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地方財政ダッシュボード

奈良県野迫川村の財政状況

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

人口は年々減少傾向で(2人減)、また高齢化率においては年々高くなる傾向となっており、中心となる産業がないこと等で財政基盤が弱く類似団体平均を大きく下回っている。基準財政需要額は昨年度と比べ15,034千円減、基準財政収入額は昨年度と比べ488千円減となっており、令和1年度から令和3年度までは0.01ポイントずつ高くなっており令和4年度に関しては令和3年度と同等の数値、令和5年度は令和4年度から0.01ポイント低くなっている。

経常収支比率の分析欄

令和4年度と比較し、1ポイント好転し、類似団体平均を下回っている。歳入は118,035千円増、歳出は156,811千円増となり、歳入歳出ともに多額の増額となった。歳入は主に都道府県支出金が前年度比28,703千円増額、地方債が前年度比41,619千円増額したことによる。また歳出は主に積立金が前年度比104,699千円増額したことによる。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和5年度における人口1人当たり人件費・物件費等の決算額は、前年度と比較し11,307円増加している。また、例年類似団体平均を大きく上回る結果となっているのは、村人口が高齢化・過疎化の影響により減少傾向とあること、会計年度任用職員制度の導入により人件費が増額となっていること等が影響している。今後も人口減少は続くとみられるため、より一層業務の見直し等を図り、人件費及び物件費の抑制に努めていく必要がある。

ラスパイレス指数の分析欄

過去からほぼ同水準で推移しており継続的に類似団体平均を下回っている。令和5年度においても、類似団体より1.7ポイント下回っており、大きな変化が見られない。現在進行形で人口減少が進んでいることに加えて、将来的にも人口減少が見込まれるため、業務内容の優先度の見直しや効率化を考え、業務に支障が出ないようにしながら職員の待遇について検討の必要がある。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口減少が進んでいるため、依然として類似団体平均値を大きく上回っている。実際の職員数としてはほぼ横ばいで推移しているものの、今後も人口減少が見込まれるため、業務内容の優先度の見直しや効率化を考え、業務に支障が出ないようにしながら職員数の抑制を図る必要がある。

実質公債費比率の分析欄

前年度と比較すると実質公債費比率が0.7ポイント減少した。その要因としては、地方債の償還が進んでいること等が考えられる。今後も引き続き地方交付税参入率の高い村債を活用するとともに、補助金の活用を積極的に行い新規起債発行額を抑制する、新規事業の精査を行うなど、実質公債費比率が軽減していくよう努める。

将来負担比率の分析欄

令和5年度の将来負担率は令和4年度と同様に0%となった。令和3年度から令和4年度における変動要因としては、充当可能財源等は若干減少したものの、将来負担額の大幅な減少によるものである。将来負担額の大幅な減少は具体的に、起債の償還が進んだことや退職手当引当金額の減少が挙げられる。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

前年度に比べ1ポイント上昇している。職員の経験年数の増加に伴い人件費も増加することが考えられるため、今後も継続し人件費削減に努める。今後の育休職員の復帰や職員の新規採用等に備え、継続的に人件費の適正化を図る必要がある。

物件費の分析欄

類似団体平均より0.3ポイント下回っているものの、前年度と比較すると0.5ポイント増加している。今後もデジタル化に伴うシステム経費の支出は続くと考えられるが、費用対効果の検討等、適宜見直しを図り、経常経費の抑制に努める。

扶助費の分析欄

乳幼児や子どもの数が少ないため、類似団体平均値を大きく下回っている。今後も人数の変化はほとんどないと考えられるため、同水準で推移していくと考えられる。

その他の分析欄

前年度と比較して0.4ポイント上昇している。本項目に含まれている雪寒対策費等はかなりの割合を占めているが、その年の気候状況によって大きく変動する費用である。年によっては雪寒対策費がかなり大きくなることも予想される。住民の生活に直結する費用でもあるため、一律的な抑制は難しいが、余分な作業費が発生しないよう事業監督を行っていく。

補助費等の分析欄

前年度に比べ0.4ポイント減少し、類似団体平均を4.1ポイント下回っており、令和元年度から継続的に減少傾向にある。今後も補助金の見直しを継続的に行い、経常経費の抑制に努めていく。

