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地方財政ダッシュボード

奈良県宇陀市の財政状況(2014年度)

🏠宇陀市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2014年度)

財政力指数の分析欄

中山間地域に位置し、確固たる基幹産業や企業がないため、財政基盤が脆弱である。また、大阪等のベットタウンであったが住み替えや世代交代が進まず、勤労世代の退職・高齢化により、主たる税収である個人市民税は、平成19年度以降逓減している。固定資産税においても、地価や家屋の新築が低迷しており、基準財政収入額は減少。しかし、基準財政需要額も減少しているため、指数は変化なし。類似団体に比べると、収入額が少なく、需要額は多い。今後は、さらに、高齢社会の進展に加え、人口の減少による過疎化が進む中、第3次宇陀市行政改革大綱(平成27から31年度)、宇陀市まち・ひと・しごと創生総合戦略(平成27年12月)を策定し、人口の増、収入の増を図り、一方で、時代に即した組織体制の見直しや持続可能な財政運営を行うよう努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は合併後年々改善していたが、平成24年度に一時悪化し、平成25年度には改善したものの、平成26年度には、再び昨年度と比べて2.9%悪化した。経常一般財源の大半を占める普通交付税のほか、市税、臨時財政対策債が減少し、また、経常一般財源充当額が、増加したことによるものである。人件費、公債費については、宇陀市行政改革大綱等により職員定数管理と地方債新規発行の制限をしていることから、年々減少してはいるものの、物件費、公営企業等への補助及び繰出金の増加がみられる。物件費については、委託料と光熱水費の増加が要因である。職員が減少した分を委託で補っているためと考えられる。今後、第3次宇陀市行政改革大綱により、適正な組織体制の検討や、事務見直しを進め、人件費のみならず、物件費や繰出金等においても節減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体を上回る要因は前年度と同様、人件費総額にある。合併後、勧奨退職制度の導入や新規採用者の抑制、施設の統廃合など様々な方策を講じていることにより、年々減少している。平成17年度から26年度では、人件費は、29.5%減少、第2次行政改革大綱の対象期間である平成22年から26年の5ヵ年では、19.2%減少している。しかし、依然として類似団体に比べて多い状況である。一方、人件費削減により業務委託が増加する傾向にあり、物件費が増加している。また、施設に所属する職員給が類似団体に比べ多いのが特徴である。今後は、第3次行政改革大綱(平成27から31年度対象)により、社会経済情勢の変化を踏まえ、対応すべき行政需要の範囲や事務事業の見直しを行い、行政組織のスリム化及び公共施設等総合管理計画の作成に取り組み、公共施設の適正管理を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

平成19年4月より継続して2.5%職員給を削減していることにより、類似団体平均を下回っている。平成23年、24年(平成24年・25年4月1日現在給与実態調査結果)は、ラスパイレス指数が100を超えているが、これは、国家公務員の時限的な(2年間)給与改定特例法による措置によるもので、宇陀市においても、平成24と25年の基準日の間(平成25年7月1日~平成26年3月31日)に、国と同様の特例減額措置を実施した。平成25年4月1日は、同措置がないとした場合と同様であるので、指数の変化はない。平成25、26年は、同措置がなくなり、平成22年と同水準に戻っている。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

地理的要因や合併前の職員を引き継いだこと、施設が多数あるのが現状であり、類似団体と比較して総枠的に多い。平成18年度に制定した集中改革プランにおいて、平成21年度末までに57人(10.1%)の減を目指し、結果として83人(14.8%)の減となるなど職員数は減少している。また、平成22年度から平成26年度において、第2次宇陀市行政改革大綱による定員の適正化を図るため、早期勧奨退職制度の導入や類似施設の統廃合、民間委託の導入などにより、普通会計職員48人の削減を目標としていたが、結果は、91人の減となり目標を大幅に超えた。しかし、依然として類似団体平均より2.04人多い状態であり、今後も引き続き第3次宇陀市行政改革大綱において適正な定員管理に取り組む。

