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地方財政ダッシュボード

長野県長野市の財政状況(2023年度)

🏠長野市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

平成15年度までは類似団体とほぼ同程度の数値であったが、平成17年及び平成22年の市町村合併を経て市域、人口が増加する一方、市税収入が伸び悩み、数値が悪化した。令和5年度は、所得環境の改善などにより市税が増加したものの、令和3年度の国税収入の増額補正に伴う普通交付税の追加交付が直近3年間の平均値に影響しており、0.01ポイントのマイナスとなった。今後も、市税の収納率の向上を図るとともに、公共施設の統廃合や長寿命化、事務事業の見直しを計画的に進め、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

令和4年度は、前年度に交付された普通交付税の臨時財政対策債償還基金費が皆減となり改善から悪化に転じたが、令和5年度は、補助費などへの経常的経費充当一般財源が増加したことにより、さらに1.2ポイント上昇し、令和元年度と同じく過去最高値の91.8%となった。類似団体の平均値からは、1.2ポイント下回った状態ではあるが、引き続き人件費、公債費、物件費などの経常経費の抑制に努めるとともに、市税の収納率向上のほか、未利用財産の貸付・売却、使用料など利用者負担の適正化を図り、経常収入の増加に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

令和5年度は、人件費において定年年齢引上げによる退職手当の減などにより、物件費において新型コロナウイルスワクチン接種委託料の減などによりそれぞれ減少したことから、人口1人当たりの人件費・物件費等は、前年度より101円の減となった。人口は減少傾向が顕著になりつつあるため、引き続き人件費、物件費などの経常的経費の抑制を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

職務給の原則に適合しない不適正な給与制度の運用(いわゆる「わたり」)を廃止し、平成28年度から職員の職責に応じた職務の級を決定し格付することとした職務給の徹底を図った。その結果、上記制度移行前の100.5から0.3ポイントのマイナスとなり、前年と指数に変化はなかった。今後も職員の格付状況等を引き続き検証し必要な見直しを行うことにより、一層の給与水準の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成22年の市町村合併により職員数が増加し、類似団体の平均を上回ったが、平成22年度に独自に策定した第四次長野市定員適正化計画(平成22~26年度)の計画期間の削減目標30人に対し、39人の削減を達成した。その後の平成27~令和5の間に職員数は12人減少してきているところであるが、定年引上期間中の令和5年度から14年度までの間は、原則として定年退職者が2年に一度しか生じないため、業務量等の変化や見通しを定年引上期間中の職員数の変化と連動させ、適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

東日本台風災害に伴う災害廃棄物等処理及び施設復旧に係る起債の元金償還の本格化や、交付税措置率の高い公債費の償還額の減少などにより、令和5年度は前年度に比べ0.3ポイント上昇した。今後、公共施設の老朽化対策に係る起債により、公債費の増加が見込まれるため、比率は増加が見込まれるものの、事業の緊急度や優先性、必要性を十分に検討した上で、「選択と集中」を徹底することにより、公債費の縮減に努める。

将来負担比率の分析欄

令和5年度は、交付税措置率の低い起債の新規発行を大幅に取りやめたことなどにより、前年度に比べ7.1ポイント減少している。今後とも、重要性や緊急性などを十分に踏まえながら施策を厳選し、地方債の借入れに際しては償還時に地方交付税措置のある有利な地方債を活用するなど、将来負担が過度に上昇しないよう取り組んでいく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

指定管理者制度の積極的な導入やPFIなど、民間活力の活用による職員数の抑制、時間外勤務手当の縮減などに努めてきたことにより、類似団体の平均値を下回っていたが、令和4年度は、退職手当の増などにより類似団体の平均値を上回った。令和5年度は、定年年齢引上げによる退職者の減に伴う退職手当の減などにより1.3ポイント減少し、類似団体の平均値を再び下回った。

物件費の分析欄

令和5年度は、放課後子ども総合プラン推進事業などに係る経費の増により、前年度と比較して0.4ポイント増加した。物件費に係る経常収支比率が類似団体と比較して高くなっているのは、業務の民間委託を推進してきたことと、他の類似都市にない要因として、オリンピック開催に伴い建設した大型の競技施設の管理運営委託費が要因となっている。

