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地方財政ダッシュボード

長野県長野市の財政状況(2020年度)

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

平成15年度までは類似団体とほぼ同程度の数値であったが、平成17年1月及び平成22年1月の市町村合併を経て市域、人口が増加する一方、市税収入が伸び悩み、数値が悪化した。令和2年度においては、税制改正に伴う法人市民税の減少や、サンマリーンながの等大規模事業に係る公債費の増加等があったものの、大きな変動に至らず、類似団体同様、横ばいとなった。今後も、市税の収納率向上や公共施設の統廃合や長寿命化、事務事業の見直しを計画的に進め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和2年度は前年度と比較し、分子となる扶助費及び物件費等の一般財源が大幅に減少した一方、分母となる臨時財政対策債の増加等により、1.2ポイント改善した。類似団体平均値からは、2.1ポイント下回った状態ではあるが、引き続き人件費、公債費、物件費などの経常経費の抑制に努めるとともに、市税の収納率向上のほか、未利用財産の貸付・売却、使用料など利用者負担の適正化を図り、経常収入の増加に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和元年度は東日本台風災害の影響による物件費の大幅増により、前年度比+21,375円の大幅増となった。令和2年度における人件費は、会計年度任用職員制度以降に伴う科目変更により、前年度比で4.5%増加、物件費は、台風災害に伴う応急仮設住宅賃借料の減少や臨時・嘱託職員の賃金等の減少により4.1%減少となり、人口一人当たりの人件費・物件費等は、前年度より1,506円の増となった。台風災害からの復旧作業の進捗により令和3年度以降、物件費は縮小していくと推測されるが、その一方で人口は前年度比1,846人減となる374,038人となり、人口の減少傾向が顕著になりつつあるため、引き続き人件費の抑制を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

職務給の原則に適合しない不適正な給与制度の運用(いわゆる「わたり」)を廃止し、平成28年度から職員の職責に応じた職務の級を決定し格付することとした職務給の徹底を図った。その結果、上記制度移行前の100.5から0.4ポイントのマイナスとなり、前年との比較では0.1ポイントのマイナスとなった。。今後も職員の格付け状況等を引き続き検証し必要な見直しを行うことにより、一層の給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成22年1月の市町村合併により職員数が増加し、類似団体の平均を上回ったが、平成22年度に独自に策定した第四次長野市定員適正化計画(平成22~平成26年度)の計画期間の削減目標30人に対し、38人の削減を達成した。その後の平成27~令和2の間に職員数は32人減少してきているところであり、今後も事務事業等の見直しを継続的に行い、本市の実情を考慮しつつ、市民サービスの低下を招くことのないよう、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

第一庁舎・芸術館建設及び第四学校給食センター等の元金償還の本格化、サンマリーンながの改修等の元金償還開始により、一般会計等における公債費(繰上償還及び借換除く)が増加したことから、令和2年度は前年度に比べ0.8ポイント上昇した。今後、東日本台風災害に係る起債や公共施設の老朽化対策に係る起債により、公債費の増加が見込まれるため、数値はやや増加する見込みである。これからは、事業の緊急度や優先性、必要性を十分に検討した上で、「選択と集中」を徹底することにより、公債費の縮減に努める。

将来負担比率の分析欄

令和2年度は、第一学校給食センター改築関連の市債の皆減や交付税措置される災害対策債の増に伴い将来負担額から控除される見込額の増により、前年度に比べて7.9ポイント減少している。今後とも、重要性や緊急性などを十分に踏まえながら施策を厳選し、地方債の借り入れに際しては償還時に地方交付税措置のある有利な地方債を活用するなど、将来負担が過度に上昇しないよう取り組んでいく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率が類似団体平均値を下回っており、これまで指定管理者制度の積極的な導入やPFIなど、民間活力の活用による職員数の抑制、時間外勤務手当の縮減などに努めてきたことによるものである。また、前年度との比較で経常収支比率が1.0ポイント上昇したのは、会計年度任用職員制度移行に伴う科目変更による増などにより、人件費における経常経費充当一般財源が10.6億円の増となったことが主な要因である。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率が類似施設と比較して高くなっているのは、業務の民間委託を推進してきたたことと、他の類似都市にない要因として、オリンピック開催に伴い建設した大型の競技施設の管理運営委託費が要因となっている。令和2年度は、会計年度任用職員制度移行に伴う臨時・嘱託職員賃金等の減により、前年度と比較して大幅に減少した。なお、類似都市平均と比較すると0.7ポイント上回っており、昨年度からの類似都市平均との差は縮まった。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率が類似団体平均値と比較して5.3ポイント下回っており、また前年度と比較すると0.9ポイント減少している。主に子ども等への福祉医療費及び生活保護受給者へ医療扶助の一般財源の減などが要因である。扶助費については、今後、少子化対策の充実や高齢者の増加、障害者(児)介護給付費・訓練等給付費等に要する費用などにより増加が見込まれることから、法定外事業の見直しなどに取り組んでいく。