実質公債費比率の分析欄

合併以前より財源を地方債に求めてきたため、旧町村での過疎債や公住債、土地開発公社の健全化による用先債、合併特例債等の償還により、高い水準で推移しているが、新規発行額の抑制及び普通交付税算入率の高い起債借入により、前年度より0.2%改善し17.8%と減少した。類似団体平均も減少しているので、依然、平均と比較して6.7%高い。平成27年度以降も、第3次宇陀市行政改革大綱による発行総額の抑制により、さらに、比率を減少させるよう努める。

将来負担比率の分析欄

類似団体平均と比較して高い理由は、地方債現在高が高いこと、公営企業債等繰出額が高いこと、職員数が多いため退職手当負担額が高いことが要因となっている。昨年より、13.1%改善した理由は、地方債現在高の減少、繰出見込額の減少、職員総数が14名減少したことに伴う職員手当負担額の減少である。公営企業債繰出額については、高い水準が続く見込みであるが、その他の要因については、新規発行額の抑制や職員の定員適正化計画の推進などを行うことにより、徐々にではあるが改善に努めることができる。今後も、引き続き新規発行額の抑制や職員の定員適正化計画の推進を進め、将来負担比率の改善に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2014年度)

人件費の分析欄

類似団体平均と比較して人件費が多い要因は、合併前の職員を引き継いでいること、施設が多いことによるものである。職員数については、第2次宇陀市行政改革大綱において、平成22から26年度の5年間で普通会計職員数を10%削減することを目標としていたが、早期退職制度の導入等により20%近く削減することができた。職員給料カットも平成19年より引き続き行っている。しかし、依然として類似団体と比べて人件費が多い状況にあるので、第3次宇陀市行政改革大綱に基づき、職員給料カットの継続や適正な職員数と施設の管理に努めるとともに、人件費の抑制に努めていく。

物件費の分析欄

物件費については、類似団体平均と比較して、良好な状態にある。しかしながら、平成25年度と比べて類似団体が0.5ポイントの増加に対し、宇陀市は、0.9ポイントの増となった。昨年度より率が増えているのは、委託料等の増加による。今後は、職員数削減に伴い、委託料が年々増加していくことも考えられる。歳出全体のバランスを考慮しながら、物件費についても適正な執行を行っていく。

扶助費の分析欄

扶助費については、類似団体平均を下回っており、比較して良好な状態にある。扶助費総額(生活保護費や障害福祉費等)は、年々増加していることから、今後も適正な資格審査等、管理に努める。

その他の分析欄

その他については、類似団体平均と比較して、良好な状態にある。率は、平成25年度より0.4ポイント上昇した。主な要因は、国民健康保険事業会計、後期高齢者医療事業会計と介護保険事業会計への繰出金の増加である。第3次宇陀市行政改革大綱により、国民健康保険特別会計の安定運営に向けて、推進する。その結果、普通会計の負担額を減らすよう、今後も適正な管理に努める。

補助費等の分析欄

補助費等が類似団体平均と比較して高い要因は、消防業務やごみ収集業務、し尿処理などを一部事務組合において運営していることにある。これらの一部事務組合は、合併以前から加入しており、合併後においてもそのまま引き継いで運営している。地理的要因などにより、類似団体と比較して職員数などが多いため、負担金が多い傾向にある。また、法適用公営企業に対しての補助金も年々増加している。平成25年度と比べて、上昇した理由は、法適公営企業(市立病院)への補助金が増加したことによる。第3次宇陀市行政改革大綱により、市立病院の経営形態の見直しを検討し、平成29年度より調整を進めていく。

公債費の分析欄

合併以前より自主財源に乏しいため、普通会計においては、地総債、過疎債、公住債等の地方債に財源を求めてきた。その結果、依然として類似団体平均と比較して8.7ポイント上回っている。償還額の減少により、年々率は改善しているが、公債費比率を抑制するため、第3次宇陀市行政改革大綱において、投資的事業における新規発行額の抑制を策定した。また、奈良県市町村財政健全化支援事業貸付金などの有利な借換え利用により、さらに改善を進める。今後も継続して公債費の抑制に努めていく。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、類似団体平均と比較して、良好な状態にあるものの、平成25年度と比べて、3.2ポイント上昇した。一部事務組合や公営企業への補助費、扶助費、国民健康保険事業会計や介護保険事業会計への繰出金が増加しているためである。今後も適正な管理に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2014年度)