扶助費の分析欄

生活保護の保護率が低いことなどにより、扶助費に係る経常収支比率が類似団体の平均値と比較して6.1ポイント下回っている。また、物価高騰対策の給付金の増などにより、前年度と比較すると0.4ポイント増加している。今後、少子化対策の充実や高齢者の増加、障害者(児)介護給付費・訓練等給付費等に要する費用などにより増加が見込まれることから、法定外事業の見直しなどに取り組んでいく。

その他の分析欄

その他の主なものは、介護保険特別会計、国民健康保険特別会計、後期高齢者医療特別会計への繰出金であり、令和5年度は、類似団体の平均値と比較して1.4ポイント低くなっている。今後は高齢化の進展に伴う保険給付費の増加などが見込まれることから、法定基準外の繰出金の抑制に努める。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率が類似団体と比較して高い要因のひとつとして、下水道事業における企業債償還額に対する補助金が多額になっていることが挙げられるが、平成28年度以降、下水道整備率の向上に伴い事業の平準化が進んだことからほぼ横ばいとなっている。令和5年度は、ごみ処理施設建設に係る長野広域連合負担金の増などにより0.6ポイント増加している。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、令和4年度に街路事業等のインフラ系公共事業に係る元金償還の増により1.0ポイント増加した。令和5年度は、東日本台風災害に係る起債の元利償還の本格化による増などにより前年度と比較して0.5ポイント増加した。今後、公共施設の老朽化対策などに係る起債の元金償還を控えており、公債費の増加が見込まれる。

公債費以外の分析欄

公債費を除く経常収支比率は、ごみ処理施設建設に係る長野広域連合負担金の増などにより、前年度と比較して0.7ポイント増加しているが、類似団体の平均値と比較すると4.0ポイント下回っている。今後、公共施設の長寿命化対策経費の増加が見込まれるため、施設の統廃合・複合化などを徹底し、事業の選択と集中など、経常的経費の抑制に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

総務費は、住民一人当たり39,404円となっており、定年年齢引上げに伴う退職者の減による職員退職手当の減などにより減少している。民生費は、住民一人当たり171,301円となっており、物価高騰対策として実施した電力・ガス・食料品等重点支援給付金の増や出産・子育て応援交付金の増、子どもの体験・学び応援モデル事業の実施に伴う増などにより増加しているが、依然として類似団体より低い状況が続いている。商工費は、住民一人当たり25,972円となっており、コロナ経済対策のプレミアム付き商品券事業の終了に伴い大幅に減少している。土木費は、住民一人当たり47,360円となっており、ながのこども館整備事業の実施に伴い増加している。教育費は、住民一人当たり45,126円となっており、豊野防災交流センター整備事業や教育支援センター(SaSaLAND)設置事業の実施、社会体育館や小・中学校校舎の長寿命化改修事業費の増により増加している、今後も長寿命化対策経費については増加が見込まれる。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

扶助費は、住民一人当たり99,873円となっており、前年度から増加した要因として、物価高騰対策として実施した電力・ガス・食料品等重点支援給付金の増などが挙げられる。補助費等は、住民一人当たり53,626円となっており、コロナ経済対策のプレミアム付き商品券事業や物価高騰対策の建設・製造・運送業対象原油価格高騰対策特別支援事業の終了に伴い、令和5年度は減少している。普通建設事業費は、住民一人当たり43,703円となっており、ながのこども館や豊野防災交流センターの整備事業の実施、社会体育館や小・中学校校舎の長寿命化改修事業の増により、令和5年度は増加している。今後は、公共施設の長寿命化対策の本格的な実施により、普通建設事業費(うち更新整備)の更なる増加が見込まれる。災害復旧事業費は、住民一人当たり3,919円となっており、令和5年度は東日本台風災害関連である保育所災害復旧事業が完了したが、大雨による道路施設災害復旧事業の増により増加しており、依然として全国平均に比べて高くなっている。公債費は、東日本台風災害復旧事業に係る起債の元金償還の本格化などにより増加している。また、積立金は、臨時財政対策債償還基金費の積立てによる減債基金積立金の増により同じく増加している。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金残高は、令和2年度以降、取崩額が積立額を下回る状況が続いたことで増加に転じている。令和5年度は、前年度決算剰余金の処分等として19.1億円を積み立てた一方、除雪等に係る一般財源が不足したことにより17億円を取り崩したため、残高は前年度比で若干増加となっている。また、実質単年度収支は赤字となっているものの、健全な行財政運営を着実に進めており、実質収支額は継続的に黒字を確保している。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

