、定員適正化計画に基づく定員管理による人件費の抑制や資産形成(公共施設整備)の抑制により、人件費及び物件費等が低い傾向にある。一方、他会計繰出金については、547百万円であり、純行政コストに占める割合が約11%と高い水準にある。特に、公営企業(水道事業及び下水道事業)については一般会計からの基準外線入に財源依存している状況であり、今後の公営企業の経営に当たっては、資産形成の抑制や料金見直し、施設のダウンサイジング等を実施し、収益体制強化を図っていく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、経常収益の21百万円増加に加え、算出式の分母である経常費用が136百万円減少したことで、前年度比0.6%の増となり、類似団体平均を上回った。経常費用の減は、職員人件費減少によるところが大きいため、一過性のものであるが、経常収益については、錦ネット通信事業費(町のインターネット接続サービス事業)における加入者の増によりインターネット使用料は前年度比4.4百万円の増となり、順調に事業黒字を拡大していることから、今後も一定の収益は見込める状況である。引き続き、インターネット接続サービスの加入者増の取り組みや未利用土地利活用の一環である土地の貸付による財産収入の増を図り、加えて、受益者負担の原則を鑑み、使用料を徴している施設の稼働率、回転率を踏まえながら、費用に応じた受益者負担を求めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,