人吉市
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2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2020年度)
財政力
財政力指数の分析欄
ここ数年はほぼ横ばいで推移しており、類似団体と比較しても同程度である。基準財政収入額においては、固定資産税の家屋や償却資産の増及び法人事業税交付金の新設により増となった。基準財政需要額においても補正係数や単位費用の見直しにより増加しているものの、基準財政収入額の増加が上回り、結果として、財政力指数は0.01ポイント改善した。しかし、本市では、人口減少や社会保障費の増大により財政基盤が弱い状態が続き、加えて令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けており、復旧・復興に向け大きな財政負担が見込まれる。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
類似団体を3.6ポイント上回っており、全国ならびに熊本県平均と比較しても硬直的な財政運営となっている。要因としては、歳出において義務的経費である扶助費(特に児童福祉費、老人福祉費、心身障害者福祉費)、補助費(一部事務組合負担金)が類似団体と比較して大きいためである。令和2年度決算では、人件費の減(令和2年度から開始した行財政健全化計画による職員の給料等)や扶助費の減(児童扶養手当の支給回減及び新型コロナウイルス感染症に受診控えや令和2年7月豪雨で被災した小児科医院が被災)により経常収支比率は前年度より3ポイント改善した。今後は、令和2年7月豪雨からの復興に向け、多額の一般財源の持ち出しが見込まれる。事務事業の見直しをさらに進め、優先度や効率性の低い事業は、休止や廃止、縮小を行い、経常経費の削減を図る。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
前年度より2倍以上も増加し、類似団体や全国平均、熊本県平均を大きく上回っている。主に物件費を要因としており、令和2年7月豪雨に伴う災害廃棄物処理事業や被災住宅の応急修理による増のためである。この状況は、少なくとも被災家屋解体や災害廃棄物処理が2ヵ年かかるため、令和3年度まで続くと見込まれる。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
令和2年度から令和4年度に取り組む「人吉市行財政健全化計画」に基づき、前年度は、職員給3~7%、管理職手当10%をそれぞれ削減していたため、大きく減となっていたが、今年度は、前年度以前の水準に戻したことで3.1ポイントの増となった。今後も国等の動向や民間企業等の状況を踏まえながら、適正な運営に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
前年度と比較すると0.45ポイントの増加であったものの、類似団体と比較すると、0.33ポイント下回っている。本市としては、「第4次定員適正化計画」(令和2年度~令和9年度)を策定し、定員適正化を図るところであるが、令和2年7月豪雨からの復旧・復興について、マンパワー不足となっている。急激な人員増とならぬよう復旧・復興事業に関連性が低い事業や効果が低い事業については、休止や廃止、縮減など見直しを行い、それにより生じた人員や財源を復旧・復興事業に投入することで、復興体制を確立していく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
類似団体を3.8ポイント下回っており、前年度と比較しても0.1ポイント低下していることから、健全な状態にあるといえる。しかし、今後は市庁舎建設事業や令和2年7月豪雨からの復旧・復興事業により地方債の増加が見込まれ、また老朽化した公共施設等の更新も進めていく必要があるため、計画的な公債費の管理を行い、償還額の平準化に努めていく必要がある。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
類似団体を上回っているものの、前年度より27ポイント減少した。要因としては、令和2年7月豪雨の影響による特別交付税等が例年以上交付されたことを受け、剰余金を財源として将来の起債償還に備えた減債基金への積み立てやふるさと納税寄付額増に伴う人吉応援団基金増加により充当可能基金が増加したことで、将来負担額の増加を上回り、将来負担比率が減少した。今後は、完成を迎える市庁舎建設事業や令和2年7月豪雨からの復旧・復興事業により地方債の発行が増加することが見込まれることから、事業実施の適正化を図り、行財政健全化計画をさらに進めていく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)
