下田市
地方公共団体
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2015年度
2014年度
2013年度
2012年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
令和4年度の単年ベースでは財政力指数が0.46となり、令和3年度の0.45と比較して若干増加したが、3か年平均では0.46と減少した。近年では、平成25年度に単年ベースで0.49を記録してから増加傾向にあったが、平成29年度をピーク(0.507)に減少傾向にある。少子高齢化や大都市圏への人口流出による人口減少が顕著であり、税収の減少を筆頭に基準財政収入額が減少する要因である人口減少に対して、子育て支援や移住支援等の人口減少施策を実施し、歳入の確保に努め、健全な財政運営に努めていく必要がある。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
平成30年度より庁舎建設、令和元年度より中学校統合の大型事業が実施されており、平成30年度の90.5%がピークとなっていた。平成30年度を境に改善傾向にあり、令和4年度は令和3年度の80.3%から83.3%と数値は悪化したものの、令和2年度以前よりも弾力性が高い数値となっている。これは、臨時財政対策債の減により分母である経常一般財源が減少したことによるものであると分析する。今後は引き続き交付税措置が有利な起債を借り入れる等、将来負担を可能な限り減らし、事業の見直しによる歳出削減、歳入の確保を強化し、経常収支比率の回復に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口減少が顕著であり、毎年500人程度減少しており、毎年2%以上の減少が続いているため、分母の減少に歯止めがかからない。庁舎建設等の大型事業のほかに焼却場の長期包括委託等の事業が実施されており、物件費が増加しているため、人口減少施策とともに、今後想定される大型事業による物件費の増加以外の物件費について内容をより詳細に精査し、歳出削減を積み重ねていく必要がある。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
平成30年度の99.4ポイントをピークに若干の改善傾向にあるが、類似団体内平均を1.5ポイント上回っている。小規模自治体であり異動及び新規採用職員の年齢層等により職員数の多い自治体と比べ数値が変動しやすい傾向にあるが、今後は全国市平均や類似団体内平均と比較しながら適切な数値の維持を図っていく。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
分母となる人口が、過疎地における少子高齢化、人口流出の影響を受け、500人/年程度の割合で大幅に減少している。そのため、過去5年と同様に今後も増加傾向となることが見込まれる。また、人口は少ないが、市であることにより福祉事務所の設置等、人口同規模の町村に比べ、職員が増える固定要素もある。職員数については定員適正化計画に基づき、適正な人員の確保に努めていく。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
平成30年度の7.3を%ピークに改善傾向にあったが、令和4年度6.2%で、令和3年度の5.9%より悪化した。これは、緊防債・過疎債等の償還開始による元利償還金の増に伴う分子の増及び臨財債発行可能額の減等に伴う分母の減によるものと分析する。既に始まっている庁舎建設などの大型事業と、平成29年度より始まった過疎対策事業債などにより、今後も公債費の増が見込まれるため、事業を精査し、借入額の抑制を図る必要がある。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
平成29年度から令和元年度にかけて将来負担比率が増加していたが、令和2年度は57.5%と改善が見られ、令和4年度は48.9%で、令和3年度より改善した。主な原因としては、平成3年度同意下水道事業債の償還完了等に伴う公営企業債等繰入見込額の減及び財政調整基金等の積立増に伴う充当可能基金の増により、数値の増要因を減要因が上回ったものであると分析する。引き続き、庁舎建設等の大型事業が予定されており、地方債残高の増加が避けられないため、借入れにあたっては、条件の有利な起債の選択等の配慮を行い、将来負担の減少を検討していく。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
類似団体内平均を1.4ポイント下回り、昨年度から1.1ポイント増加した。主な要因としては、退職者の増に伴う退職手当負担金の増等に伴うものである。定員適正化計画や、民間事業者への業務委託等を検討し、適正な人員管理に努める。
