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地方財政ダッシュボード

岩手県一戸町の財政状況(2019年度)

🏠一戸町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2019年度)

財政力指数の分析欄

分子となる基準財政収入額が、風力発電関連のの固定資産(償却資産)の増加により税収が増え、その増加が財政力指数の改善に寄与した。しかし、町民税については人口減少や全国平均を上回る高齢化(令和元年度41.0%)による影響や、固定資産税についてはその大部分を占める償却資産の減価償却が進むことから新たな投資がなければ減収していくことが予想される。このため、税収等歳入の確実な収納及び歳出効率化に努めることにより、持続可能な財政基盤の構築を図る。

経常収支比率の分析欄

これまで類似団体内平均値と比べ高い水準で推移しており、令和元年度は前年度に比べ0.3ポイント増加している。算出基礎となる分子(経常経費充当一般財源)は、主に義務的経費(人件費、扶助費、公債費)の増加により上昇している。また、分母(経常一般財源総額等)は風力発電所の建設による固定資産税の増などにより上昇しているが、分子の増が分母の増を上回ったため、比率は増加している。義務的経費は、早急に圧縮することが難しいが、人件費が急上昇しないよう定員管理を継続することや、公債費については適切な償還期間の設定などにより歳出の効率化に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は55,458千円、物件費が85,134千円増加したことに加え、分母となる人口の減少に伴い、人口一人当たりの決算額は増加している。増の要因としては、人件費は主に3回の選挙が行われたためである。また、物件費は、人件費同様選挙に係る備品等の経費に加え、職員用パソコン等機器の更新によるものである。今後は、行政サービスの品質低下を招かない程度に、歳出の圧縮に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

これまで退職者不補充を継続し採用を抑制したことによる職員年齢層の高齢化により類似団体よりも高い状況にある。今後も定員適正化や国家公務員の給与改定にあわせた給与水準の見直しを図ることにより縮減に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

前年度に比べ0.35ポイント増となり年々増加傾向にあるが、定員適正化計画に基づく定員管理を継続してきた結果、依然として類似団体内でも上位の水準にある。しかし、きめ細かな行政サービスを住民に提供するためには、これ以上の削減は難しい一方で、人口は減少傾向にあり、今後は「人口一人当たり人件費・物件費等決算額」と同様、上昇していくと推測される。

実質公債費比率の分析欄

類似団体平均は下回っているが、比率自体は年々増加傾向にある。単年度の公債費負担は減少しているものの、3年間の平均でみると比率は増加している。従前どおり地方債新規発行にあたり交付税措置率の高い、有利な地方債の活用などにより、公債費負担の軽減を図る。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、平成27年度から減少しており、平成29年度決算で類似団体内平均値を下回った。これは、任意繰上償還等により地方債残高の削減に努めてきたことや、将来負担に備えて決算剰余金を活用し、必要とされる基金への積増しに取り組んできたためである。今後数年度は、大型建設事業の実施により起債額及び基金取崩額が増えると予測されるが、有利な財源確保と必要以上の起債を行わないことにより、できるだけ将来負担の増加を招かないよう配慮する。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)

人件費の分析欄

令和元年度は前年度に比べ、選挙関連の人件費が皆増したものの、災害復旧関連の人件費が減となったため微増となった。前ページのラスパイレス指数の比較では類似団体平均より高い水準にあることが分かる。しかし、継続的な退職者不補充などを行い、人件費の割合は職員数の削減を行ってきたため、類似団体平均を下回っている。

物件費の分析欄

物件費について需用費や備品購入費など増加した節もあったが、普通交付税の増加などにより、経常一般財源等の増加分が上回ったため、数値としては0.3ポイント下降している。しかし、公共施設の指定管理導入などにより依然として類似団体内平均値よりも高い水準で推移しているため、必要に応じて公共用施設の統廃合・転用を検討し、施設管理費用の見直しに取り組む。

扶助費の分析欄

前年度と比べ0.6ポイント増加し、類似団体内平均値を上回っている。これは、障害者自立支援給付費(扶助費全体の53.7%)の影響が大きく、歳出額は拡大する一方である。また、今後、高齢化進行に伴い、老人福祉に係る歳出の増加も予想される。

その他の分析欄

前年度に比べ0.3ポイント下降しているが、依然として類似団体内平均値を若干超える水準となっている。これは特目基金積立金や、特別会計への繰出金減少によるものである。繰出金については、今後も可能な限り繰出基準に近づけ、基準外繰出しを圧縮するよう特別会計内での歳入確保を図る。基金積立金については、将来の行政需要に備えるため、状況に応じて積み増しを行っていく。