人件費
人件費の分析欄
類似団体の平均値を上回る水準で推移している。定員適正化計画を進めているが、令和2年7月豪雨からの復旧・復興に伴い、マンパワーが不足したことから、再任用職員や任期付き職員の採用を行った。急激な人員増とならぬよう復旧・復興事業に関連性が低い事業や効果が低い事業については、休止や廃止、縮減など見直しを行い、それにより生じた人員や財源を復旧・復興事業に投入することで、復興体制を確立していく。
物件費
物件費の分析欄
類似団体と比較して低い水準で推移している。今後もこの水準を維持し、さらなる事務事業の効率化を図る必要がある。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体と比較して高い水神で推移しているが、令和2年度は児童扶養手当の支給回数の減や新型コロナウイルス感染症による受診控え、令和2年7月豪雨により小児科医院が被災したことなどで、前年度より1.8ポイント減少した。しかし、依然として類似団体、全国平均、熊本県平均とより高い水準で推移しており、今後は単独事業の見直しなど財政健全化と持続可能な社会保障制度に即した適切な施策を展開する必要がある。
その他
その他の分析欄
類似団体と比較してほぼ同水準で推移していたが、令和2年度は若干上回ることとなった。介護保険特別会計繰出金が低所得者保険料軽減に伴い増となる一方、後期高齢者医療特別会計繰出金についても療養給付費の伸びが鈍化したことにより減となったことで繰出金全体としては、若干の減にとどまった。高齢化社会による医療費・介護給付費の伸びは引き続き深刻な課題であり、医療費・介護給付費抑制のための検診や予防事業に重点を置く必要がある。
補助費等
補助費等の分析欄
類似団体と比較して高い水準で推移している。要因として、ごみ処理施設の建設や汚泥再生処理センターの建設に伴う地方債償還について、構成自治体負担分のほか交付税参入分を本市が負担しており、一部事務組合負担金の負担割合が大きいことが挙げられる。今後は施設の更新や改修といった課題もあり、補助費等においても高止まりの見込みである。引き続き維持管理経費のコスト削減に向けて改善に努める必要がある。
公債費
公債費の分析欄
類似団体と比較して低い水準で推移している。今後は市庁舎建設事業や令和2年7月豪雨からの復旧・復興事業により地方債の増加が見込まれ、また老朽化した公共施設等の更新も進めていく必要があるため、計画的な公債費の管理を行い、償還額の平準化に努めていく必要がある。
公債費以外
公債費以外の分析欄
類似団体と比較して非常に高い値で推移している。要因となっているのは、扶助費及び補助費等であり、今後も大幅な改善を非常に難しい状況である。特に扶助費については、年々増加傾向にあり、近年では自立支援給付費など心身障害者福祉費の伸びが続いている。単独事業や独自加算の事業を見直し、効率性や優先度を判断し、事務事業をさらに見直していく必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
目的別歳出の分析欄
類似団体と比較して平均値を上回っているのは、総務費、民生費、衛生費、災害復旧費である。総務費は、応援団寄付金の増による経費の増や減債基金積み立てによる増であり、民生費は令和2年7月豪雨に伴う災害救助費が増加したことによるものである。衛生費については、令和2年7月豪雨による災害廃棄物処理事業により大きく増加し、災害復旧費も同様に令和2年7月豪雨からの復旧事業により増加している。それ以外については、平均値を下回り、特に土木費や教育費は低い値となっている。令和2年7月豪雨からの復旧・復興事業は次年度以降も続くとみられ、優先的に行っていくことが見込まれる。さらに事務事業を見直し、効率的な財政運営に努めていく。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)
性質別歳出の分析欄
類似団体と比較すると、前年度と比べ物件費、災害復旧費、積立金が大きく伸びている。物件費、災害復旧費については、令和2年7月豪雨による復旧事業が影響している。物件費は、災害廃棄物処理事業を行い、次年度も被災家屋解体事業を行うなど同様の状況が続くと見込まれる。また、災害復旧費は、公共土木施設、農地・農林業施設、公共施設など多方面に被災したことから、復旧に多額の費用が必要となっており、次年度以降も続くことが見込まれる。積立金については、ふるさと納税の寄付額が年々増加していたことに加えて、令和2年7月豪雨に対しての寄付も多くいただいた。また、令和2年7月豪雨からの復旧事業に伴う起債償還に備え、剰余金を減債基金に積み立てたことも影響し、前年度より大きく伸びた。このほかについては、扶助費が児童福祉費や心身障害者福祉費の増加が続いており、依然として類似団体を上回って推移している。
