経営の健全性・効率性について
本事業は、開始後3年目の事業です。経営の健全性及び効率性については、以下のとおり、今後確保していく必要があります。「単年度収支」については、使用料及び一般会計繰入金を主な収入としている状況です。これまでは100%以上の比率を確保しておりましたが、H27年度は61.97%と、大幅に落ち込んでいます。この理由として、H27年度はこれまでの繰越金を使用したことによる、一般会計繰入金の減少であり、一時的なものであります。したがって、来年度以降につきましては、これまでと同水準の収支となることが予想されます。なお、単年度の収支に関連するものが「料金水準の適切性」ですが、これについて大幅な改善が見られるものの、依然として低い水準となっています。要因として、使用料については維持管理経費を基に算出され、かつ他事業との比較を行い設定したものですが、現在も新規の浄化槽設置を行っており、1基当たり設置費用が使用料に対し大きく、必然的に回収率が悪くなるためであります。「費用の効率性」については、年々改善されています。これは、使用料の大幅な増加に起因するものであります。H27年度の設置者数の増加やH25年度・26年度に設置した使用者が一年間継続して使用料を納付することにより、回収率が向上したものです。今後においても、益々使用料の増加は見込まれ、改善していくと考えられます。「施設の効率性」については、「施設利用率」が示すように、設置基数が増加するにつれ、浄化槽の処理能力も増加するものの、一日の平均処理水量は1基ごとの処理水量であるため、変化しません。よって、設置基数が増加するにしたがって、数値は悪化するものと考えられますが、周辺の環境にに影響するものではありません。
老朽化の状況について
本事業においては、事業開始後3年程度であるため、現在のところ、老朽化に関する課題はありませんが、今後起こりうる経年劣化を見据え、検討していく必要があります。
全体総括
H27年度の収益的収支比率が100%を大幅に下回り、赤字経営となっているものの、上記のとおり一時的なものであり、来年度は同水準の収支となる見込みである。料金体制についても、他事業と比較検討し、適正な料金設定となっております。しかしながら、右肩上がりで改善しているものの、経費回収率は依然として低迷が続いている状況であります。これは新規の浄化槽設置事業を進めていることが要因でありますので、今後においても、設置基数の増加と継続的な使用料の徴収によって、汚水処理原価とともに改善していくと考えられます。