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地方財政ダッシュボード

三重県木曽岬町の財政状況(2019年度)

🏠木曽岬町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は過去5年間で大きな変動が無く、一定的な数値で推移している。これは市町村民税において、所得割が税収の中で大きな割合を占めるため、景気の大幅な影響を受け難く、また固定資産税においても名古屋市近郊の中京都市圏に位置する本町は、類似団体と比べて地価が高い。こうした理由で、安定的な税収を確保していることが、数値安定の要因である。しかし、平成28、29年度に新庁舎及び防災施設設備の財源として地方債を発行したため、今後は償還金による歳出の増額が見込まれ、また新型コロナウイルスの影響に伴う景気の落ち込みにより法人税割等で大きな減少が見込まれる。そこで優先度の低い事業を廃止することで歳出の見直しを図り、財政の健全化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和元年度は経常収支比率が大きく低下したが、この要因としては町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、分母となる経常一般財源が大幅に増加したためである。しかし、これは単年度による限定的なものであり、翌年度以降は地方債償還に伴う公債費の増加や、高齢化に伴う扶助費の増加により、経常収支比率は悪化する見込みである。限られた財源の中で、新たな行政改革に取り組み、事務事業の見直しを図ることで、経常経費を抑制するよう努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体平均を下回っているものの、決算額は三重県平均を上回っており、令和元年度は昨年と比べて22,208円増加した。主な理由は物件費であり、新規に地域BWA事業を実施し、委託料が大きく増加した。また、公共交通機関が乏しい当町では、自主運行バスを走らせており、運行管理委託に費用がかかっている。さらに、ふるさと納税事業の拡大に伴い、返礼品・送料及び業務委託料が増加した。今後は、より一層必要経費を精査することで、コスト削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成30年度及び令和元年度は経験年数の階層区分の変動により数値の変動があったが、平成27年度以降概ね平均的に推移している。社会経済情勢の変化や国の給料水準等を踏まえ、引き続き本町の給料水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たり職員数は0.07人減の9.43人となった。定員適正化計画に基づき適正な職員採用を行ってきたことにより、類似団体平均以下を維持している。今後も適正な職員採用、再任用職員及び非常勤職員の活用により、現状の職員数を維持しながら、人件費の抑制に努める。

実質公債費比率の分析欄

平成27年度から平成30年度にかけては、過去の地方債償還が進み、数値は減少を続けていたが、平成28年・29年度に実施した防災施設整備や新庁舎建設事業に伴う起債の元金償還が開始したため、令和元年度は数値が悪化しており、令和2年度以降数値はさらに悪化する見込みである。今後は、町の予算総額に応じた適正な起債発行に努め、交付税算入率が高い有利な起債を活用し、実質的な公債費負担の抑制に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は例年に続き、なしの状態を維持している。平成28、29年度に新庁舎及び防災設備建設の財源として地方債を発行したため、地方債残高は増加したが、交付税算入率の高い地方債を中心に借り入れたことで、残高に対して基準財政需要額算入見込額の割合が大きく、また財政調整基金及び減債基金の積立てにより将来負担額を上回る充当可能財源を確保している。今後も新規事業の財源確保について十分精査することで、健全な財政運営に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は平成26年度以降安定し、三重県平均と同程度で推移しているが、令和元年度は数値が大きく減少している。これは、人件費に大きな変動は無いが、令和元年度に町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、経常収支比率の分母となる経常一般財源が大幅に増加したためである。令和2年度以降は例年ベースの数値に戻ると見込むが、今後も適正な人件費率の維持改善に努める。

物件費の分析欄

令和元年度は前年度から1.9%減少し、16.7%となった。この理由は、経常収支比率の分子となる物件費決算額は、新規に実施した地域BWA事業に係る委託料やふるさと納税業務の拡大等により増加したが、令和元年度に町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、分母となる経常一般財源が大幅に増加したためである。今後もふるさと納税事業等で物件費支出は継続的に続くので、業務内容について一層の精査を行い、コストの削減に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均を下回っているものの、高齢化率は年々上昇傾向にあるので、行政施策で予防に努め、今後の扶助費の上昇を抑制する必要がある。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は、平成30年度まで類似団体平均を上回っていたがこれは、公営企業会計への維持管理及び公債費補填のための繰出金が大きな要因である。令和元年度は、経常収支比率の分子となる決算額に大きな変動は無いが、町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、分母となる経常一般財源が大幅に増加したため、数値が減少している。しかし、これは一時的なものであり、今後も財政の硬直化が進む中、人件費及び扶助費は上昇していくと思われ、限られた財源の中では非常に厳しい財政運営が求められるが、新たな行財政改革に取り組み事務事業の見直しを図り、経常経費の更なる抑制に努めなければならない。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度から3.2ポイント減少となった。経常収支比率の分子となる補助費決算額は例年と大きな変動は無かったが、令和元年度に町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、分母となる経常一般財源が大幅に増加したためである。しかし、依然として県内平均を上回っているため、新たな行政改革の取り組み等で見直しを図り、経費の抑制に努める。

