地域において担っている役割
民間医療機関のない当該不採算地域における唯一の病院として地域医療を提供している。また、救急告示病院として、救急医療の充実を図ると共に、入院治療、手術、検査など広く行われている標準的な医療を安定的に提供している。宮崎県からは「へき地医療拠点病院」の指定を受け、医療人材の育成、巡回診療や代診医の派遣、人工透析サービスなどの広域的で重要な役割を担っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率、医業収支比率ともに類似病院平均を上回っており、累積欠損金も発生していないが、一般会計からの繰入金の比率が高く、また繰入金の減少に伴い収支比率も減少傾向にある。病床利用率は、ほぼ類似病院平均と同程度だが、人口減少に伴い減少傾向にある。入院、外来とも収益単価を増加するため、医療体制の見直しや施設基準の変更、診療報酬加算の検討等を図る。職員給与費比率は類似病院平均を下回っているが、職員の高齢化が進んでいるため、今後も適正な人員の維持に努めつつ業務委託等の活用も検討する。材料費比率は平均を上回っており、今後も一層のコスト削減に努める。
老朽化の状況について
平成13年度に病院施設の改築を行なった際に全面的に更新した医療機器等設備が、近年一斉に更新時期を迎えている。老朽化の状況は類似病院平均と同程度か下回っているが、更新が集中しないよう緊急性、必要性等を考慮し、計画的な更新を図る。
全体総括
現時点で収益性、安全性においてはある程度確保されているが、不採算地域にある当院では、その収益において一般会計からの繰入金の割合が高い。町財政も厳しい中、今後益々厳しい運営が見込まれ、公立病院改革プランに則り経営改善を図る必要がある。