物件費
物件費の分析欄
類似団体内平均を0.9ポイント上回り、昨年度と比較すると同ポイントであった。漁港整備及び通学バス等の新規委託による増と中学校及び市道の用地測量委託の完了による減があり結果的に同程度になったものと分析する。今後は大型事業の進捗により、物件費の増加が予想されること、公共施設等総合管理計画に基づく、既存施設の更新・解体関係費用等による経費が発生していくことが予想される。
扶助費
扶助費の分析欄
類似団体内平均を2.5ポイント下回り、昨年度と比較しても0.1ポイント減少した。主な要因としては、子どもの数の減少に伴う児童手当の減等によるものと分析する。今後もこの減少が一過性のものであるのか引き続き減少していくのかを注視していく必要がある。
その他
その他の分析欄
類似団体内平均を0.2ポイント上回っており、昨年度と比較して0.5ポイント増加した。主な要因としては、介護保険特別会計繰出金の増である。本項目は、各会計への繰出金などが多くの割合を占めている。今後は、独立採算の原則に立ち返った料金の値上げによる健全化等を検討していく。
補助費等
補助費等の分析欄
類似団体内平均を1.1ポイント下回り、昨年度と比較すると0.3ポイント増加した。主な要因としては、新規事業として市独自の子育て世帯応援給付金事業を実施したことによるものと分析する。今後も行財政改革の一環として行っている補助金交付事業評価を引き続き実施し、評価基準や視点の精査、事業効果の見極めについて、更なる整理を進めていく。
公債費
公債費の分析欄
類似団体内平均を5.2ポイント下回っているものの、昨年度と比較して、1.2ポイント増加した。主な要因としては、令和元年度同意デジタル無線の元金償還開始に伴うものと分析する。今後も平成29年度から借入れが始まった過疎対策事業債や予定されている大型事業について事業の精査、有利な財政措置の起債を活用し、公債費の増大を最小限に抑制するように努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
類似団体内平均を3.9ポイント下回り、昨年度と比較して1.8ポイント増加した。主な要因としては普通交付税や予算規模が大きく増えているため、公債費の占める割合が減少したことによる公債費以外の割合の増加であると分析する。今後、大型事業が予定されており、普通建設事業及び物件費の増加が見込まれる。そのため、歳出の取捨選択等のスリム化と一般財源の確保に努める必要がある。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
【総括】少子高齢化・過疎化の影響は著しく、人口が500人/年程度減少しており、住民一人当たりのコストの上昇の主因となっている。これについては今後も続く見通しで、人口減少施策に取り組んでいくことが重要な課題である。【総務費】令和3年度と比べて増加しているのは、市民文化会館改修工事の皆増によるものである。今後、庁舎建設事業が本格化していく中で、総務費の増大は避けられない状況であるため、内容精査及び財源確保に努める。【商工費】令和3年度より数値が減少している。これは、新型コロナウイルス感染症の影響で停滞した地域経済の活性化のための感染拡大防止協力金や利子補給、各種補助金等の施策の完了による皆減が主因となっている。【衛生費】平成30年度より徐々に増加しており、焼却場の長期包括委託の導入や広域でのごみ処理施設整備に伴う委託料の増等によるものである。今後工事等を控えているため、さらに増加する見通しである。【教育費】令和2年度より行っている市内の中学校を統合する中学校整備事業が教育費増加の主因となっていたが、同事業は令和3年度で完了したため、令和4年度は大幅な減となっている。今後も児童及び生徒数の減少に伴い、長期的な数値は減少していくものと見込まれる。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
【総括】少子高齢化・過疎化の影響は著しく、人口が500人/年程度減少しており、住民一人当たりのコストの上昇の主因となっている。これについては今後も続く見通しで、人口減少施策に取り組んでいくことが重要な課題である。【物件費】平成29年度より増加傾向にある。分母である人口の減少に加えて令和4年度は漁港整備及び通学バス等の委託料の増に伴い増加したものと分析する。【普通建設事業費】新規整備の大幅な減少は中学校再編整備事業の完了に伴う工事費等の皆減によるものとなっている。また、更新整備の増加は橋りょうの耐震補強工事の箇所数増等によるものとなっている。【積立金】平成29年度より増加していたが、令和4年度は減少した。主な要因として令和3年度に実施した臨時財政対策債償還基金分による減債基金積立金が令和4年度は皆減したこと等が挙げられる。