公債費の分析欄

過去の施設整備に係る起債の償還終了の影響により、公債費は類似団体及び三重県平均を下回っている。しかし、平成28・29年度に防災対策や庁舎建設事業に対して地方債を発行し、令和元年度より元金償還が始まったことから、数値は前年度に比べて2.4%悪化している。今後は元金償還が進むにつれて公債費が増加し、数値は更に悪化すると予想される。

公債費以外の分析欄

経常収支比率は、平成30年度まで類似団体平均を上回っていたが、これは特別会計への繰出金が類似団体を上回る要因と思われる。令和元年度は、経常収支比率の分子となる決算額に大きな変動は無いが、町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、分母となる経常一般財源が大幅に増加したため、数値が減少している。しかし、これは一時的なものであり、今後も経常的経費については、新たな行財政改革の取り組みや更なる経費の抑制に努める必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・総務費は、住民一人当たり167,087円となり、平成30年度と比べて87.2%増と大きく増加し、類似団体平均を上回った。これは、令和元年度に新規で地域BWA事業を実施し、またふるさと納税事業の事業拡大を行ったためである。・消防費は、住民一人当たり19,684円となり、平成30年度と比べて48.4%減と大きく減少した。これは近年町の重要施策として力を入れた防災施策において、平成29年度に歳出のピークを迎え、平成30年度も南部地区避難タワーを建設したが、令和元年度はこれらハード事業が終了したため、大きく減少している。・民生費は、住民一人当たり117,196円となり、平成30年度と比べて12.5%増となった。これは、令和元年度より幼稚園・保育園が認定こども園へと移行され、教育費で支出していた経費を民生費で支出することになったためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり542,281円となっている。主な構成項目のうち繰出金は、住民一人当たり83,120円となっており、三重県平均及び類似団体平均を上回っている。これは国民健康保険、後期高齢、介護保険、下水道事業の特別会計で、財源補てんのためにそれぞれ一般会計から多額の繰出金を支払っているためである。物件費は住民一人当たり120,118円となり、前年度と比べて30.2%増となり、三重県平均を上回った。これは新規に実施した地域BWA事業に係る委託料やふるさと納税業務の拡大等により増加したためである。公債費は住民一人当たり38,843円となり、前年度と比べて68.9%増となった。これは、平成28年度より新庁舎及び防災施設整備事業で地方債を発行し、その元金償還が始まったためである。公債費は今後も増加が見込まれるため、新たな行財政改革の取り組みを実施し、経常経費の抑制に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

令和元年度は、町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、余剰財源を財政調整基金に積み立てたことから、財政調整基金残高が大幅に増加した。実質単年度収支についても、前述の法人税割の増加により基金積立及び繰上償還を実施したため、前年度に比べて大きく増加した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

一般会計は、令和元年度決算で前年度より1.33ポイント増となった。これは、令和元年度は町内太陽光売電事業者の事業形態変更に伴い、法人税割が一時的に大幅に増加し、歳入が歳出を大きく上回ったためである。国民健康保険特別会計は、令和元年度決算で前年度より0.31ポイントの減になった。これは、国民健康保険事業費納付金等で歳出が増加したためである。介護保険特別会計は、令和元年度決算で前年度より0.14ポイント増になったが、平成27、28年度と比較すると近年は減少している。これは、高齢化に伴い保険給付費や地域支援事業費の増額による歳出の増が主な原因である。各会計共通して黒字で推移しているとはいえ、常に一般会計からの繰入金に依存している部分がある。しかしながら、運営に影響を与えることはなく、全般的に健全であると判断できる。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

過去の施設整備に係る起債の償還終了により、平成26年度から28年度にかけて元利償還金は減少傾向にあったが、平成28、29年度に防災対策事業や庁舎建設等の事業費を補うために多額の借入を行ったため、平成29年度以降増加に転じ、元金償還が本格的に始まった令和元年度は前年度より33百万円増加であった。過去の下水道事業に係る起債の償還終了により、公営企業債への繰入金は減少傾向であるものの、平成30年度より既存施設の長寿命化事業に取り組み、その財源に公営企業債を発行していることから、償還が始まる今後は繰入金の増加が見込まれる。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

