経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率については、収益の大部分を一般会計からの繰入金に依存している状況である。令和2年度末に経営戦略策定予定であり、加えて令和2年度から3ヵ年計画で令和5年度に企業会計化する。工事では平出水地区の機能強化対策事業の調査を令和3年度に行い、工事を令和5年度から令和9年度までの5ヵ年で行う予定である。これらのことを考慮し、「最適整備構想」の実現に取組みながら、経営の安定を図っていく。④企業債残高対事業規模比率については、類似団体と比較すると少額である。引き続き企業債残高の抑制に努めるため、低コストを意識した機能強化対策を行い老朽化した施設や機械の更新を行っていく。⑤経費回収率については、類似団体の指標を大きく上回り良好である。今後も更なる費用削減に努め更新投資に充てる財源確保に努める。⑥汚水処理原価については、類似団体指標よりも低く良好である。引き続き費用削減や効率的な汚水処理に努める。⑦施設利用率については、類似団体よりも低い指数となっている。広報紙等で加入促進を啓発し、加入者の増加に努めていく。機械設備更新時においては、将来の汚水処理人口の減少も考慮して、過大スペックとならないように留意して更新していく。⑧水洗化率については、類似団体よりも低い指数となっている。令和元年度の集排への新規加入は10件であった。今後も引き続き、汲み取り式から水洗への移行を広報紙等で啓発していく。
老朽化の状況について
市内3地区の処理施設の中で、最も古い菱刈地区の菱刈中央は平成元年度供用開始時で、既に31年が経過し機能対策工事を平成15年度に行い、令和2年度にも行う予定である。菱刈北部は平成12年度供用開始で既に20年が経過し、平成28年度から令和2年度の5ヵ年かけて機能対策工事を行っている。また、平出水地区は平成16年度に供用開始で既に16年が経過し、機能強化対策事業の調査を令和3年度に行い、工事を令和5年度から令和9年度までの5ヵ年で行う予定である。今後も、計画的に機能強化対策事業等で施設の機械電気設備等の更新を進め施設及び機械電気設備等の老朽化に対応していく。また、管渠についても状態を確認しながら更新していく。
全体総括
人口減少に伴う料金収入の減少や施設の老朽化に伴う改修費用の増加が見込まれるため、施設改修費用の低コストを実現するために策定した中長期的な改修計画「最適整備構想」の実現に取組みながら、経営の安定を図っていく。また、処理区域内における非水洗世帯、単独・合併浄化槽からの移行については広報紙等を通じて呼びかけ、さらなる汚水処理環境の構築を目指していく。