その他の分析欄

その他の主なものは、介護保険特別会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計への繰出金であり、令和2年度は、類似団体との比較においては0.8ポイント低くなっている。今後は高齢化の進展に伴う保険給付費の増加などが見込まれることから、法定基準外の繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率が類似団体と比較して高くなっているのは、下水道事業における企業債償還額に対する補助金が多額になっていることが要因のひとつである。令和元年度に幼稚園・認定こども園施設型給付費の増加等により一時的に上昇したものの、平成28年度以降、下水道整備率の向上に伴い、事業の平準化が進み、減少傾向となっている。

公債費の分析欄

オリンピック開催時の多額の起債の償還が平成29年度に終了した一方で、第四学校給食センター建設、高機能消防指令システム・中央消防署整備事業等の償還開始により令和元年度は上昇したものの、令和2年度は第一学校給食センター改築関連の市債皆減等により、0.1ポイント減少したものである。今後、東日本台風災害に係る起債や公共施設の老朽化対策に係る起債により、公債費の増加が見込まれる。

公債費以外の分析欄

経常収支比率は、類似団体と比較して4.1ポイント下回っており、東日本台風災害関連事業に係る物件費等の経常経費充当一般財源の減により、前年度と比較して1.1ポイント減少している。今後、公共施設の長寿命化対策経費の増加が見込まれるため、施設の統廃合・複合化などを徹底し、事業の選択と集中など、経常的経費の抑制に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

教育費は、第一学校給食センター改修事業費の皆減に伴い減少したが、今後は小・中学校の長寿命化対策経費の増加が見込まれる。また、東日本台風災害関連事業に伴い、衛生費、農林水産業費及び災害復旧費は増加している。総務費及び商工費は、新型コロナ感染拡大に伴う特別定額給付金事業などの経済対策事業に伴い、大幅に増加している。なお、公債費については、サンマリーンながの等の大規模事業に係る起債の償還の本格化により増加している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

普通建設事業費(うち更新整備)の1人当たりのコストは、第一学校給食センター改修事業費の皆減等により減少した。今後は公共施設の長寿命化対策により、普通建設事業費(うち更新整備)の増加が見込まれる。また、物件費及び災害復旧事業費は、東日本台風災害関連事業に伴い、令和元年度以降、増加している。さらに、補助費等は、新型コロナ感染拡大に伴う特別定額給付金事業等の実施により、大幅に増加している。一方、扶助費の1人当たりのコストが類似都市を下回っているのは、生活保護の保護率が低いことが要因となっている。積立金の1人当たりのコストは、職員退職手当基金積立金の増などにより前年度から増加し、維持補修費の1人当たりのコストは、道路除雪費の増により増加している。なお、公債費については、サンマリーンながの等の大規模事業に係る起債の償還の本格化により増加している。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度決算において歳出は、新型コロナ感染拡大に伴う国の緊急経済対策である特別定額給付金などにより補助費等が501.6億円増加、また新型コロナ感染拡大に伴う中小企業振興資金融資の追加預託などにより、決算額は前年度比31.0%増となった。歳入は、新型コロナ感染拡大に伴う国の緊急経済対策である特別定額給付金や地方創生臨時交付金充当事業の増などにより国庫支出金が433.0億円の増加、また台風災害に伴う農業施設災害復旧に係る過年度補助金歳入による諸収入の増などにより、32.9%増となった。なお、財源不足を補填するための財政調整等基金からの繰入は、農業施設災害復旧に係る過年度の国庫補助金51億円が歳入となったことにより、財源が確保できたことから、取り崩しは実施しなかった。実質収支は前年度比42.3億円増の44.4億円を計上した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