将来負担額は、平成28年度より新庁舎建設事業及び防災対策事業の財源として多額の地方債を発行したことから、平成28年度以降高い水準で推移している。充当可能財源等については、新庁舎建設事業の財源として平成29年度に基金を取り崩したため、充当可能基金残高が減少しているが、令和元年度は余剰財源を基金に積み立て、また交付税算入率の高い地方債を中心に借り入れているため、地方債残高に対しては十分な基準財政需要額算入見込額を確保している。以上より充当可能財源等が将来負担額を上回っているため、将来負担比率の分子はマイナスとなっている。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金においては、歳計剰余金及び令和元年度の臨時税収により329百万円を積み立てたため大きく増加している。減債基金についても、令和元年度に歳計剰余金を積み立てたため、残高が増加している。また、ふるさと納税寄附の増加により、「ふるさときそさき応援基金」の残高が大きく増加していることから、その他特定目的基金残高についても増加している。平成29年度から令和元年度にかけては基金全体で残高が大きく増加している。(今後の方針)財政調整基金残高は、標準財政規模比100%を達成し、十分な残高が確保されているが、新型コロナウイルス感染症の影響による税収減及び地方債償還額の増加に伴う公債費の増加が見込まれるため、必要に応じて取り崩しを行い、適切な財政運用に努める。令和2年度に「ふるさときそさき応援基金」を取り崩し、社会福祉施設改修事業を実施したが、今後も寄附の目的に応じて適切な運用を図る。

財政調整基金

(増減理由)令和元年度に臨時の法人税収入があり、余剰分として臨時で246百万円を積み立てたことから、基金残高は大きく増加している。(今後の方)財政調整基金残高は、標準財政規模比100%を達成し、十分な残高が確保されているが、新型コロナウイルス感染症の影響による税収減及び地方債償還額の増加に伴う公債費の増加が見込まれるため、必要に応じて取り崩しを行い、適切な財政運用に努める。

減債基金

(増減理由)令和元年度に歳計剰余金で50百万円を積み立てたため、残高が増加している。(今後の方針)令和7年度に新庁舎建設及び防災事業の財源として発行した地方債の償還のピークを迎え、さらに10年間は毎年約270百万円の償還金が財政を圧迫する。これに備え歳計剰余金を中心に毎年度計画的に積み立て、必要に応じて取り崩す予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)・基本財産基金:(1)天災事変に遭遇し、多額の経費を要するとき。(2)行政財産の新増築及び改築のため多額の経費を要し、住民の負担が過重となるとき。・ふるさときそさき応援基金:ふるさと納税によるふるさと応援寄付金の実績に基づき積み立て、寄附の目的に応じた事業へそれぞれ活用する。・災害救助基金:(1)天災事変に遭遇し、多額の経費を要するとき。(2)災害救助法第2条の規定に該当しない場合において、災害にかかった者を救助するため多額の経費を要し、住民の負担が過重となるとき。(増減理由)基本財産基金及びその他の基金は、取り崩しをせず、利息を積み立てたため、残高が増加している。ふるさときそさき応援寄附金は、事業拡大により寄附金額が増加したことから、寄附金積立により残高が増加している。(今後の方針)・基本財産基金、災害救助基金:災害時の臨時的な財政需要に備え、利息を中心とした積み立てを行う。・ふるさときそさき応援基金:令和2年度に基金を取り崩し、社会福祉施設改修事業を実施。今後も寄附の目的に応じた事業にそれぞれ財源充当を行い、適正な運用に努める。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

当町では、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の施設寿命を従来より10年の延長を目標とし、施設の長期利用により、中長期的な視点における経費の削減を目指している。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均を下回っているので、引き続き施設の維持管理について見直しを進め、経費の圧縮に努めることとする。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は類似団体平均を下回っており、主な要因としては、上・下水道事業の高い利率起債を繰上償還で整理したこと、また償還に関して充当可能な基金残高が存在するためである。しかし、平成27年度から29年度にかけて新庁舎建設事業の財源として地方債を発行したことから、今後は債務償還比率の増加が予想されるので、行政改革に取り組み、業務支出の抑制に努めることとする。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、令和元年度時点でなしとなっており、有形固定資産減価償却率は、類似団体と同程度である。有形固定資産減価償却率については、体育館・公民館等で80%以上であるが、新庁舎建設により庁舎の令和元年度数値が9.1%と極端に低く(別紙参照)、平均して類似団体と同程度である。しかし、平成27年度から29年度にかけて新庁舎建設事業の財源として新規地方債の発行及び基金の取崩しを行ったことから、将来負担比率は今後悪化が予想される。また、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設については適切に対策を講ずるものとする。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比べて低く、将来負担比率はなしとなっている。これは、上・下水道事業の高い利率起債を繰上償還で整理し、また地方債の新規発行を抑制したためである。しかし、平成27年度から29年度にかけて新庁舎建設事業の財源として地方債を発行し、令和2年度より地方債の元金償還が始まることから、今後は実質公債費比率、将来負担比率共に上昇が予想される。そのため、これまで以上に公債費の適正化に取り組んで行く必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は保育所、公民館であり、学校施設においてもやや高くなっている。保育所については、平成30年度に中部保育園と南部保育園を統合し、運営の効率を高めるとともに日々の修繕を行うことで維持管理経費の減少及び施設の老朽化対策に取り組んでいる。公民館については、建設から30年以上が経過し、耐用年数である50年に近づきつつあるが、適切に日々の修繕を行っているため、使用する上での問題は無い。学校については、小学校において令和2年度に老朽化対策のため大規模改修を予定している。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体と比較すると体育館・プール、保健センター、福祉施設について特に高く、庁舎、図書館については平成27年から平成29年にかけて建設を行ったため低い傾向にある。福祉施設での老朽化対策として、平成29年度では福祉センターにおける大規模改修工事を実施した。また、令和2年度においては町社会福祉協議会が空き施設へ移転するため、空き施設の改修工事を実施し老朽化対策に取り組む予定。消防施設については、町内5箇所の消防施設にて修繕計画に基づき適切に日々の修繕を行っているため、使用する上での問題は無い。庁舎、図書館については、平成28年度に新庁舎、平成29年度に図書館をそれぞれ建設したため、有形固定資産減価償却率が著しく低くなっている。今後は施設の維持管理にかかる経費の増加に留意しつつ、行政サービスの向上に努めていく。

