地域において担っている役割
診療所から始まった当院は、市民の健康増進を図るため関係医療機関との連携を推進しながら、地域に密着した医療機関として平成7年には、救急医療告示病院として認可を受け、満足度の高い地域医療の実現を目指し、周辺地域の「かかりつけ医」として地域医療に携わっている。
経営の健全性・効率性について
医師や看護師等の確保及び施設や医療機器等の老朽化と課題や問題を抱える一方で、外来患者が近年減少傾向となっている。このような状況での経営安定のため、医療体制を維持すると共に、検査・医事・給食業務等を外部に委託したり、終末期医療や企業の職場健診を積極的に受け入れている。経常収支比率の表の変動は、不採算地区病院の条件変更による一般会計からの繰入金に変動があったためである。収益を増やすか、費用を減らす必要があるが、給与の比率は平均を下回っているため、委託等の経費の見直しが必要である。累積欠損金比率が低いうちに改善が必要と考える。
老朽化の状況について
現在の施設は、長年にわたり増改築を繰り返し行っている。入院病棟が昭和58年建設、外来病棟が昭和46年建設、給食棟が平成6年建設、検査棟が平成12年建設と施設内で築年数が違う。近年は、老朽化により修理の回数も増えている。今後、大きな改修もしくは建て替え等の検討が必要な状況である。また、機械備品等も買い替え時期が来ているものが多数あり、関係職員と購入計画を立て予算を計上している。
全体総括
地域の「かかりつけ医」として、関係医療機関の協力のもと、今後も医療の確保に努めていくが、安定した経営のためには、患者が安心して治療できる医療の提供が必要である。そのための課題も多く、施設及び医療機器等は老朽化しており、その改修や更新については多額の費用を要するため、中長期的な更新計画を作成し、必要な資金を確保すると共に長寿命化を図っていく必要がある。