実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)
分析欄実質単年度収支は、前年度と比較して大幅に改善し、プラスに転じた。要因としては、新型コロナウイルス感染症対策や令和2年7月豪雨などこれまでにない特殊な事情に対し、国や県からの支援をいただいたためである。その中でこれまで財政調整基金を取り崩して財政運営を行っていたが、国県の支援を含め、ふるさと納税の災害に対する寄付もいただいた結果、基金を取り崩すことなく、剰余金を積戻すことができた。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)
分析欄各会計ともに赤字額は発生しておらず、適正な財政運営が図られている。しかし、一般会計からの繰出金も多く、特に人口減少・高齢化社会において医療費や介護給付費の伸びは深刻である。今後は、医療費・介護給付費抑制のための健診や予防事業などに重点を置く必要がある。
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実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄令和2年度決算では、新型コロナウイルス感染症や令和2年7月豪雨の影響により、公営企業の収入が減ったことで、公営企業の元利償還金に対する繰出金が増え、全体として前年度より61百万円増となった。今後は、新市庁舎建設事業や令和2年7月豪雨関連事業により起債額は増加していくことが見込まれ、さらに公共施設の老朽化も深刻であり、起債で対応することが考えられる。事業の優先度等検討し、適切な起債計画に努めていく。
分析欄:減債基金該当なし
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将来負担比率(分子)の構造(2020年度)
分析欄令和2年度決算では、令和2年7月豪雨に伴い災害復旧事業債を発行するなど将来負担額が増加したものの、剰余金を財源として将来の起債償還に備えた減債基金の積み立てやふるさと納税寄付額増による人吉応援団基金が増加したこと、さらに災害復旧事業債や歳入欠かん等債の発行による基準財政需要額算入見込額の増により分子全体として大きく減少した。今後も市庁舎建設事業や令和2年7月豪雨関連事業により地方債の発行が増えてくるが、交付税措置のある地方債を活用し、将来負担比率の抑制に努めていく。
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基金残高に係る経年分析(2020年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)令和2年度は、令和2年7月豪雨に対応するため、147,000千円取り崩したものの、剰余金を財源として財政調整基金を200,000千円積戻しした。減債基金についても、将来の起債償還に備え、1,500,000千円積み立てを行った。また、ふるさと納税寄付額増に伴い、人吉応援団基金についても521,474千円を事務費及び事業費充当したものの、1,221,298千円の積み立てを行った。基金全体として積み立てが多く、前年度より2,301,108千円の増加となった。(今後の方針)令和2年度については、新型コロナウイルス感染症対策や令和2年7月豪雨対応など特殊な要因に対して、国や県から支援いただき、剰余金を財源として財政調整基金や減債基金に積み立てることができたものの、財政調整基金については、標準財政規模の2%とまだ十分でない。事業を見直しを徹底し歳出の抑制を行い、次年度以降も積み増しを行えるよう努めていく。人吉応援団基金は、令和2年7月豪雨に対する寄付という形も含め、ふるさと納税寄付額が過去最高額の寄付額となった。寄付額が増加すれば、その事務費も大きくなり、事務費への充当額も増えるため、寄付額とのバランスを図りながら、寄付額を維持できるよう積極的な取り組みを行っていく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)令和2年7月豪雨に対応するため147,000千円を取り崩したものの、決算額等を鑑みて、200,000千円積戻したことで、53,000千円の増となった。(今後の方針)令和2年度は積戻すことができたものの、まだ緊急事態に対応できるほど十分ではないため、今後も積戻しができるよう事業の見直しを行い、歳出の抑制に努め、積み増しを行っていく。
減債基金
減債基金