一般会計、特別会計、企業会計において、実質収支額及び資金剰余額は黒字のため、連結実質赤字額は生じていない。一般会計については、今後も前年度と同程度の割合を維持していくように努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

公債費(元利償還金)については、平成25年度以降の第一庁舎・芸術館建設等の建設事業の進捗に伴い、建設事業債の発行が増加し、平成29年度以降、その元金償還が本格化したことから、上昇に転じた。また、令和元年度以降、長野広域連合が実施するごみ処理施設建設に係る負担金も増加していく。今後さらに、東日本台風災害に係る復旧・復興事業や公共施設の長寿命化対策等により上昇が見込まれる。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

地方債の現在高は、平成25年度以降の第一庁舎・芸術館建設等の建設事業の本格化に伴い増加しており、また、長野広域連合で実施しているごみ処理施設建設に伴う負担金の増加や、公共施設の長寿命化対策の進捗により、今後もさらに増加する見込みである。また、今後の社会保障関係経費や公債費等の経常的経費の増加により、財政調整基金等が減少する見込みであることから、将来負担比率の分子全体としては今後、増加する見込みである。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)基金残高は、ピーク時の平成4年度には602億円あったが、オリンピック関連施設や市民病院の整備などの財源として活用したことから、平成10年度には278億円まで減少した。その後、一時期には基金への積立てが可能となったものの、市税の伸び悩みや地方交付税の減少によって、基金の取崩しに依存した状態が続いていたが、プロジェクト事業の本格化に備え、新たに基金を造成するなど準備を進めてきた。平成27年度から令和元年度までは、財政調整基金の取崩額が積立額を上回り、目減り傾向が続いた。特に令和元年度は、東日本台風災害復旧国庫補助金の約51億円について、令和2年度歳入となる特殊要因が生じ、財政調整基金29億円余りを取崩し大幅に基金残高は減少した。その後、令和2年度は、同国庫補助金が歳入となったため取崩しを行わず、財政調整基金残高は増加に転じ、基金全体では、後年度における職員退職に備える職員退職手当基金の積み増し等により2.4億円の増となった。(今後の方針)国庫補助等の財源が見込めない単独事業や少子・高齢化の進行により年々増加する社会保障関連経費のほか、新型コロナウイルス感染症等の災害対策にも対応するため、歳出の見直しなど財政健全化への取り組みにより、財政調整基金の取り崩し額の圧縮を図り、他の目的基金についても、基金目的に沿った計画的な運用を図る。

財政調整基金

(増減理由)前年度決算剰余金1/2の1.1億円を積み立てる一方、当初53.5億円と見込んだ基金の取り崩しは、令和元年度の東日本台風災害復旧国庫補助金の約51億円が、令和2年度歳入となる特殊要因が生じたことから取り崩しを行わなかった。そのため、令和元年度末(残高134.1億)と比較すると、約1.2億円の増で基金残高は135.3億円余りとなった。(今後の方針)国庫補助等の財源が見込めない単独事業や少子・高齢化の進行により年々増加する社会保障関連経費のほか、新型コロナウイルス感染症等の災害対策にも対応するため、歳出の見直しなど財政健全化への取り組みにより、財政調整基金の取り崩し額の圧縮を図っていく。

減債基金

(増減理由)基金運用益277万円を積み立てた。(今後の方針)市債の償還及び市債の適正な管理に必要な財源を確保するため、適切に管理運用していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・リサイクル基金・職員退職手当基金・公共施設等総合管理基金外20基金(増減理由)・リサイクル基金資源化施設の改修経費へ充当・職員退職手当基金退職手当に備えた積み立て・公共施設等総合管理基金市有施設の老朽化対策に備え積み立て及び長寿命化改修経費へ充当(今後の方針)・職員退職手当基金今後増加が見込まれる退職手当に備え適切に積み立てる・公共施設等総合管理基金市有施設の老朽化対策のため適切に積み立て、必要な経費に対し充当する・その他一般財源の不足が見込まれることから、基金の目的に沿って適切に各事業に充当していく