ふるさと納税が年々増加しており、それに伴い今後上昇していくものと見込まれる。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄行財政改革の取組等により、実質収支は継続的に黒字を確保しており、令和2・3年度に引き続き実質単年度収支についても黒字となった。財政調整基金の残高及び標準財政規模に対する割合も対前年比増でありこれはコロナ禍の受診控え等に伴う民生費及び衛生費の未執行額が多かったことに起因している。庁舎建設及び広域ごみ処理等の大型事業に伴い、財政調整基金を含めた基金の大幅な取り崩しを検討しており、引き続き中長期的な視点での行財政改革を進める。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄令和2・3年度決算に引き続き、一般会計は過去5年の中で最も大きい黒字額となった。また、下水道事業会計においては、令和元年度に公営企業に移行し、4年目の運営をしていく中で、引き続き黒字額を確保している。介護保険特別会計については、令和3年度ほどではなかったが、令和2年度以前に比べコロナ等の影響によりサービスの利用が減少しており、それに伴い給付費が減少し、繰越金が増加し黒字額も令和2年度以前より増加した。今後市庁舎建設、広域ごみ処理施設整備事業が本格化していくため、引き続き同程度の水準を保ちつつ、老朽化施設の更新を進めていく。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄平成19年度以降公的補償金免除繰上償還の実施や大型起債事業の抑制によって、一般会計における元利償還金と公営企業債の元利償還金に対する繰入金の計は、平成28年度まで毎年減少傾向にあった。しかし、令和2~3年度にデジタル無線整備事業及び統合中学校整備事業という大規模事業の財源に起債を充てており、さらに今後庁舎移転事業や広域ごみ処理施設整備事業が予定されており、元利償還金の増加は避けられず、平成29年度の過疎地域の指定に伴う過疎債の借入開始に伴い、元利償還金は増加すると考えられるため、交付税措置が有利な借入れの選択、徹底した事業精査を行い、その他の借入れを抑制することにより分子の増大抑制を図っていく。
分析欄:減債基金減債基金残高のうち、当該目的での積立額はありません。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄一般会計等に係る地方債の現在高は、新規借入額が起債償還額以内となるよう事業を整理、縮小したことにより減少してきたが、近年平成29年度に過疎団体に指定され過疎債の借入が増加していることにより地方債残高及び基準財政需要額が増加している。加えて庁舎建設事業、広域ごみ処理施設建設事業等の大型事業を予定しており、令和4年度は減少したが、今後は増加する見通しである。また、事業執行に当たっては基金の充当も考えており、充当可能財源等も減少することとなるため、将来負担比率の分子は大幅に増大する。今後は起債償還額に対する新規借入額の割合を抑制することにより早期の地方債残高の縮小に取組むよう努めていかなくてはならない。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)ここ数年増加しており、理由としては次の2点が挙げられる。1点目は、平成29年度より過疎地域に認定されたため、過疎対策事業債の発行が可能となった。過疎対策事業債の発行が増えることによる将来負担の増を抑制するため、過疎対策事業債発行額のうち、普通交付税の基準財政需要額に算入されない約3割相当額を減債基金に積み、償還原資とすることとしたため、減債基金が増額となっている。2点目は、ふるさと応援基金の積み立てが繰り入れの倍程度の額となっており、ふるさと応援基金が増額となっている。(今後の方針)今後庁舎建設や広域ごみ処理施設整備等の大規模事業その他の市有施設の維持修繕に費用が重なっていくことが想定されるため、財政調整基金の積み立てと取り崩しのバランスに注意しつつ、財政調整基金と減債基金の残高確保を目指していく。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)前年度に引き続き増加している。これはコロナ禍により民生費や衛生費で事業の執行残が多くなり繰越金が増加したため財政調整基金に積み上げる金額が増加している。また、災害等による臨時的な支出も少なかったため、結果的に大きく増加している。(今後の方針)引き続き緊張感をもって財政運営に努め、10億円を維持していくことを目指していく。
減債基金
減債基金