一般会計、特別会計、企業会計において、実質収支額及び資金剰余額は黒字のため、連結実質赤字額は生じていない。一般会計については、今後も前年度と同程度の割合を維持していくように努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

公債費(元利償還金)については、第一庁舎・芸術館建設等の建設事業に係る市債の元金償還が本格化したことから平成30年度以降は上昇に転じ、令和5年度には、東日本台風災害に伴う復旧事業等に係る起債の元利償還も本格化したことからさらに上昇している。また、令和元年度以降、長野広域連合が実施するごみ処理施設建設に係る負担金も増加している。今後は、大型建設事業に係る市債借入の償還終了等が見込まれる一方、公共施設の長寿命化対策等により元利償還金の上昇が見込まれる。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

地方債の現在高は、交付税措置率の低い起債の新規発行を大幅に取りやめたことや過去の大型事業に係る市債借入の償還終了などにより令和3年度以降は減少に転じている。一方、公共施設の長寿命化対策や令和10年の国民スポーツ大会開催に向けた施設整備等により、令和7年度には再度増加に転ずる見込みである。また、今後の社会保障関係経費や公債費等の経常的経費の増加により、財政調整基金等が減少する見込みであることから、将来負担比率の分子全体としては、今後増加する見込みである。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)基金残高は、ピーク時の平成4年度には602億円あったが、オリンピック関連施設や市民病院の整備等の財源として活用したことから、平成10年度には279億円まで減少した。その後、一時的には基金への積立が可能となったものの、市税の伸び悩みや地方交付税の減少によって、基金の取り崩しに依存した状態が続いていたが、プロジェクト事業の本格化に備え、新たに基金を造成するなど準備を進めてきた。平成27年度以降、財政調整基金の取崩額が積立額を上回る状況が続き、目減り傾向が続いたが、令和2年度からは取崩額が積立額を下回り、残高は増加に転じている。令和5年度は前年度決算剰余金の処分等として財政調整基金に19.1億円を積み立てた一方、除雪等に係る一般財源が不足したことにより、財政調整基金から17億円を取り崩した。また、令和6・7年度における臨時財政対策債の元利償還金の一部を償還するための「臨時財政対策債償還基金費」等として、減債基金に4.7億円を積み立てた。このほか、令和7年度以降財政需要が増える施設長寿命化改修に備えるため、公共施設等総合管理基金に2.4億円を積み立てたこと等により、基金全体では、9.7億円の増となった。(今後の方針)国庫補助等の財源が見込めない単独事業や少子・高齢化の進行により年々増加する社会保障関係経費等に対応するため、歳出の見直しなど財政健全化への取組により、財政調整基金の取崩額圧縮を図り、その他特定目的基金についても、基金目的に沿った計画的な運用を図る。

財政調整基金

(増減理由)前年度決算剰余金の処分等として19.1億円を積み立てた一方、除雪等に係る一般財源が不足したことにより、17億円を取り崩した。これらにより、令和4年度末(残高178.0億円)と比較すると約2.1億円増で基金残高は180.1億円となった。(今後の方針)国庫補助等の財源が見込めない単独事業や少子・高齢化の進行により年々増加する社会保障関係経費などに対応するため、歳出の見直しなど財政健全化への取組により、取崩額の圧縮を図る。