補助費等の分析欄

過去五年間において、類似団体内平均値に比べ、低い水準で推移している。令和元年度は、一部事務組合負担金の増などにより経常経費充当一般財源が増加しており、数値としては0.1ポイント上昇している。今後も特に町単独補助金事業については、その目的効果を検証し、必要に応じ整理、合理化を図るとともに、効率的な執行管理を行う。

公債費の分析欄

令和元年度は新たに償還を開始した事業債の償還金が増えたことで、前年度に比べ0.1ポイント増加し、類似団体内平均値とほぼ同水準となっている。これまでどおり、地方債新規発行にあたっては、原則として交付税措置率が高い地方債に限定し、新規発行額は元金償還額を下回るよう配慮する。

公債費以外の分析欄

公債費以外については、前年度に比べ0.2ポイント増加し、過去5年間ともに類似団体内平均値より高い水準にある。令和元年度は主に物件費及び補助費等、投資的経費、積立金が増加したことに伴い、決算総額も増加している。一層の経費削減に努めるとともに、必要に応じ公共用施設の統廃合・転用を検討する必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別歳出を構成比が多い順にみると、①民生費28.1%(前年度30.3%)、②総務費12.6%(同12.8%)、③公債費11.4%(同13.9%)となっている。①民生費は前年度に比べ住民一人当たり9,303円増加し、類似団体内平均値を上回っている。これは、人件費や障害者自立支援等給付費等が増加しているためである。②公債費は前年度に比べ住民一人当たり6,081円減少している。これは、平成30年度に任意繰上償還を実施したためである。③総務費は前年度に比べ住民一人当たり9,260円増加しているが、類似団体内平均値を下回っている。増加の主なものとしては、選挙経費の皆増や職員用パソコンの更新を行ったためである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別歳出決算全体の住民一人当たりのコストは、702,844円となっており、前年度と比べ83,232円減少している。性質別歳出を構成比が多い順にみると、①物件費18.1%(前年度18.8%)、②扶助費14.0%(同14.8%)、③人件費13.9%(同14.6%)となっている。①物件費は前年度に比べ住民一人当たり10,409円増加し、類似団体内平均値を上回っている。これは、コミュニティセンター・図書館や、総合運動公園などについて指定管理制度を活用していることに加え、職員用PC更新や旧焼却場煙突解体工事などが行われたためである。②扶助費は前年度に比べ住民一人当たり6,595円増加し、類似団体内平均値を上回っている。これは、当町に多数の障害者福祉施設が立地しており、障害者自立支援給付費が多額で推移しているためである。③人件費は類似団体内平均値を下回っているものの、前年度に比べ住民一人当たり7,203円増加している。これは、選挙関連経費の増加があったためである。

実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)

分析欄

財政調整基金残高は、前年度に比べ約0.7百万円増加しているものの、地方交付税の増加により、標準財政規模比で0.23ポイントの減少となった。実質単年度収支の比率は3.04ポイント増加したが、これは地方交付税の増加を背景に、歳入歳出差引額から翌年度に繰り越すべき財源を除いた実質収支が改善したためである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)

分析欄

国民健康保険事業勘定特別会計では、標準財政規模に対する赤字割合が前年度に比べて1.25ポイント改善したが、依然として歳入不足が継続しているため、引続き歳入確保に取組み、健全な財政運営を目指す。一般会計では黒字を計上しており、標準財政規模に対する比率が前年度に比べ1.46ポイント増加している。これは主に地方交付税の増加と翌年度に繰越すべき財源が減少し、黒字額が増加したためである。今後も、税収等歳入の確実な収納及び歳出の効率化に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

実質公債費比率の分子が前年度に比べ23百万円減少している。これは、新たに償還を開始した事業債の元利償還金が増加したが、交付税に算入される元利償還金等も増加した影響である。このため、従前どおり地方債新規発行にあたっては交付税措置率が高い有利な地方債を活用しつつ、公債費負担の平準化を図る。

将来負担比率(分子)の構造(2019年度)

分析欄

令和元年度において、一般会計等に係る地方債の現在高は繰上償還等により減少したこと、既往債の償還終了により公営企業債等繰入見込額が227百万円減少したことで将来負担比率の分子は減少した。基金の積増しは今後難しい状況が想定され、プライマリーバランスの黒字化を堅持することで地方債残高の削減に努め、財政健全化を図る。

基金残高に係る経年分析(2019年度)

基金全体

(増減理由)基金全体の残高は、平成29年度に比べ約292百万円減少している。財政調整基金は、取崩しにより減少していることに対し、その他特目基金については、将来の公用公共用施設の改修等に備え、公共公共用施設改修等基金へ優先的に積増しを行ってきたことで、平成29年度に比べ92百万円増加している。(今後の方針)財政調整基金は、今後の町税の減収及び地方交付税削減への対応、並びに災害時の財源確保が目的であるが、当面必要とされる財源を確保しており、今後は当該基金への積極的な積増しは行わない予定である。一方で、公用公共用施設の老朽化に伴う多額の更新費用を確保するため、公用公共用施設改修等基金については優先的に積増しを行う。