(増減理由)平成29年度より発行可能となった、過疎対策事業債の発行額が増えることにより、将来負担が増加するため、それを抑制する目的で、発行額の3割を積み立てて償還原資としている。また、令和3年度は、追加交付となった普通交付税の一部を減債基金に全額積み立てたため例年より大幅に残高が増加したが、令和4年度は追加交付がなかったため、昨年よりも増加が少なかった。(今後の方針)今後も過疎対策事業債の借入れに合わせて積み増し、過疎対策事業債の償還に合わせて取崩しを行っていく。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)庁舎建設基金・・・・・・市庁舎を建設するために必要な資金を積み立てるための基金ふるさと応援基金・・・・ふるさと応援基金条例に資することを目的とした事業に要する経費に充てるための基金子育て支援基金・・・・・子育て支援活動の推進を図るための基金ほのぼの福祉基金・・・・高齢者福祉活動の推進を図るための基金景観まちづくり基金・・・・景観まちづくり活動の推進を図るための基金(増減理由)庁舎建設基金・・・・・・大規模事業が行われなかったため増減なし。ふるさと応援基金・・・・事業への充当金額が40百万円減少したことによる。子育て支援基金・・・・・寄附額の増により、基金積立金が取崩額を16百万円上回ったことによる。ほのぼの福祉基金・・・・寄附額の増により、基金積立金が取崩額を4百万円上回ったことによる。景観まちづくり基金・・・・寄附額の増により、基金積立金が取崩額を7百万円上回ったことによる。(今後の方針)庁舎建設基金については、予定されている庁舎建設事業の財源として、計画的な積み立て・取り崩しを行っていく。ふるさと応援基金等については、積立額の増額に努め、事業執行の財源として計画的に取り崩しを行っていく。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産減価償却率については、類似団体平均値を大きく上回っている。これは、平成半ばの頃に財政緊縮措置として固定資産の更新を先送りとしたことに起因するものである。令和2年度との比較では数値が0.6ポイント改善しており、これは統合中学校整備事業による施設の大規模改修によるものであると分析する。今後学校以外の施設も大規模な更新や統廃合による解体等が控えているため、数値が大きく変動することが見込まれている。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還費率については、類似団体平均とほぼ同じである。平成30年ごろに高止まりし近年減少傾向にあるが、これは普通交付税の増加に伴う分母の増が要因となっており、今後過疎債の本償還開始や庁舎等の大規模事業が控えているため、分子の増に伴い上昇する見通しである。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率は58.0ポイントであり、前年比より+0.5ポイントとなっている。基金等の増による充当可能財源の増を過疎債等起債の新規借入れによる増が若干ではあるが上回ったことによるものであると分析する。大規模事業を過疎債をはじめとした起債に頼らざるを得ない当市において将来負担比率は類似団体より依然として高い傾向にあり、今後控える庁舎建設や広域ごみ処理施設といった事業等を勘案すると、さらに上昇することが見込まれている。また、有形固定資産減価償却率については、これら大規模事業を行うと減少する可能性があるが、図書館等その他の公共施設も老朽化が進んでおり、減少に転じるかどうかは不透明である。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率については、平成30年度をピークに減少傾向にある。これは、算出式における基準財政需要額に算入された公債費の増による分子の減及び普通交付税の増による分母の増が要因である。一方で将来負担比率については、当年度は微増であったが依然として高い傾向にあり、今後も過疎債の借入等の影響で増加する見通しである。それに伴い、実質公債費比率も比例して上昇する見通しであると分析する。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
令和2年度と比較して学校について有形固定資産減価償却率が類似団体と比べて高くなっていたが、令和3年度に完了した統合中学校整備事業による大規模改修の影響で中学校分の数値が大きく改善した。また、4校あった中学校を1校に集約したため一人当たり面積については大きく減少している。その他施設全体を見ると、特に道路及び公営住宅で有形固定資産減価償却率が高くなっている。これは、平成10年代ごろより行っていた緊縮財政の影響で大規模な維持管理事業を十分に行えていなかった影響が顕在化しているものと思われる。特に道路については、現在も十分に予算措置できているとはいえず、今後も上昇するものと思われる。