(増減理由)剰余金を財源として、将来の起債償還に備え、1,500,000千円積み増したことにより増となった。(今後の方針)今後は、市庁舎建設事業の終了や令和2年7月豪雨の復旧・復興事業により起債額が増えることが見込まれ、公債費も増加していくことが懸念される。将来の過度な負担とならぬよう新規の地方債発行は慎重に行い、財政調整基金と同様に積み増しできるよう歳出の抑制に努めていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・人吉応援団基金:応援団条例にあげる事業へ充当する。・人吉市庁舎建設等基金:市庁舎建設に要する経費へ充当する。・人吉球磨地域交通体系整備基金:鉄道湯前線を第三セクターとして運営する鉄道会社の運営経費へ充当する。・人吉市森林環境整備基金:民有林の適切な管理及び環境保全のための経費へ充当する。・人吉市環境対策基金:生活環境の確保、ごみの減量化及び資源化等の経費へ充当する。(増減理由)人吉応援団基金ではふるさと納税寄付額の増により1,221,298千円積み立てたが、寄付額増による委託料等の事務費への充当の増及び各事業への充当により521,474千円取り崩したことで、699,828千円の増となった。また、人吉市森林環境整備基金については、交付される森林環境譲与税の事業充当残28,211千円を積み立てることにより増となった。(今後の方針)人吉応援団基金では、令和2年7月豪雨に対する寄付が多く、ふるさと納税寄付額が過去最高額となった。今後も寄付額と寄付に対する事務費や事業費への充当費用のバランスを図りながら、積極的な取り組みを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
新たな有形固定資産の取得よりも、経年による減価償却の減が大きく、前年度と比較して、1.3%の上昇となった。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
財政調整金及び減債基金に積み立てを行ったため、充当可能財源が増加し、比率が減少している。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
近年は類似団体と比較して将来負担比率が高い水準にあったが、令和2年度は財政調整基金及び減債基金への積み立てを行ったこと等により、将来負担比率が減少したため、類似団体に近づいた。しかしながら、今後市庁舎建設事業に伴う地方債の借り入れや令和2年7月豪雨災害関連の地方債借り入れにより地方債残高が増加することから、「人吉市公共施設等総合管理計画」において、持続可能な財政運営が可能となる施設保有量の実現に向け、施設総量の縮減が目標として掲げられているところであり、今後は個別施設計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化、計画的な長寿命化に取り組み、有形固定資産である施設等の統廃合等を積極的に行うことが重要である。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率について、令和2単年度では5.5で、令和元単年度は5.0であるため、0.5ポイント上昇している。主な要因として、公営企業への繰出金(準元利償還金)が新型コロナウイルス感染症や令和2年7月豪雨に伴う収入減の影響により増加したことによるものである。今後は、庁舎建設事業の償還も始まり、また、令和2年7月豪雨災害関連の地方債借入も多いことから、地方債の借入については、事業の必要性や効率性を考慮し抑制を図る必要がある。一方で、令和2年7月豪雨災害関連により地方債発行額の増を見据えて、財政調整基金や減債基金へ積み立てを行ったため、将来負担比率は下降したところであり、今後の財政状況について、慎重に見極める必要があるのは言うまでもないが、単年度で分析をすると、一定の評価はできると考える。
施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)
施設情報の分析欄
平成29年度の橋りょうにおいて、多数の計上漏れがあり数値が大きく上昇したが、その後は新たな施設の整備による大きな増加はない。今後も公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画に則り、計画的な更新に取り組んでいく。
施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)
施設情報の分析欄
保健センターについて、平成28年熊本地震により使用ができなくなったため、解体している。なお、本庁舎についても同様の理由で解体しているが、築50年以上経過していたため、減価償却率は10%の下降にとどまった。令和元年度は、市庁舎別館にエレベーターを増設したため、取得価格の増加によりさらに16.6%下降した。