減債基金

(増減理由)令和6・7年度における臨時財政対策債の元利償還金の一部を償還するための「臨時財政対策債償還基金費」等として4.7億円を積み立てた一方、令和元年東日本台風災害に係る災害復旧事業債の償還に充てるため、0.4億円を取り崩した。これらにより、令和4年度末(残高75.1億円)と比較すると約4.3億円増で基金残高は79.4億円となった。(今後の方針)市債の償還及び市債の適正な管理に必要な財源を確保するため、適切に管理運用していく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・職員退職手当基金:職員の退職手当の支払い・公共施設等総合管理基金:公共施設等の長寿命化に関する事業の推進並びに公共施設等の計画的な更新及び活用(増減理由)・公共施設等総合管理基金:公共施設等の長寿命化対策を着実に進めていくための積み立てによる増(+2.1億円)・地域振興基金:豊野防災交流センター整備等に係る財源として活用するための取り崩しによる減(-2.0億円)(今後の方針)・職員退職手当基金:今後増加が見込まれる退職手当に備え、適切に積み立てる。・公共施設等総合管理基金:公共施設等の長寿命化改修を計画的に進めるため、適切に積み立て、必要な経費に充当する。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率を算出する際の分子となる減価償却累計額は、単年度(令和5年度ベース)で約171億円程度増加している。この171億円は算出上の分母となる償却資産の取得価格の1.8%程度であるため、分母に変動が無かった場合の単純な前年度比較では、1.8ポイント程度増加することになる。その中で、1.7ポイントの増加にとどまったのは、新規資産の取得や、市有施設やインフラの更新を行っていることによるものである。

債務償還比率の分析欄

平成26年度以降のプロジェクト事業(庁舎建設など)に伴う地方債現在高の増加が影響し、類似団体と比較し債務償還比率が高い傾向が続いたが、交付税措置率の低い市債の新規発行を取りやめたことなどにより、将来負担額は減少傾向であり、令和5年度は類似団体の平均よりも低い比率となった。今後また増加に転じる可能性もあることから、引き続き事業の厳選を行いながら、交付税措置率の低い市債の新規発行抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有形固定資産減価償却率、将来負担比率ともに類似団体平均と比較して高い状況にある。有形固定資産減価償却率については、H27年度から9年連続で増加しており、増加率も平均より高くなっている。本市は類似団体に比べ有形固定資産の保有量が1割以上多いため、有形固定資産減価償却率への影響が出にくいといった特徴があり、市有施設等の更新を進めているが減価償却がそれを上回っているため、毎年上昇している。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体と比較して高く、実質公債費比率は低い状況が続いていたが、令和5年度は実質公債費比率が平均と同値になった。将来負担比率については、平成26年度以降、長野Uスタジアム整備、第一庁舎・芸術館建設、学校耐震化事業などのプロジェクト事業の市債発行により上昇傾向にあったが、交付税措置される市債の増により将来負担額から控除される見込額が増加したこと及び市債の新規発行額の減により、令和2年度以降は減少に転じている。実質公債費比率については、オリンピック関係の市債償還が終わる平成29年度までは減少傾向だったが、前述のプロジェクト事業に伴う市債の元金償還が本格化したことから、平成30年度から上昇傾向にある。今後も引き続き上昇することが見込まれるため、交付税措置率の低い市債の新規発行抑制に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

【道路】道路台帳整備前に築造された路線は、取得日(減価償却開始日)が不明であったため昭和52年を一律設定している。このため、有形固定資産減価償却率の分析(活用)には注意が必要である。市民一人当たり延長は類似団体内2位であるが、道路の性質上廃止や統廃合は困難であり、今後長寿命化や効率的な維持補修のあり方について検討が必要である。今年度は更新より償却が進んだため、有形固定資産減価償却率は1.6%上昇した。【公営住宅】有形固定資産減価償却率は上昇傾向であるが、建物をより長く使えるように計画的に長寿命化工事を進めている。令和5年度には返目団地26-1号棟等の市営住宅の解体を行ったが、前年度の増築工事等の減価償却が開始されたため、有形固定資産減価償却率は1.8%増加した。【認定こども園・幼稚園・保育所】築50年近い園舎が複数存在しており、有形固定資産減価償却率は類似団体より高い水準にあるが、長沼保育園の新築等により有形固定資産減価償却率は1.3%減少した。【公民館】類似団体と比較し、一人当たりの面積が大きく保有量が多い状況であるため、施設の配置や規模を見直し、他の施設への機能移転などによる再編を検討している。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