また、公営住宅については令和元年度ごろより徐々に大規模改修を行っておりある程度の低下は見込むことができる。学校についても、小学校分については依然高くなっている。一方で、平成26年ごろ統合事業が完了した認定こども園・幼稚園・保育所や、近年計画的に大規模改修や長寿命化を行うことができている橋りょう・トンネル及び港湾・漁港(港湾・漁港については、結果として一人当たり有形固定資産(償却資産)額も類似団体と比べて高くなっている。)、統廃合によって老朽化施設数が減少した公民館については、類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が同程度か低い数値となっている。公営住宅及び公民館は一人当たり面積が類似団体に比べて低いが、これは公営住宅については整備当時に持家の保有率が比較的高いことでそれほど多くの公営住宅を整備してこなかったこと、公民館については統廃合により施設数自体が減少したことに起因していると思われる。いずれも引き続き老朽化施設の廃止等の見直しを公共施設等総合管理計画等を活用しながら推進していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
庁舎の有形固定資産減価償却率が市有施設内や類似団体と比較しても圧倒的に高い。これは、最長築65年を経過する棟があり大規模改修も平成8年度に行ったのみであるためである。新庁舎の建設は市の喫緊の課題であり、当初計画では令和3年度までに新庁舎を整備する予定であったがコロナの影響もあり令和8年度まで延長することとなった。分庁舎等もないため、整備完了後は数値の大幅な低下が見込まれる。その他の施設では、一般廃棄物施設及び図書館の減価償却率が類似団体に比べて高くなっている。一般廃棄物処理施設については昭和57年に建築したじん芥処理場の老朽化が進んでいるが、周辺3町との合同で広域での建設を令和9年度までに整備する見込みであり、庁舎と同じく大幅な低下が見込まれる。なお、同じく周辺1町と広域化している汚泥処理施設については平成18年度築であり比較的新しい状態である。図書館については、昭和50年築及び平成11年度に大規模改修を行っており、今後整備の見通し等たっていないことから有形固定資産減価償却率がさらに高くなる見通しである。一方、常備消防分については周辺4町と一部事務組合を構成し比較的計画的に施設の更新を行うことができていて、かつ非常備消防分についても計画的に詰所等の更新や老朽化施設の統合及び廃止を行うことができている消防施設や、平成3年度から6年度に建設し大規模改修等も計画的に行うことができている体育館・プール及び市民会館については類似団体と比べて同程度か低い水準を保っている。なお、市民会館については、令和4年度より大規模改修を実施しており、今後数値が低下する見込みである。体育館・プールについては共に1施設ずつしか所有していないにもかかわらず類似団体で保有している団体が少なく、分子となる人口も減少しているため、一人当たり面積も類似団体に比べて大きくなっている。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等における資産の状況は増である。これは、中学校再編整備等による校舎及び体育館等の学校施設の大規模資産の増加が減価償却を上回った結果によるものであると思われる。また、交付税の増等に伴う財政調整基金及び減債基金の増も要因となっている。負債の増加の要因は、地方債関連(10,230百万円)の増加によるもの。地方債の増加は、上記の中学校再編整備関係などの大規模事業の財源として負債に計上された。全体、連結における資産及び負債の状況は微増である。これは、上記の一般会計の増の影響が大きく、一般分を除くと微減であり、上下水道管渠等の減価償却が主な理由である。
2.行政コストの状況
一般会計等における行政コストの状況は大幅な減となっているが、経常収益は増加しているが、費用が減少しているためである。これは、経常収益として扱われる市民税・固定資産税等における未収金が増加(昨年比+32百万円)した一方で、特別定額給付金事業の皆減に伴う移転費用の減少(昨年比1,657百万円)が主な原因である。その他項目については物件費が増加(昨年比+196百万円)となっており、これはじん界処理場の長期包括委託の本格導入等に伴うものであると分析する。
3.純資産変動の状況
一般会計等の純資産差額については、ほぼ横ばいとなっている。これは、特別定額給付金事業は皆減となったものの、ワクチン接種事業等に伴い国県等補助金が引き続き多いことが主な要因である。例年比較的費用がかかっている維持補修費などの影響で純行政コストが財源を上回っている状況となっているが、コロナの特殊要因を除いて考えると維持補修費は令和2年度以前と同程度かかっており、今後も考慮する必要がある。その他の項目については、税収等の増(+55百万円)が挙げられ、当市において新型コロナウイルスの影響は、税分野では限定的であったと思われる。また、地方交付税(+309百万円)や地方譲与税(+160百万円)が増となっており、財源の増につながっている。