財務書類に関する情報①(2020年度)
1.資産・負債の状況
一般会計においては、資産総額が前年度末から5,506百万円増(+13.2%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が約81%を占めており、これらの資産は将来の維持管理・更新等において支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める必要がある。一方で、流動資産では、前年度より約56億8百万円の増となり、その要因として財政調整基金及び減債基金の1,553百万円増、災害復旧事業国庫支出金等の未収金の増によるものである。負債総額は、1,925百万円増(+10.0%)となった。負債総額のうち固定負債について、災害復旧事業及び災害廃棄物処理事業に伴う地方債の借入により1,789百万円増加したためである。水道事業特別会計、公共下水道事業特別会計を加えた全体では、資産総額は前年度末から6,312百万円増加(+10.3%)し、負債総額は前年度末から3,021百万円増加(+9.9%)している。一般会計等を除くと、水道事業特別会計は減少、公共下水道事業特別会計は増加している。一部事務組合や第三セクターを加えた連結では、資産総額では前年度末から6,314百万円増加(+9.5%)し、負債総額は前年度末から3,298百万円増加(+10.3%)した。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は23,909百万円となり、前年度比8,342百万円の増加(+53.6%)となった。そのうち人件費等の業務費用は11,469百万円、補助金や社会保障給付などの移転費用は12,440百万円であり、移転費用の方が業務費用よりも多いが、令和2年度は令和2年7月豪雨災害があり、単純に前年度との比較はできない。災害復旧に係る委託(物件費等)や自費解体補助金、転居費用助成金等の補助金等により大幅に増加している。しかしながら、豪雨災害への影響が小さい社会保障給付は4,467百万円、前年比141百万円で微減となっている。近年、本市において社会保障給付関連の費用は高齢者のみならず、認定こども園移行に伴う保育給付費や障害者関係の費用も増加傾向であったが、人口減等が影響していると考える。今後も事業の見直しや縮小・廃止を行い、経費の抑制に努めていく必要がある。全体では、一般会計等に比べて水道料金等を計上しているが、経常収益は1,219百万円多くなっている。国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が6,746百万円多くなり、純行政コストは7,405百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が1,863百万円多くなっていおり、人件費が922百万円、物件費等も2,454百万円多くなっているなど、経常費用が14,078百万円多くなっている。純行政コストは12,716百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(12,431百万円)が純行政コスト(23,198百万円)を下回っており、本年度差額は▲10,767百万円であり、純資産残高は、税収等の財源の増により、3,581百万円の増となった。しかし、純行政コストを税収等の財源で補えておらず、地方税の徴収強化や事業の縮小廃止等の見直しを行い、業務の効率化が喫緊の課題である。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が1,699百万円多くなっており、一般会計等の影響が大きく、本年度差額は3,701百万円となっている。連結では、令和2年7月豪雨により、人吉球磨広域行政組合汚泥処理施設や人吉下球磨消防組合本部が被災したことにより、災害復旧事業等の負担金が増加したことから、前年度と比べ純行政コストが8,738百万円増加し、一般会計等と比べて財源が16,059百万円多くなっているものの、本年度差額は3,681百万円となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は1,816百万円であり、これは、災害廃棄物処理事業(物件費の増や発災後の各種補助金の移転費用が増加しており、業務収入が減少していることから賄いきれず、基金を取り崩すなど厳しい財政運営となっている。投資活動収支は▲2,651百万円であり、財務活動収支は1,879百万円であった。今後も熊本地震に関連し市庁舎建設事業及び令和2年7月豪雨災害関連事業による地方債発行額が増加していくため、業務活動収支において、プラス収支となるよう、業務の効率化・スリム化に努めていきたい。