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地方財政ダッシュボード

富山県朝日町の財政状況(2019年度)

🏠朝日町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 あさひ総合病院


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は前年度と同様、類似団体平均を下回り低迷が続いている。人口減少や高齢化、長引く景気低迷により個人住民税や法人税の減収が影響しているものと考えられる。緊急度や重要性を鑑み必要な事業を峻別することで、投資的経費を抑制するなど、歳出の見直しを図る一方、引き続き税の徴収強化を図り、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

平成28年度より類似団体平均を上回り、上昇傾向にあった経常収支比率は、令和元年度94.5%と若干抑えられたものの、引き続き高い値を示している。大型公共施設の建設が相次ぎ、地方債の新規発行額が増えたことによる公債費の増大が要因であり、財政の硬直化が課題となっている。公共施設等の建設が一旦終了することから、地方債の発行額も逓減していく見込みであるが、常に財政シミュレーションを行いながら、事務事業の優先度を厳しく見極めつつ、今後も健全財政を維持していきたい。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、人件費が影響していると分析している。人件費については、移住定住対策の推進により地域おこし協力隊を増員したことも一因と考えられる。また維持補修費も類似団体平均を上回っているが、公共施設の修繕については、緊急度を見ながら優先すべき施設を選定しており、予算の平準化を行っている。定員管理の徹底等や、公共施設のあり方や公共施設等総合管理計画に基づき、引き続きコストの低減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は93.8を示し、類似団体平均を下回っている。理由としては、経験年数が長い職員が退職、または再任用となったことにより職員構成が変動し、数値が下がったものと分析している。定員管理の徹底とともに、今後も適正な給与体系に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は13.19人であり、類似団体平均を上回っているが、施設管理や窓口業務に会計年度任用職員の配置や一部業務の民間委託も行っており今後も適正な定員管理に努める。

実質公債費比率の分析欄

上昇傾向にあった実質公債費比率は、前年度と同数値で抑えられた。地方債の新規発行の抑制に努めたことが影響したものと考える。しかし、類似団体平均を大きく上回っており、この後も武道館建設事業、屋内グラウンド建設事業などの施設整備事業に伴う償還が始まることから、公債費は令和7年度頃まで上昇し続け、その後下降していくものと推測している。引き続き地方債の新規発行額の抑制に努め、起債をする場合は交付税措置のある有利な起債を選択するとともに、償還額の平準化を図り、実質公債費比率の急激な上昇を防ぐ。

将来負担比率の分析欄

平成30年度から地方債現在高の増嵩により数値が表れ始めた将来負担比率であるが、令和元年度は21.5%と多少改善された。平成5年度起債のさみさと小学校建設事業(義務教育施設整備事業債)などの償還が終了したことから、地方債残高が減少したためと分析している。大型公共施設整備等により地方債残高がしばらく高額で推移することに加え、財政調整基金や減債基金などの充当可能財源も逓減していくと予想され、将来負担比率は令和3、4年度あたりまで数値が表れると見込んでいる。財政シミュレーションを随時行いながら、事業実施の適正化を図り、引き続き財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は23.0%を示し、前年度より0.6ポイント増、類似団体平均を若干上回っている状況である。職員給の増に加え、地域おこし協力隊の増員が要因と考えられる。上昇傾向にあるため、引き続き給与の適正化を図るとともに、事務事業の見直しなどにより、組織の合理化・効率化に努め、人件費の逓減を図っていく。

物件費の分析欄

物件費については少しずつ下降傾向にあるが、各施設の指定管理料は年々増えている状況であり、指定管理の見直し・検討が必要と考えている。現行の水準を維持していくよう、効率的な財政運営に努める。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均を下回っており、横ばいに推移している。少子化による影響により、今後扶助費の経常収支比率は逓減していくものと予想されるが、今後も適正な水準の維持に努める。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率は類似団体平均値を若干上回っている。繰出金の経常収支比率は、前年度比0.1ポイントと若干の増であり、簡易水道や下水道事業への繰出金の増によるものである。今後も基準外繰出が発生しないように受益者負担の適正化に努めつつ、効率的な運営を行っていく。維持補修費は、除排雪経費の減により前年度比0.3ポイント減となったものの、施設の老朽化も見受けられるため、個別修繕計画に基づき修繕費の平準化を図っていく。

補助費等の分析欄

前年度より0.3ポイント低くなったものの、補助費等に係るものは類似団体平均を上回っている。平成29年度からスタートしたおうちで子育て応援事業や有害鳥獣対策としての耐雪型侵入防止柵設置に対する補助、令和元年度始まった富山大学附属病院との寄附講座開設等が影響していると分析する。各種団体等への補助金についても、各団体の決算状況や補助金の効果等を見極め、適正な補助制度のあり方を検討していく。

公債費の分析欄

近年大型公共施設の整備が続き、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を大きく上回り、上昇傾向にある。この後も過疎債や臨時財政対策債などの償還により公債費の占める割合は高いと推測している。実質公債費比率も令和7年度をピークに上昇していくと見込んでおり、引き続き交付税措置のある有利な地方債を選択するとともに、新規発行額の抑制に努めていく。また、低利への借換えや繰上償還も検討し、将来負担の軽減を図る。