4.資金収支の状況
業務活動収入が令和2年度に引き続き令和元年度以前と比べて大幅に上回っており、これは税収等の増(+55百万円)が主な要因である。また、特別定額給付金事業の皆減の影響で国県等補助金収入(△1,768百万円)及び業務支出のうち移転費用支出(△1,657百万円)が減少しているが、これらを除いて考えると地方交付税(+309百万円)や地方譲与税(+160百万円)が増となっており、実質的な国県等補助金収入は増加していると分析する。投資活動収支については、令和2年度に引き続き、令和元年度以前と比べて支出が高水準となっており、収入の伸びを上回ったことにより差し引きで増となっている。これは、中学校再編整備等により公共施設等整備費支出が増加(+848百万円)したことが主な要因である。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
住民一人当たり資産額及び歳入額対資産比率については、資産のうち取得価格が不明で、備忘価格1円となっている資産が存在するため、類似団体平均値を大きく下回っている。また、分母となる人口が毎年度500人程度減少していることもあり、今後も上昇する見込みである。有形固定資産減価償却率については、類似団体平均値を大きく上回っている。これは、平成半ばの頃に財政緊縮措置として固定資産の更新を先送りとしたことに起因するものであり、今後大規模な更新や統廃合による解体等が控えているため、数値が大きく変動することが見込まれている。また、単年度で比較した場合、令和元年度までは1%程度ずつ増加していたが、令和2年度及び本年度はほぼ横ばいになっている。令和2年度はデジタル防災行政無線施設整備、令和3年度は中学校再編整備により例年と比較して資産が増加したことによるものと分析する。
2.資産と負債の比率
純資産比率については類似団体平均値を下回っているが、負債である地方債の半分以上が臨時財政対策債によるものであり、実質的にはその元利償還金が地方交付税により措置される。また、平成30年度を境に純資産比率が下がっているがこれは多くの投資的事業の財源を起債で賄っていることによるものであると分析する。将来世代負担比率については、令和元年度まで類似団体平均値を下回っていたが、令和2年度増加により上回り、令和3年度はさらに差が開いた。これは、過疎債の増等による地方債残高が増加していることが要因であり、今後も施設の大規模な更新が控えているため、さらに増加することが見込まれている。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストについては、類似団体平均値を下回っているものの、特別定額給付金があった令和2年度を除いて比較すると近年増加傾向にあり、給付金以外にも、社会保障経費(特に扶助費)の増加や維持修繕・委託などの物件費の増加等、行政コストは増加していくものと見込まれている。
4.負債の状況
住民一人当たりの負債額については、令和2年度までは類似団体平均値を下回っていたが、令和3年度より上回った。これは、中学校再編整備等による起債残高の増及び分母となる人口が毎年度500人程度減少していることが原因と考えられ、今後も増加する見込みである。基礎的財政収支については、類似団体平均値を大きく下回っている。これは、中学校再編整備により投資活動収支が大きく下がっており、その財源を財務活動収入で賄っているためである。これから大規模な公共施設の更新が控えているため、このような指標の状況は続くものと見込まれている。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率については、令和2年度まで類似団体平均値を下回っていたが、令和3年度より上回った。未収金等の増に伴う経常収益の増が主な要因であり、今後も受益者負担の適正化を含めた行財政改革を推進していく必要がある。しかし、施設の老朽化に伴う維持修繕費等が大きくなっており、さらにこれから大規模な公共施設の更新が控えていることもあり、数値が大きく変動することが見込まれている。
類似団体【Ⅰ-3】
留萌市
赤平市
三笠市
滝川市
砂川市
歌志内市
登別市
北斗市
三沢市
岩沼市
東松島市
能代市
潟上市
つくばみらい市
館山市
勝浦市
いすみ市
大網白里市
南足柄市
小浜市
熱海市
下田市
伊豆市
伊豆の国市
岩倉市
弥富市
尾鷲市
熊野市
宮津市
相生市
養父市
新宮市
境港市
益田市
江津市
柳井市
三好市
善通寺市
さぬき市
東温市
田川市
中間市
嘉麻市
小城市
嬉野市
人吉市
水俣市
由布市
日置市
いちき串木野市
奄美市
南城市