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

(※令和02年度報告に誤りがあり、正しくは、65.0%になりますので、訂正させていただきます。申し訳ございませんでした。)有形固定資産減価償却率を算出する際の分子となる減価償却累計額は、単年度(令和2年度ベース)で約133億円程度増加している。この133億円は算出上の分母となる償却資産の取得価格の1.4%程度であるため、分母に変動が無かった場合の単純な前年度比較では、1.4ポイント程度増加することになる。その中で、1.0ポイントの増加にとどまったのは、朝陽小学校体育館及び中条交流センターなどの大規模工事が竣工し、市有施設やインフラの更新が進んだため。

債務償還比率の分析欄

平成26年度以降のプロジェクト事業(庁舎建設など)に伴う地方債現在高の増加が影響し、類似団体と比較し債務償還比率が高い傾向が続いたが、令和2年度は、令和元年東日本台風災害に係る災害対策債の発行に伴う基準財政需要額算入見込額の増加などにより充当可能財源が増加し、債務償還比率は令和元年度から減少した。引き続き、交付税措置のない市債発行を抑制していくよう努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率、将来負担比率ともに類似団体平均と比較して、高い状況にあり、有形固定資産減価償却率については、6年連続して上昇している。本市は類似団体に比べ有形固定資産の保有量が2割程度(金額換算で1,100億円)多いため、有形固定資産減価償却率への影響が出にくいといった特徴がある。類似団体平均より多くの公共施設等整備費支出をし市有施設等の更新を進めているが減価償却がそれを上回っているため、毎年上昇している。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と比較して高いものの、実質公債費比率は低くなっている。平成26年度以降、長野Uスタジアム、第一庁舎・芸術館建設、学校耐震化事業などのプロジェクト事業の市債発行により、将来負担比率が上昇傾向になっている。令和2年度は、令和元年東日本台風災害に係る災害対策債の発行に伴う基準財政需要額算入見込額の増加などにより将来負担比率が減少した。実質公債費比率は、長野オリンピック関係の市債償還が終わる平成29年度までは低下傾向だったが、前述のプロジェクト事業に伴う市債の元金償還が本格化したことから、平成30年度から比率が上昇傾向にある。今後も引き続き上昇することが見込まれるため、交付税措置のない市債発行を抑制していくよう努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】道路台帳整備前に築造された路線は、取得日(減価償却開始日)が不明であったため昭和52年を一律設定している。このため、有形固定資産減価償却率の分析(活用)には注意が必要である。市民一人当たり延長は類似団体内1位であるが、道路の性質上廃止や統廃合は困難であり、今後長寿命化や効率的な維持補修のあり方について検討が必要である。一昨年度には県施工の道路が市に移管されたため改善したが、前年度並びに今年度は更新より償却が進んだため、有形固定資産減価償却率が1.2%上昇した。【認定こども園・幼稚園・保育所】令和2年度は償却が更新を上回ったため、有形固定資産減価償却率が1.9%の上昇となった。築50年近い園舎が複数存在しており、有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にある。策定済みの個別施設計画に基づき、施設の維持管理を適切に進めており、耐震補強工事などの長寿命化計画的に行っている以外にも、他施設などとの多機能化・複合化を検討している。【公民館】前年度の篠ノ井交流センター(公民館)及び芹田公民館に続き、今年度は中条交流センター(公民館)が更新された。そのため、有形固定資産減価償却率は前年度4.2%、今年度1.7%の改善となり、類似団体平均と比較しても改善が進んでいることが分かる。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【体育館・プール】本市はオリンピック施設の影響等で一人当たり面積が類似団体内で3位と高い。公共施設マネジメント推進のため、老朽化が著しく、利用者の少ない体育館・屋内運動場施設については、今後の在り方を検討している。屋外プールについては統廃合を検討してきたが、令和4年度に城山市民プールを解体する方針が決まっており、解体工事が完了すれば有形固定資産減価償却率は改善される見込みである。【一般廃棄物処理施設】旧清掃センターを解体したため、有形固定資産減価償却率9.0%の改善がみられた。【庁舎】及び【福祉施設】公共施設マネジメントの取組みにより市有施設の複合化を進めており、総合市民センター(支所と公民館等の機能を集約した複合施設)が、令和元年度2ヶ所(篠ノ井・芹田)、令和2年度1ヶ所(中条)完成した。このため、【庁舎】は、篠ノ井、芹田の各支所の更新分が今年度償却開始となり、有形固定資産減価償却率を1.2%に押し上げている。また、【福祉施設】でも、昨年度更新した篠ノ井老人福祉センターの償却が始まったため、有形固定資産減価償却率が1.0%上昇している。【図書館】及び【消防施設】ともに有形固定資産減価償却率が70%を超えており、類似団体平均より高い数値である。【図書館】は、築40年が経過して老朽化が進んでいる南部図書館について、今後のあり方の検討を行っている。【消防施設】は、市内に6消防署12分署のほか消防団詰所、器具倉庫、車庫など関係施設の数量が多いため、更新の影響が出にくい。令和3年度に完了した鶴賀消防署豊野分署整備事業のほか、長沼分団詰所の集約化・複合化、芋井・中条の各分団詰所の改築など公共施設等総合管理計画に基づき実施することで数値の改善を見込む。見込む。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、総資産額が前年度から1,518百万円減少(△0.2%)、総負債額が275百万円増加(+0.1%)となった。