財務書類に関する情報①(2019年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産総額においては、前年度末から327百万円の増加(+2.0%)となりました。事業用資産は、減価償却による減少額が投資額を上回っているため、236百万円の減少(△2.8%)となりました。インフラ資産については、減価償却による減少のため9百万円の微減(▲0.2%)となりました。流動資産では、財政調整基金及び減債基金の積立により、基金が292百万円増加したことから、流動資産全体では335百万円増加(+11.2%)しました。一般会計等の負債総額においては、平成28年開始した庁舎建設の地方債償還が始まったことなどから1年以内償還地方債が43百万円増加した一方、地方債が91百万円減少したため前年度末から20百万円の減少(△0.6%)となりました。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは2,837百万円となり、前年度から199百万円の増加(+7.5%)となりました。ただし、業務費用の方が移転費用よりも多く、最も金額が大きいのは減価償却費や維持補修費を含む物件費等(1,285百万円、前年度比55百万円増加(+4.5%))であり、純行政コストの43.6%を占めております。施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努めます。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が342百万円多くなっている一方、国民健康保険や介護保険の負担金を社会保障給付に計上しているため、移転費用が946百万円多くなり、純行政コストは1,396百万円多くなりました。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収が644百万円の増加(+30.2%)となり、財源(3,185百万円)が純行政コスト(2,837百万円)を上回ったため、純資産残高は347百万円の増加(+2.7%)となりました。税収増加の主な要因としては、町内の太陽光売電事業者である木曽岬メガソーラー(株)において、事業運営形態の変更に伴い法人税割が大きく増加(+507,224千円)したためです。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は前述の税収増加により前年度から561百万円増の720百万円となっています。また、投資活動収支においては税収増加による基金積立により、前年度から313百万円減の△635百万円となり、財務活動収支においては、地方債の地方債償還支出が発行額を上回ったことから、前年度から158百万円減の△47百万円となっています。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから。業務活動収支は一般会計等より170百万円多い890百万円となっています。

財務書類に関する情報②(2019年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたり資産額は、税収増加による基金積み立てにより増加しております。表では類似団体平均を下回っているものの、町が作成した報告書では市町村類型及び人口規模を加味した類似団体平均も算出しており、その報告では資産の多くが金融資産となっており、インフラ資産の割合が少ないことから維持コストが抑えられていることが伺えます。歳入額対資産比率は、類似団体平均を上回る結果となった。資産合計に大きな変動はなかったが、歳入総額が前年度より大きく増加したため、数値が大きく減少した。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均を下回っている。今年度は目立った公共事業が少なく、減価償却が進んだため、数値が増加した。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均を上回っているが、税収が一時的に増加したことにより、前年度と比べて数値は増加した。将来世代負担比率は、類似団体平均を下回っている。また、庁舎建設や防災施設整備事業に係る起債発行が一段落したことから、前年度と比べて数値は横ばいとなっている。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均を下回っている。公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行うことで、経常費用の削減を図り、住民一人当たり行政コストの減少に努める。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたり負債額は、類似団体平均を下回っているが、前年度と比べて増加している。負債合計に大きな変動は無いが、人口が減少していることで、住民一人当たり負債額が増加した。基礎的財政収支は、今年度は前年度から大幅に増加し黒字となった。これは一時的な税収増加によるものである。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担割合は低くなっている。今後は他市町村の状況に注意しつつ、公共サービスの費用に対する受益者負担の水準を適正に保つように努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,