全体では、業務収入に国民健康保険税や介護保険料、また水道料金等が含まれていることから、業務活動収支は一般会計等より1,541百万円多い、3,357百万円となっている。投資活動収支では、水道事業及び公共下水道事業において各管の老朽化対策等を実施したため、▲2,998百万円となっている。財務活動収支は、地方債の償還額が地方債発行収入を下回ったことから、1,508百万円となっている。連結では、後期高齢者医療広域連合における入院・外来収益等の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,847百万円多い、3,663百万円となっている。投資活動収支及び財務活動収支については全体と同様の状況となっている。
財務書類に関する情報②(2020年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額が、類似団体平均値を大きく下回っているが、これは、特に建物において耐用年数を超えているものが多く、老朽化が進んでいること、また取得年月日等の情報が不足しているものもあり、備忘価額1円で評価しているためである。歳入額対資産比率については、類似団体平均を下回る結果となり、歳入額総額は大きな変動がないため、資産額が年々減少している。有形固定資産減価償却率については、住民一人当たりの資産額からもわかるように市庁舎等の建物が耐用年数を過ぎた資産もあり、類似団体平均を上回っている。上記のとおり、本市では施設の老朽化が特に進んでいる一方で、施設の改修・更新が追い付いていない状況である。平成29年3月に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設等の計画的な更新・長寿命化を進めるとともに、統合や廃止を含めた検討も行っていき、公共施設の適正な管理に努める。
2.資産と負債の比率
純資産比率は、類似団体平均を大きく下回っている。純資産額は固定資産台帳の見直しの影響により増加しているものの、資産額も同様に増額しているため、前年度と同程度の比率となっている。しかし本市では純行政コストが税収等の財源を上回っているため、純資産額を減少させる要因となっている。業務の縮小廃止など見直しを行い、行政コストの削減に努める。将来世代負担比率については、類似団体平均を上回っており、前年度よりも5.7ポイント増加した。これは、令和2年7月豪雨による災害復旧事業や災害廃棄物処理事業等により地方債の借入が増えたことが要因である。今後は市庁舎建設のしゅんエや、災害からの復興に係る公共事業も控えていることから、新規の地方債発行の抑制や高利率の地方債の借り換えなど地方債残高の圧縮に努めていく。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは、近年、類似団体平均を下回っていたが、令和2年度は上回った。これは、令和2年7月豪雨による影響である。災害からの復興に係る各種事業への行政コスト増も想定されることから、今後も類似団体平均を上回ることが予想される。また、それ以上に人口減少が進んでいることから、資格審査等の適正化や独自加算等の見直しなど抜本的な見直しを行い、社会保障費等の増加に歯止めをかけるよう努めていK。
4.負債の状況
住民一人当たり負債額については、類似団体平均を下回っているが、令和2年7月豪雨による災害復旧事業等に係る地方債が増((固定負債・流動負債合計で+1,879百万円)となり、負債総額が増額となった。結果、類似団体平均との差は縮まっており、ほぼ類似団体平均と同となっている基礎的財政収支については、投資活動収支は赤字であったが、それ以上の業務活動収支の黒字があったため、+1,537百万円となっている。業務活動収支が黒字となったのは、新型コロナウイルス感染症に関する臨時収入と令和2年7月豪雨による災害見舞金等の臨時収入による影響が大きく、一過性ものであり、今後も、社会保障給付支出について資格審査等の適正化や各種手当への独自加算等の見直しを行い抑制するなどにより、適正な支出に努める必要がある。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率については、類似団体平均と同程度となっている。今後、施設の老朽化が進み、維持補修等の費用増加も懸念されるため、急激な負担とならぬよう計画的な補修・改修を行っていく。
類似団体【Ⅰ-3】
留萌市
赤平市
三笠市
滝川市
砂川市
歌志内市
登別市
岩沼市
東松島市
潟上市
館山市
小浜市
上野原市
下呂市
熱海市
下田市
伊豆市
伊豆の国市
尾鷲市
熊野市
新宮市
境港市
江津市
柳井市
三好市
善通寺市
田川市
中間市
嘉麻市
小城市
人吉市
水俣市
宇土市
日置市
いちき串木野市
奄美市