資産については、立木竹の評価対象範囲の見直しに伴う4,671百万円増加、国庫支出金過年度収入等による現金預金の3,553百万円増加などがあったが、それを上回る減価償却累計額(△13,270百万円)の増加のため、資産総額では減少となっているもの。負債の増加のうち、最も金額が大きいものは退職手当引当金423百万円増加(+1.9%)である。・水道事業会計、下水道事業会計などを加えた全体会計では、総資産額が1,834百万円の減少(△0.2%)、総負債額が3,789百万円の減少(△1.0%)となり、資産・負債ともに減少した。・長野広域連合、長野市土地開発公社などを加えた連結会計では、長野広域連合のごみ焼却施設(ながの環境エネルギーセンター)新築などにより、総資産額が2,361百万円の増加(+0.2%)した。負債総額は2,984百万円の減少(△0.7%)となった。類似団体と比較すると、合併の経過から市域が広く、資産、負債ともに上位であることから、引き続き、公共施設マネジメント指針の基本的な考え方に基づく中長期的な取組みを推進していく必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等、全体、連結、すべての会計で純経常行政コスト、純行政コストともに、前年度よりコストが大幅に増加した。・一般会計等は、純経常行政コスト、純行政コストともに前年度比約34%の増加となった。経常費用は181,663百万円となり、前年比51,063百万円の増加(+39.1%)となったが、これは特別定額給付金給付事業や東日本台風災害の被災者支援事業等により補助金等が前年に比べ46,780百万円(+174.6%)と大幅に増加したためである。・全体会計では、経常費用が前年比24.3%増加、純経常行政コストが22.4%増加に対し、純行政コストは、前年比46,233百万円(+22.9%)の増加となった。・連結会計では、経常費用が前年比16.4%増加、純経常行政コストが15.7%増加に対し、純行政コストは、前年比41,040百万円(+16.5%)の増加となった。・本市が保有する資産が類似団体平均よりも多いことから、これに伴い発生する減価償却費が類似団体平均の約1.5倍となっているため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設総量の縮減と適正配置や計画的な長寿命化を進める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コスト(186,056百万円)が特別給付金事業や被災者支援事業などで前年より47,101百万円増加(+33.9%)したものの、税収等の財源(177,917百万円)も国県等補助金の大幅な増加等により48,575百万円増加(+37.6%)したため、本年度差額は△8,139百万円(△15.3%)となり、前年よりも差は圧縮した。純資産残高は456,854百万円となり、前年より1,794百万円の減少(▲0.4%)となった。・全体会計では、純行政コストが46,233百万円増加(+22.9%)し、税収等の財源も48,800百万円増加(+24.9%)したが、純行政コストが財源を上回ったため、本年度差額は△3,531百万円となり、純資産残高は前年から1,956百万円増加(+0.3%)の568,018百万円となった。・連結会計では、純行政コストが41,040百万円増加(+16.5%)したが、税収等の財源が47,174百万円増加(+19.4%)しコストを賄えたため、本年度差額は133百万円のプラスとなった。純資産残高は、前年度から5,344百万円増加(+0.9%)の592,999百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・資金収支計算書の各収支の状況について、『業務・投資・財務』の順に一般会計等は、『+・一・+』。全体は、『+・-・-』である。・一般会計等においては、業務活動収支は10,236百万円となり、前年から4,417百万円増加(+75.9%)した。コロナ対策関連、東日本台風災害関連の補助金等のため、支出も収入も大幅に増加したが、その他収入(国庫支出金過年度収入等)など収入の増加が大きかったため。・投資活動収支では、公共施設等整備費支出が前年度から5,715百万円減少(△37.9%)した一方、投資活動収入は、前年度並みであったため収支は△6,618百万円(前年比△33.3%)となった。財務活動収支は、地方債の発行が償還を上回ったためプラス148百万円となった。本年度末資金残高は、前年度から3,766百万円増加(+181.2%)の5,844百万円となった。・全体会計では、国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれること、水道料金等の使用料、手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より6,347百万円多い22,625百万円となっている。投資活動収支は、前年比1,894百万円増加の△14,096百万円、財務活動収支は△3,892百万円となり、本年度末資金残高は前年度から4,639百万円増加(+19.8%)し、28,097百万円となった。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均より16%(24万円)程度高く、多くの資産を保有していることが分かる。歳入額対資産比率は、前年から0.95年減少したが、これはコロナ対策及び台風災害関連の国・県からの補助金収入等が大幅に増加したことにより、分母が増加したためである。有形固定資産減価償却率も平均を上回っていることに加えて、値の上昇率も高いため、平均よりも老朽化が進んでいると考えられる。本市では、平成29年3月に策定した「公共施設等総合管理計「画」に基づき、施設全体の床面積を20年間で20%縮減することや計画的な点検・改修による長寿命化等に取り組んでいるが、平均よりも多くの古い資産を保有しているため、比率の減少につながりにくいと考えられる。引き続き、公共施設の量と質の最適化を図る必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