公債費の分析欄

前年度と比べ2.3ポイント減少している。臨時財政対策債の償還が進んだことで、元利償還金が前年度と比べ25,639千円減となったことが要因として考えられる。今後も起債償還を進めていくとともに、新規事業の精査等を行い、村債の新規発行を抑制していく。

公債費以外の分析欄

前年度と比較して1.3ポイント増加しており、人件費、物件費が上昇していることによると考えられる。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・人口規模の小ささのため、基本的に類似団体平均よりも大きい数字となっている。また、人口減のため、支出規模が前年度とほぼ同じであっても、住民一人当たりのコストに換算すると前年度比が大きくなる傾向にある。・消防費は、住民一人あたり約165千円となっており、前年度と比較して約83千円減となっている。これは、奈良県広域消防組合の分担金が大きく減額したことや、令和4年度は定点カメラ設備警備業務に対する支出があったことが要因である。・民生費は、住民一人あたり約501千円となっており、前年度と比較して約36千円増となっている。これは、野迫川村社会福祉協議会に対する運営補助金の増額などが要因である。主に令和3年度から令和4年にかけては価格高騰緊急支援給付金、令和4年度から令和5年度にかけては社会福祉施設運営費、物価高騰対応重点支援地方交付金が増加している。・衛生費は、住民一人あたり約293千円となっており、前年度と比較して約104千円増となっている。これは、南和広域医療企業団に対する負担金の増額などが要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・人口規模の小ささのため、基本的に類似団体平均よりも大きい数字となっている。・公債費住民一人あたり約727千円となっており、前年度と比較して約72千円減となっている。これは、長期債元金の減少が要因である。・繰出金住民一人あたり約339千円となっており、前年度と比較して約40千円増となっている。これは、介護保険事業特別会計と簡易水道事業特別会計への繰出金の増額が要因である。・積立金住民一人あたり約384千円となっており、前年度と比較して約313千円増となっている。これは、財政調整基金の積立の大幅な発生が要因である。・維持補修費については、令和4年度は工事自体が少なかった。また令和5年度は工事自体はあったものの、工事内容が資本的支出のため維持補修費が減少した。・普通建設費については、林道ホラ谷立里線開設工事が主な増加理由である。・繰出金については、介護保険事業特別会計において事務費繰入金が増加したことが主な要因である。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高について、前年度と比べ積立額が117,001千円増額しているため、13.72ポイント上昇している。今後は普通地方交付税の減少や、少子高齢化等による人口の減少に伴う歳入額の減少が考えられるため、引き続き適宜歳出の見直しを行いながら、適切な基金の運用を行っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

連結実質赤字比率について、令和元年度決算以降、全会計が黒字となっている。一般会計においては、令和4年度と比較して2.99ポイント減少したものの、令和3年度以前と比較すると高水準となっている。介護保険事業特別会計においては、高齢化及び長寿命化により今後もサービス利用者の増が見込まれることから、計画策定時に適切に利用料の見直しを実施していく。また、今後も各会計において法定分を超えた一般会計からの繰入金が発生しないよう、保険料・税の徴収率向上や歳出の抑制を図っていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

前年度と比べて元利償還金は減少(26百万円減)している。一部について元利償還が終わったことで、元利償還金が前年度と比べ25,639千円減となったことにより、令和5年度は実質公債費比率の分子を引き下げる結果となった。引き続き地方交付税参入率の高い村債を活用するとともに、新規事業の精査や補助金等の活用を積極的に行うなど、新規村債発行額の抑制を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高については、引き続き減少傾向にある。特別職の報酬見直しの予定や高齢職員の退職等により、退職手当負担見込額については、令和4年度は増加したが、令和5年度においては再び減少となった。この状態を維持できるよう今後も過疎対策事業債等の地方交付税措置率の高い村債の活用や新規事業の精査等を行い村債の新規発行額の抑制等に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)・財政調整基金について、令和5年度に117,006千円の基金積立を行ったことにより、基金残高が117,006千円増加している。・森林環境保全基金について、令和5年度に10,905千円積立を行うと同時に、1,029千円取崩を行い、9,876千円基金残高が増加している。(今後の方針)少子高齢化や過疎化により国勢調査人口の減少が見込まれ、普通交付税が減少していくことが予想されるため、一般会計の歳入総額が減少傾向となることを見越して、歳出の見直しを行い、ふるさとのせ川愛基金や森林環境保全基金等、特定目的基金の活用についても検討していく。