財政調整基金

(増減理由)前年度に比べ、横ばいである。(今後の方針)当該基金の目的に必要とされる当面の残高を確保しており、今後は不測の歳入不足に対応していく。

減債基金

(増減理由)地方債の償還期間短縮に伴う歳出の増加分に対応するため、約36百万円の取崩しを行っている。(今後の方針)今後も公債費負担増加分に対応し、計画的に取崩しを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)①公用公共用施設改修等基金は、公用公共用施設の改修・改築等に必要な財源確保を目的としている。②過疎地域自立促進特別事業基金は、過疎地域自立促進計画に基づく事業に必要な財源確保を目的としている。③地域づくり推進基金は、地域づくり事業に必要な財源確保を目的としている。④災害に強いまちづくり基金は、自主防災組織の育成等に必要な財源確保を目的としている。(増減理由)①公用公共用施設改修等基金は、公用公共用施設の改修・改築等に備え、優先的に積増しを行った。②過疎地域自立促進特別事業基金は、過疎地域自立促進計画に基づく事業の財源として取崩しを行った。③地域づくり推進基金は、地域づくり補助金や地域担当職員制度等に要する財源として積増し及び取崩しを行った。④災害に強いまちづくり基金は、災害見舞金や自主防災組織育成補助金に要する財源として取崩しを行った。(今後の方針)①公用公共用施設改修等基金は、公用公共用施設の改修・改築等に備え、優先的に積増しを行う。②過疎地域自立促進特別事業基金は、過疎地域自立促進計画に基づく事業に充当するため、計画的に取崩しを行う。③災害に強いまちづくり基金は、該当事業に充当するため必要に応じ取崩しを行う。④地域づくり推進基金は、該当事業に充当するため必要に応じ取崩しを行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体より低い水準にあるが、必要に応じて資産の修繕や更新を計画的に行わなければ、数値が大幅に上昇する可能性も考えられるため、資産の老朽化状況を把握し、計画的に事業を実施する必要がある。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率は岩手県平均の717.5%や類似団体平均の617.3%を大きく下回っており、類似団体内順位も昨年から5位上昇している。引き続き、必要以上の地方債発行を抑制するとともに、経常経費を削減するなどの取組を続け、持続可能な財政運営を図る。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率と有形固定資産減価償却率のいずれも類似団体より低くなっており、将来負担比率は主に償還終了に伴う公営企業債繰入見込額の減少及び基金の積み増しによる充当可能基金増加により6.7ポイント減少した。一方で、有形固定資産減価償却率は上昇傾向にあるため、計画的な資産の維持補修を行うとともに、老朽化した施設の除却等を進め、各種財政指標を意識した財政運営を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

実質公債費比率は類似団体と比較して低いものの、過去4年間上昇傾向にある。これは、地方債を財源とした事業を実施したことにより借入金が一時的に増加し、それに伴い当該比率も上昇したものである。一方、将来負担比率は類似団体より1.0ポイント下回っており、地方債償還財源確保のため、交付税措置の高いものに絞って借入を行っているため、毎年度将来負担額に対して充当可能財源が安定して確保され、平成27年度以降減少を続けている。今後も有利な起債を活用し、将来負担比率の低減に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、橋りょう・トンネルであり、特に高くなっている施設は児童館、公民館等である。橋りょう・トンネルについては橋梁長寿命化修繕計画に基づき、優先度の高い橋りょうから順次必要な補修工事を行っているほか、平成22年度に取得した鳥海トンネルの取得価額が比較的大きく耐用年数も長いため、有形固定資産減価償却率の増加を押し下げる要因になっていると考えられる。児童館及び公民館については、既に耐用年数が到来しているが、必要な維持補修等を行い適正利用に努める。一人当たり面積が類似団体より施設類型の半数が下回っているが、人口減少が進む中で人口規模に合わせた公共施設の適正配置を図るため、今後の人口及び利用者の推移、ニーズ、施設民営の余地等を考慮して施設の適正管理を行う。

施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率が特に高い資産は一般廃棄物処理施設、体育館・プール及び庁舎である。一般廃棄物処理施設の有形固定資産減価償却率は、今後行われる改良工事により減少する見込みである。体育館・プールについては、一戸町体育館の減価償却率の高さ(令和1末90.2%)によるものである。庁舎については、昭和48年に建築され(令和1末で築47年)、平成27年に耐震補強工事を行い、安全性を確保したものの、既に減価償却が進んでいたため、類似団体より高い水準となっている。いずれの資産においても、必要に応じて資産の修繕や更新を計画的に行わなければ、数値が上昇していくことが見込まれるため、資産の適正管理に努める必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,