住民一人当たり資産・負債ともに類似団体平均を上回っており(当年度平均比:資産16%、負債13%)、人口に対する資産・負債の保有量は大きいことが分かるが、資産と負債の比率は純資産比率により、平均的であることが分かる。将来世代負担比率は、地方債残高が増え有形無形固定資産が減少したため前年より0.2%上昇した。類似団体平均より低く抑えられているが、本市は資産を多く保有しているため、そのことを考慮しながら、資産の量と質の適正化に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、資産保有量が他団体より多いことから、これにより発生する減価償却費や維持補修費が他団体より多いため、これまでも類似団体平均を上回ってきた。R02年度はコロナ対策関連事業等のため、類似団体平均値も大幅に上昇しているが、本市はさらにそれを上回り、前年比12.7万円増の49.7万円となった。これは、類似団体平均より4.3万円(9.5%)多い。R01年度から引き続き災害復旧事業費が多いため、行政コストが類似団体平均を上回る状況が続いている。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

資産の多さに比例し、負債も類似団体平均を上回っている。負債総額のうち86%程度を占める地方債残高は、160,516百万円であるが、このうち70%程度は将来において交付税措置されるものである。基礎的財政収支は、業務活動収支の黒字が増加し、投資活動収支の赤字が減少したため、プラス4,715百万円となり、類似団体平均を上回る黒字となった。投資活動収支は、公共施設整備費支出が減少したため赤字が5,418百万円減少したものであるが、業務活動収支の黒字の主な内容は、コロナ対策関連や被災者支援事業等の補助金等であり、R02年度特有の事例と考えられる。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、経常費用が前年比51,063百万円増(+39.1%)に対して、経常収益は8,389百万円増(+126.3%)となったため、8.3%となり、前年から3.2%上昇した。ただし、経常収益の増加は、国庫支出金過年度収入及びプレミアム商品券販売収入が主な要因でありR02年度特有の事例と考えられるため、次年度はR01年度並みに戻ると考えられる。引き続き「行政サービスの利用者の負担に関する基準」(H20年7月)に基づき、適正な利用者負担に努めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,