財政調整基金

(増減理由)令和5年度において、117,006千円の基金積立を行ったことにより、基金残高が117,006千円増加している。(今後の方針)将来的に発生が予想されている南海トラフ地震等の災害時の支出やコロナウイルスのような感染症流行による経済不況等による税収の減に耐えるため、平時には基金の取崩し額を抑制ひいては積み立てができるよう、歳出事業の見直しを行っていく。また普通交付税が減少していくことが予想されるため、一般会計の歳入総額が減少傾向となることを見越して、歳出の見直しを行い、取崩し額を最低限にしていく。

減債基金

(増減理由)令和4年度に6,980千円の積立を行ったが、令和5年度においては大きな増減はない。(今後の方針)償還期限を繰り上げて村債の償還を行うことの検討を可能とするため、今後も適宜積み立てを考えていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域福祉基金:活力ある豊かな長寿社会の形成と福祉活動の促進を図る。・ふるさとのせ川愛基金:豊かな自然と歴史に育まれた野迫川村への共感やふるさとへの思いを持つ人からの寄附金を財源として、歴史文化遺産の保存や地域づくり、人づくり等村の活性化事業を行う。・森林環境保全基金:森林整備及びその促進に関する事業を行う。・地域振興基金:本格的な高齢化社会の到来に備え、地域の福祉活動の促進、快適な生活環境の形成等を図る。(増減理由)・森林環境保全基金:森林環境譲与税の積み立て(10,905千円)と事業実施による取崩し(1,029千円)により差し引きして増加。・ふるさとのせ川愛基金:ふるさと納税者の増加による基金増加。(460千円)(今後の方針)事業内容を精査しながら、各事業の財源として、基金の活用を視野に入れていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和5年度決算において、全国平均より9.6%、類似団体平均より7.3%、県平均より14.1%下回る割合となっている。固定資産台帳の大幅な見直し・精緻化により、主に道路、橋りょう・トンネルの数値が大幅に変化した影響が大きいと考えられる。そのほかの資産は有形固定資産減価償却率の高い物が多く、人口減少に合わせた公共施設の統廃合や削減による資産更新費用の削減に努める必要があるほか、計画的な老朽化対策に取り組む必要がある。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均に比べて72.1%高くなっており、奈良県平均に比べて307.4%、全国平均に比べて197.4%低くなっている。前年度と比較すると41.9%減少し、数値に改善がみられた。類似団体平均値を上回っている一方で、全国平均・奈良県内平均と比較すると下回る結果となっていることから、行政運営は比較的健全であるといえる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率について、地方債の償還は進んでいるため将来世代の負担は減少傾向にある。今後も継続して地方債の償還をすすめ、将来世代の負担を減少できるよう努める。また、固定資産台帳の大幅な見直し・精緻化により、有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を下回る結果となった。だが、整備されてから年数が経ち老朽化している建物は多いと思われるため、今後も公共施設等総合管理計画に基づき、適正な維持・更新を実施するよう努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

地方債の償還が進んでいることで、将来世代の負担はR01年度から減少している。今後も継続して地方債の償還をすすめ、将来世代の負担を減少できるよう努める。実質公債費率において、類似団体平均値よりも3.2%上回っており、地方債の発行額と償還額のバランスを見直し、適切な財政運営を行っていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