【図書館】有形固定資産減価償却率が80%を超えており、類似団体と比較し高い数値である。令和5年度は築45年以上が経過して老朽化が進んでいる南部図書館について耐震補強等の長寿命化工事を実施しているが、有形固定資産減価償却率は2.3%増加した。【体育館・プール】オリンピック施設の影響等で一人当たり面積が類似団体内で5位となっており施設量が多いことから、体育館については、類似施設の配置状況を考慮し、市民ニーズや利用状況に応じて集約を検討していく。【一般廃棄物処理施設】上記の表の令和5年度の数値が誤っており、正しくは、令和5年度の有形固定資産減価償却率は41.4%、一人当たり有形固定資産(償却資産)額は123,603円となっている。【消防施設】有形固定資産減価償却率が80%近く、類似団体平均より高い数値である。市内に6消防署12分署のほか消防団詰所、器具倉庫、車庫など関係施設の数量が多いため、更新の影響が出にくくなっている。令和5年度は七二会分署の長寿命化工事を実施した。今後も公共施設等総合管理計画に基づき長寿命化工事を実施していく。【庁舎】公共施設マネジメントの取組みにより、総合市民センター(支所と公民館等の機能を集約した複合施設)化を進めている。令和5年度は建替えのため芋井支所を解体をしたが、施設の更新よりも減価償却が進んだため、有形固定資産償却率は2.5%上昇している。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

・一般会計等においては、総資産額が前年度から14,221百万円減少(△2.2%)、総負債額が6,951百万円減少(△4.0%)となった。・資産については、道路の改良工事や長沼保育園の新築などの新規資産の取得や老人福祉センター等の長寿命化工事に伴う建設仮勘定の増加があるものの、それを上回る減価償却により資産総額では減少となった。負債については、公共事業等債や臨時財政対策債などの減少により、市債の発行が減少し、借入を上回る償還を行ったことにより地方債残高が減少した。・水道事業会計、下水道事業会計などを加えた全体会計では、総資産額が15,986百万円の減少(△1.7%)、総負債額が11,860百万円の減少(△3.3%)となり、資産・負債ともに減少した。・長野広域連合、長野市土地開発公社などを加えた連結会計では、総資産額が17,399百万円の減少(△1.8%)、総負債総額が12,805百万円の減少(△3.3%)となり資産・負債ともに減少した。・類似団体と比較すると、合併の経過から市域が広く、資産、負債の額はともに上位であることから、引き続き、公共施設マネジメント指針の基本的な考え方に基づく中長期的な取組みを推進していく必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

・一般会計等、全体、連結、すべての会計で純経常行政コスト、純行政コストともに前年度と比較し微増している。これは電力・ガス食料品等価格高騰に対する給付が増加したことが主な要因である。・一般会計等では、経常費用については145,515百万円となり、前年度比4,517百万円(△3.0%)の減少となった。経常収益は6,525百万円(△52.7%)の減少となった。これらは前年度実施した、プレミアム付き商品券の換金による補助金等の支出が減少し、商品券の販売による収入が減少したことが主な要因である。・全体会計では、経常費用が前年比2.0%減少に対し純経常行政コストが1.2%増加に、純行政コストは、前年比2,409百万円(1.2%)の増加となった。・連結会計では、経常費用が前年比0.9%減少に対し純経常行政コストが1.8%増加に、純行政コストは、前年比4,309百万円(1.7%)の増加となった。・本市が保有する資産が類似団体平均よりも多いことから、これに伴い発生する減価償却費が類似団体平均の約1.5倍となっているため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設総量の縮減と適正配置や計画的な長寿命化を進める必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