分析欄

合併直後には、歳入不足により基金繰入等で不足額を補っていたため、実質単年度収支がマイナスとなっていたが、行財政改革の取り組みにより、歳入の確保や歳出の執行管理に努めた結果、プラスに転じていた。また、財政調整基金残高を標準財政規模の19.39%まで積み立てることができた。平成26年度は実質単年度収支がマイナスとなったが、これは、歳入がへり、歳出が増え、繰越金が減ったことによる。今後も行財政改革を着実に進め、安定した財政運営が行えるよう努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2014年度)

分析欄

赤字となっている事業会計は、住宅新築資金等貸付事業特別会計と保養センター事業特別会計と、国民健康保険事業特別会計である。住宅新築資金等貸付事業特別会計については、合併以前に公住債を財源に運営されていたもので、現在は新規貸付を行わずに、元利償還を行っていることから、年々起債残高は減少傾向にあるものの、貸付先からの償還の一部で滞納が生じているため、毎年赤字が発生している状況にある。現在は、奈良県住宅新築資金等貸付金回収管理組合において、貸付金の回収事務を行っているが、回収業務が滞りなく進められるよう努力していく。また、保養センター事業特別会計については、市直営で実施している観光事業で、昭和56年の開設以来、事業規模を拡大していたが、近隣での類似施設の整備や施設の老朽化などが要因となり、年々累積赤字が拡大していった。そこで、民間事業者による指定管理者制度を導入し、平成22年度から運営全般を指定管理者に委託して事業を実施するとともに、それまで勤務していた職員を普通会計に引き上げて事業を行い、平成32年度までに赤字を解消する「保養センター事業特別会計経営健全化計画書」を策定した。平成25年3月に第2期見直しを行った。今後も計画に沿って赤字解消に努力していく。国民健康保険事業特別会計においては、事業勘定において、高齢化や医療技術の高度化により医療費が予想以上に増加し、国保税など歳入確保に努めたが、歳入不足を解消できなかった。また、診療施設勘定では、直営診療所の運営について、事務の見直しを行い、夜診や往診なども積極的に行うなど地域医療も取り組んでいるが、患者数、診療報酬額等、年々減少傾向にあり、診療収入が減少した。今後は、さらに宇陀市立病院と連携を図るなど在宅医療の充実を図りつつ、経営努力を行っていく。また、第3次宇陀市行政改革大綱により、国民健康保険特別会計の安定運営に向けて、推進するよう努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2014年度)

分析欄

平成25年度と比べると、元利償還金は、128百万円の減であるが、合併以前より財源を地方債に求めてきたことから元利償還金は依然として高水準となっている。合併後は新規発行額を、年間の元金償還額の1/2以内に抑制する措置、並びに有利な起債である合併特例債や過疎債を中心にしていたことから分子は減少傾向にある。しかしながら、保養センター事業特別会計や市立病院事業特別会計に対する公営企業債の繰出金も高水準のままである。今後は、第3次宇陀市行政改革大綱に則り、選択と集中の理念のもと引き続き徐々に水準を押さえるよう努める。

将来負担比率(分子)の構造(2014年度)

分析欄

将来負担額については、地方債の新規発行額の抑制により、普通会計に係る地方債残高は年々減少している。しかしながら、地方債現在高に係る基準財政需要額算入見込額も減少している。同じく地方債の発行抑制により、公営企業債に対する繰出金も、減少し、退職手当負担見込額も、職員数の減少により、減っている。また、財政調整基金の積み増しを行ったために充当可能基金が増加した。分子は、徐々に改善しており、今後も将来負担額は減少していくことが予想されるが、施設等の老朽化に伴う対策と、地方債の新規発行抑制とのバランスを考えた、適正な施設管理について検討を進める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,