施設類型別の有形固定資産減価償却率を類似団体平均と比べると、特に【公営住宅】【児童館】において高い値となっていることから全体的な資産の老朽化がうかがえる。施設類型別の一人あたり延長・面積を類似団体平均と比べると、特に【学校施設】【児童館】【公民館】において高い値となっていることから当村の人口が少ない影響があらわれている。【公営住宅】において、改良工事等を行えておらず、耐用年数を超えて稼働しているものもあるため、依然として平均を上回る結果となっている。【児童館】において、野迫川村児童館が該当する。老朽化を迎えているため高い減価償却率のまま推移している。将来的には少子化による児童数の減少も想定されるため、今後の需要を見極めながら、今後のあり方を検討する。【道路】【橋りょう・トンネル】【認定こども園・幼稚園・保育所】において、固定資産台帳の大幅な見直し・精緻化の影響により、数値が大幅に変化している。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【庁舎】について、役場庁舎が該当する。令和2年度に庁舎の建物付属設備の改修工事等を行ったものの、建物が耐用年数を迎え、定期的な修繕を行えていないことが有形固定資産減価償却率が高い主な要因となっている。また1964年の建設以降、大規模改修も実施されていないため、公共施設等総合管理計画に基づき、点検等の実施により計画的な改修・修繕を行う必要がある。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額は前年度末から4,609万円増加(+51.0%)し、負債総額は前年度末から89百万円減少(△4.4%)した。資産のうち、固定資産は12,722百万円(前年度比+4,530百万円(+55.3%))、流動資産は923百万円(前年度比+79百万円(+9.3%))である。固定資産は、固定資産台帳の精緻化による有形固定資産等の4,535百万円増加等による変動である。流動資産は、現金預金の38百万円減少による変動である。負債は、地方債の68百万円減少による変動である。流動比率(流動資産/流動負債)は過去から継続して100%を超えているものの、資産合計のうち固定資産が継続して90%以上を示しており、固定資産の大半を占める有形固定資産の減価償却率が年々上昇していることから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理に努める必要がある。全体会計では、資産総額は前年度末から4,662百万円増加(+50.7%)し、負債総額は前年度末から84百万円減少(△3.7%)した。連結会計では、資産総額は前年度末から4,665百万円増加(+49.3%)し、負債総額は前年度末から76百万円減少(△3.2%)した。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