公債費以外の分析欄

公債費を除いた経常収支比率は、前年度同様類似団体平均と比較してほぼ同水準を示しており、公債費が経常収支比率を上昇させているポイントであることがわかる。さらに財政の硬直化を招かないように計画的な財政運営に努めていく。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

前年度、類似団体の中で最高位となった商工費は、二大景勝地である「ヒスイ海岸」にヒスイテラスの建設、「あさひ舟川春の四重奏」に駐車場整備が完了したことで、住民一人当たりのコストが下がったものの、類似団体の平均を大きく上回っている状況にある。教育費は、武道館や屋内グラウンド整備といった、大型公共施設の整備が終了し、平均水準に収まった。衛生費の数値が類似団体平均を大きく上回っているのは、企業債償還金の一部を繰上償還したことによる病院事業会計への繰出金の増が影響しているものである。公債費の数値も逓増しており、引き続き地方債の新規発行額の抑制に努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

武道館や屋内グラウンド、ヒスイ海岸周辺整備などの大型公共施設の建設が終了し、公共施設等の建設が落ち着いたことから、前年度類似団体平均を上回っていた普通建設事業費の住民一人当たりのコストは77,696円と抑えられた。公債費の住民一人当たりのコストは89,796円と、平成26年度から年々上昇しており、大型公共施設建設事業の償還が今後重なることから、今後も増えることが見込まれる。起債については、事業の必要性や重要性・緊急性を厳格に判断し、財政シミュレーションを考慮しながら、新規発行額の抑制に努める。また、交付税措置のある有利な起債を選択するとともに、繰上償還や基金の活用を行う。また、投資及び出資金が住民一人当たりのコストが55,305円と前年度から急激に跳ね上がり、類似団体内順位のトップとなった。これは、企業債元金の繰上償還のため、病院への繰出金が一時的に増えたことによるものであり、次年度は下がると推測している。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

標準財政規模に対する実質収支額の割合(実質収支比率)は毎年6~9%台を維持し、黒字となっているものの、実質単年度収支額の割合(実質単年度収支比率)についてはH27年度からマイナスとなっている。財政調整基金の取崩額が年々増えていることが影響している。この後も財政調整基金は減少するものと予想しており、最低限の取崩しに抑え、一定の残高を維持しながら、あわせて適切な税源の確保と歳出の精査を図っていく必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

すべての会計において赤字は発生していない状況であるが、病院事業会計の標準財政規模比は5.21ポイント減少し、予算規模が大きいことから黒字額全体を減らす要因となった。H30年度に病院改修工事が完了しR元年度からは患者数の回復や富山大学附属病院寄附講座開設により内科医師が2名常駐したことで診療体制の拡充につながったものの、在宅介護支援センターを病院内に移設したことによる事業費用の増並びに特別損失の増が生じたためと考える。公営企業会計の経営も注視しつつ、今後も引き続き健全経営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

武道館や屋内グラウンド、ヒスイテラス建設に伴う地方債の償還が重なるため、普通会計の元利償還金や公営企業債の元利償還に対する繰入金は高い比率で推移すると見込んでいる。引き続きこうした状況が続き、実質公債費比率はR7年度をピークに17%近くまで上昇し、その後は下降していくものとシミュレーションを描いている。急激な悪化を招かないように、事業を取捨選択しながら、新規に起債を発行する際は、交付税措置がある有利なものを選択しながら、計画的に財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

一般会計等における地方債の現在高並びに公営企業債等繰入見込額が減少したことにより、将来負担額は前年度より若干抑えられたものの、充当可能財源等を上回っている状況である。充当可能財源である基金も逓減していることに加えて、武道館建設事業や屋内グラウンド建設事業、舟川桜並木周辺活性化事業、ヒスイ海岸周辺整備事業等の地方債現在高がしばらく高い値で推移するため、将来負担比率はR3、4年度頃まで数値が表れるものと推測している。後世への負担を少しでも軽減するよう、財政シミュレーションを随時行いながら、事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、前年度比-543百万円、-9.2%の減となった。町財政としては依存財源に頼った財政運営となっており、基金を活用することにより財源不足を補っていることが全体的な基金残高の減要因となっている。取崩しの多くは財政調整基金と減債基金であり、大型施設整備事業の実施が集中し、その経費並びにそれに係る地方債借入れ分の元金償還が開始されたことによって一般財源の充当額を年々増加させる要因となっている。(今後の方針)近年大型施設等整備事業が集中したことによる地方債発行額の増により、実質公債費比率が上昇傾向となっている。起債の抑制を図りながらも、ある程度の事業を実施していく上で今後も基金については有効に活用していく。また近年の地方債発行額の増により、後年度の償還額の負担が大きくなることが予想されるため、一定程度の基金積立を維持し、町の将来を見据えた財政運営・管理を実施していきたい。H29に基金の再編を行ったことにより、特定目的基金についてはさらに有効に活用できるものになったと考える。地方創生の推進に資する事業や近年増加傾向にある公共施設等の改修及び修繕や人口減対策など、町の安定財源として必要な事業に活用していきたい。