・一般会計等においては、純行政コスト(141,301百万円)が税収等の財源(139,988百万円)を上回ったことから、本年度差額は△1,313百万円(前年度比△1,479百万円)となった。これは、国県等補助金が3.5%(△1,450百万円)減少したこと等によるもの。これにより純資産残高は前年度より△7,271百万円(1.6%)の減少となった。・全体会計では、純行政コストが2,409百万円増加(1.2%)し、税収等の財源は239百万円増加(0.1%)した。財源でコストを賄えたため、本年度差額は1,741百万円のプラスとなったが、純資産残高は前年から4,126百万円減少し(△0.7%)の574,884百万円となった。・連結会計では、純行政コストが4,309百万円増加(1.7%)し、税収等の増加により財源は1,780百万円増加(0.7%)した。財源でコストを賄えたため、本年度差額は、1,812百万円のプラスとなったが、純資産残高は前年度から4,594百万円減少(△0.8%)の600,642百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・一般会計等においては、業務活動収支は、税収等の増加により、前年より2,171百万円(14.0%)の増加となった。・投資活動収支は、中小企業振興資金貸付原資の預託支出が減少したが、国県等補助金収入が減少し、前年度から1,670百万円(23.4%)減少の△8,816百万円となった。・財務活動収支は、前年度から470百万円増加の△8,278百万円となった。市債の発行を最小限にとどめたことにより、市債の償還が新規の発行を上回っている。・本年度末資金残高は、前年度から627百万円増加(11.3%)の6,179百万円となった。・全体会計では、国民健康保険料や介護保険料が税収等に含まれること、水道料金等の使用料、手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より9,342百万円多い27,063百万円となっている。投資活動収支は、△14,158百万円、財務活動収支は△12,341百万円となり、本年度末資金残高は前年度から564百万円減少(1.9%)の29,815百万円となった。・一般会計、全体会計共に、行政サービス提供のためのコストを税収等で賄えており、公共施設の整備を行いつつも市債の償還を進められている状況と言える。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均より12.5%(18.8万円)程度高く、多くの資産を保有していることが分かる。歳入額対資産比率については、保有する資産が多いことから類似団体の平均を上回っている。前年度実施した、プレミアム付き商品券の販売収入が減少したため、歳入額対資産比率は0.03年増加の3.64年となった。有形固定資産減価償却率は平均を上回っていることに加えて、値の上昇率も高いため、平均よりも老朽化が進んでいると考えられる。本市では、平成29年3月に策定した「公共施設等総合管理「計画」に基づき、施設全体の床面積を20年間で20%縮減することや計画的な点検改修による長寿命化等に取り組んでいるが、平均よりも多くの古い資産を保有しているため、比率の減少につながりにくいと考えられる。引き続公共施設の量と質の最適化を図る必要がある。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

住民一人当たり資産負債ともに類似団体平均を上回っており(中核市平均比で資産+12.5%、負債+5.5%)、人口に対する資産・負債の保有量は大きいことが分かるが、資産と負債の比率については、純資産比率により、ほぼ平均的であることが分かる。将来世代負担比率は、地方債残高が大幅に減少したため、前年より0.3%減少した。類似団体平均より低く抑えられているが、本市は資産を多く保有しているため、そのことを考慮しながら、資産の量と質の適正化に努める必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、今年度は前年から0.9万円増の38.7万円となった。これは電力・ガス食料品等価格高騰に対する給付が増加し、純行政コストが増加したことによる。中核市平均を0.2万円下回っているが、本市は資産保有量が他団体より多いことから、発生する減価償却費が他団体より多いため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設総量の縮減と適正配置や計画的な長寿命化を進める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

資産の多さに比例し、負債も類似団体平均を上回っている。負債総額のうち83%程度を占める地方債残高は、139,362百万円であるが、このうち7割程度は将来において交付税措置されるものである。基礎的財政収支は、業務活動収支は黒字が増加し、投資活動収支は赤字が増加したが、プラス10,427百万円となり、類似団体平均を大きく上回る黒字となっている。業務活動収支は、税収等の増加により、支出が収入を下回り18,272百万円の黒字になったものである。投資活動収支については、中小企業振興資金貸付金原資の預託金の減少により貸出金支出が減少したが、施設整備費が前年より増加し、国県等補助金収入が減少したことにより、赤字が2,791百万円増加した。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、経常費用が前年比4,517百万円減(△3.0%)となり、経常収益も6,525百万円減(△52.7%)となったため、4.0%となり、前年から4.3%減少した。これは、前年度に実施された「ながのビッグプレミアム「商品券」により収益費用共に一時的に増加していたものが減少したためである。引き続き「行政サービスの利用者の負担に関する基準」(H20年7月)に基づき、適正な利用者負担に努めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,