純行政コストは前年度比△170百万円(△10.9%)、純経常行政コストは前年度比△167百万円(△10.8%)となっている。経常費用は1,423百万円(前年度比△161百万円)となっており、業務費用(1,146百万円)が移転費用(277百万円)よりも多くなっている。業務費用のうち最も金額が大きいのは減価償却費(503百万円)を含む物件費等(824百万円)であり、移転費用のうち最も金額が大きいのは補助金等(166百万円)である。今後、民間委託による事務の効率化や公共施設等の適正管理を務めることにより経費の削減等を図る。全体会計では、純行政コストは前年比△172百万円(△10.4%)、純経常行政コストは前年比△173百万円(△10.4%)となっている。一般会計等に比べて、公営企業会計の使用料及び手数料に計上されるものの、国民健康保険や介護保険の負担金も補助金等に計上されるため、純行政コストは102百万円多くなっている。連結会計では、純行政コストは前年比△196百万円(△11.1%)、純経常行政コストは前年比△194百万円(△11.0%)となっている。全体会計に比べて、連結対象団体の人件費や物件費が計上されるため、純行政コストは79百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、財源(1,302百万円(前年度比△15百万円))が純行政コスト(△1,383百万円(前年度比+170百万円))を下回ったため、本年度差額は△81百万円(前年度比+156百万円)となり、その他有形固定資産の変動額(4,779百万円)の影響等により純資産残高は11,723百万円となった。純資産残高は減少傾向だったが、固定資産台帳の精緻化により今年度増加に転じた。今後も継続して純資産の増加を目指し、財源の確保とともに行政コストの削減に努めたい。全体会計では、財源(1,420百万円)が純行政コスト(△1,486百万円)を下回ったため、本年度差額は△66百万円となった。その他有形固定資産の変動額(4,780百万円)の影響等により純資産残高が11,670百万円となった。一般会計等と比べて、国民健康保険特別会計・介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料、公営企業会計の国や県の補助金が財源に含まれており、本年度差額は15百万円、本年度純資産変動額は45百万円増加となっている。連結会計では、財源(1,501百万円)が純行政コスト(△1,565百万円)を下回ったため、本年度差額は△64百万円となった。全体会計と比べて連結対象団体の国県等補助金等が財源に含まれるが、相殺処理の影響もあることから、本年度差額は2百万円多くなり、本年度純資産変動額も比例連結割合変更に伴う差額の影響を受けたが、5百万円少なくなっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支が304百万円(前年度比△95百万円)の減少となった。投資活動収支については、公共施設の投資(244百万円(前年度比+18百万円))、基金積立金支出(128百万円(前年度比+104百万円))等の支出が前年度から増加し、基金取崩収入(1百万円(前年度比△3百万円))等の収入が減少したため、△255百万円(前年度比△96百万円)となった。財務活動収支については、公共施設への投資の財源確保等のために地方債を発行(153百万円(前年度比+42百万円))したが、地方債の償還(239百万円(前年度比△25百万円))が発行額を上回ったことが影響し、△87百万円(前年度比+68百万円)となっている。業務活動収支は継続してプラス、投資活動収支は継続してマイナスとなった。今後も継続して財務活動収支がマイナスとなるよう、健全な行政運営を行う。全体会計では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、公営企業会計の使用料及び手数料収入が含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より21百万円多い325百万円となった。投資活動収支は、公営企業会計の投資への支出が含まれることから、一般会計等よりも26百万円減少し、△281百万円となった。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから△79百万円となった。連結会計では、業務活動収支は全体会計より11百万円多い336百万円となった。投資活動収支は、連結対象団体が資産の取得を行ったため、全体会計より△20百万円少ない△301百万円となった。財務活動収支は、全体会計と同様に地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから△71百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均よりも大きく上回っている。当村の人口規模が類似団体よりも小さいためである。内訳としては、住民一人当たりの固定資産は3,809万円(前年度比+1,371万円)、住民一人当たりの流動資産は276万円(前年度比+25万円)となっている歳入額対資産比率については、類似団体平均を上回る結果となった。財政規模(歳入総額)に見合った資産保有を前提として、今後も施設整備を実施していく。当年度については固定資産台帳の精緻化により資産合計が増加の影響で、前年度から増加した。有形固定資産減価償却率は類似団体平均を上回っていたが、固定資産台帳の精緻化により、当該値は大幅に減少した。今後も公共施設総合管理計画に基づき、適正な維持・更新を実施するよう努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は令和2年度までは類似団体平均をわずかに上回っていたが、令和3年度は類似団体平均の上昇幅が大きいため、平均を下回っている。また当該値は令和元年度から令和3年度にかけては横ばいであったが、令和4年度においては上昇傾向にある。令和5年度においては、固定資産台帳の精緻化により、大幅に上昇している。住民人口が減少傾向にあることや、固定資産の老朽化等を見据えて将来新たに発行する地方債の抑制を行い、将来世代の負担減少に努める。社会資本等形成に係る将来世代の負担の程度を示す将来世代負担比率は、類似団体平均と同程度である。当村は資産額の減少と同時に地方債の償還も進んでいるため将来世代の負担は減少傾向にある。今後も継続して地方債の償還をすすめ、将来世代の負担を減少できるよう努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均値を大きく上回っている。当村の人口規模が類似団体よりも小さいためである。今後、少子高齢化に伴う社会保障給付をはじめ、人件費や物件費も増加傾向にあることから、純行政コスト(純経常行政コスト)は今後増加していくことが懸念される。そのため、民間委託の効率化や施設集約化等により経費削減に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を大きく上回っており、当村の人口規模が類似団体よりも小さいためである。前年度からは23万円減少しており、地方債の償還額が地方債発行額を上回ったことから負債額が減少したことが要因である。業務・投資活動収支は、業務活動収支の黒字分が基金の取崩収入及び基金積立支出を除いた投資活動収支の赤字分を上回ったため、180百万円となり、前年度より86百万円減少した。今後も基礎的財政収支の黒字を維持できるよう、健全な行政運営適正な公共投資に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は継続して類似団体平均を大きく下回っている。当村の行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。類似団体平均まで受益者負担比率を引き上げるため、公共施設等の点検・診断等予防保全による長寿命化を進めていくなど、受益者負担の適正化に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,