財政調整基金

(増減理由)対前年度比-173百万円、-10.4%となっている。例年一般会計の歳出に対する歳入の財源不足を補うものとして繰り入れており、財源不足を補うため有効に活用している。(今後の方針)引き続き、町財政の調整を図り、年度間の歳入不足に対応するために活用する。なお、過去の取崩額の推移や決算状況等を踏まえ、基金残高の目標額を定め、過度な積立てにならないように管理・運営を行っていく。また、災害等の緊急的に要する経費に対しても充当することとする。

減債基金

(増減理由)全体的に元利償還額が増加しているなか、その増加傾向にある元利償還に対する繰入金として減債基金を取り崩して充当しているが、令和元年度はあさひ総合病院の企業債の繰上償還に対する繰出金に充当したため、令和元年度の基金残高は対前年度比-299百万円、-18.5%と大きく減少した。(今後の方針)将来の財政の健全な運営に資していくため、財政調整基金と同様に過度な積立てにならないよう町債償還に必要な財源を確保していく。武道館、屋内グラウンド等の大型施設整備事業が集中し、償還が開始することを見据えながら、今後の基金残高の管理を行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)・未来創生推進基金…地域の活性化その他の地方創生の推進に資する事業、町民が生涯健康で活躍できるまちづくりに資する事業に充当・公共施設整備等基金…公共施設の計画的な整備のための事業に充当・企業立地促進基金…用地造成、補助金、貸付金等の産業の振興及び雇用の拡大につなげる企業立地奨励事業に充当(増減理由)・未来創生推進基金…おうちで子育て応援事業や中学校給食費無償化事業等へ基金を取り崩して充当したことによる減・公共施設整備等基金…らくち~のやアゼリアホールの屋上防水工事等に基金を取り崩して充当したことによる減・企業立地促進基金…草野工業団地への将来的な企業誘致のための基金積み立てによる増(今後の方針)・未来創生推進基金…医療体制推進のための寄附講座や学校給食費無償化事業等へ充当を予定・公共施設整備等基金…公共施設等総合管理計画に基づく公共施設の改修及び除却等の事業への充当を予定・企業立地促進基金…企業誘致等の企業立地奨励事業への充当を予定

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体と比較し、有形固定資産減価償却率が低い。公共施設の新設や更新等により比較的新しい資産が多いことが原因と考えられる。一方、老朽化が進んでいる公共施設もあり、今後の維持修繕費の増加が懸念されることから、公共施設等総合管理計画に基づき、優先度に応じた計画的な維持管理に努めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

類似団体平均よりも数値が高く、また平成30と比較しても若干上昇している。平成22に過疎地域に指定されて以来、過疎債の発行により地方債残高が増加していることに加え、充当可能基金が減っていることが要因である。大型事業が平成30年度に終了したことから、今後、新規の起債の抑制に努めることで、地方債残高は逓減していき、債務償還比率も低くなるものと見込んでいる。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は類似団体内平均値と同程度と改善したが、有形固定資産減価償却率については比較的新しい施設が多いため、類似団体内平均値よりも低い傾向にある。地方債残高はしばらく高額で推移すると見込んでいるが、新たな起債の抑制に努めることにより地方債の現在高が減少し、将来負担比率が減少するものと思われる。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

H28年度までは実質公債費比率及び将来負担比率は類似団体内の平均値を下回っていたが、これ以降は武道館建設、屋内グラウンド建設、舟川桜並木整備、ヒスイ海岸周辺整備事業などの大型事業が集中したことで地方債の残高が増え、類似団体との差がグラフ上で顕著に表れている。起債抑制により、昨年と比較して将来負担比率が減少したが、地方債の償還が令和5年度にピークを迎えることから、実質公債費比率は令和7年度に最も高くなると見込んでいる。財政シミュレーションを重ねながら、できるだけ将来への負担が少なくなるよう、公債費の適正化に取り組んでいく。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの施設において、「有形固定資産減価償却率」及び「一人当たり面積」が類似団体内平均値とほぼ同水準か下回っている。個別修繕計画に基づき、修繕費の平準化を図りながら、施設の長寿命化に取り組みたい。一方、保育所・公民館の「一人当たり面積」が上回っている状況であり、人口が減少する中で、維持管理に係る経費の増加が懸念されることから、人口規模に適した公共施設のあり方を検討していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

体育館・プールの一人当たりの面積が類似団体内で最も高い。有形固定資産減価償却率は低く推移しているが、人口減少とともに将来的に大きな負担とならないよう、適正な維持管理に努める必要がある。保健センターの有形固定資産減価償却率が類似団体と比べて高くなっており、修繕費をはじめとした経費の増加に留意しつつ、施設の維持管理に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,