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市内に大型事業所がなく、長引く景気低迷と人口減少により厳しい状況が続いているため、市税収入の増加が見込めず、交付税に大きく依存した財政構造である。このため財政基盤が弱く、類似団体、全国・長崎県平均より低い水準で推移している。市税の徴収確保を図りながら、国・県補助金の活用など財源確保に努めるとともに、経常経費の削減による歳出抑制を行い、財政の健全化を図る。
平成21年度からは類似団体の平均を下回っているものの依然高い状況にあり、財政構造の弾力性の確保のためには更なる改善が必要である。今後は、市税等の徴収確保、歳出においては第二次定員適正化計画や行政改革推進計画、財政健全化計画(第2次計画)に基づいた人件費抑制、事務事業の見直し、繰上償還の実施など財源確保と経常経費の抑制に努める。
人口1人当たりの決算額が類似団体より大きいのは、人件費が主な要因となっている。これは、地形が南北に縦長である本市特有の地理的要因が考えられること、また、有人離島を抱えていることから、行政機関(支所・出張所、教育関連施設、消防出張所等)を複数設置する必要があるため、類似団体より職員数が多い状況である。平成18~平成21年度までの定員適正化計画では計画以上の削減を行ったが、平成25年度からは今後10年間で72名の職員削減を目指す第二次定員適正化計画をもとに、引き続き職員の適正配置に努め、施設や事業の民間委託等を検討しながら人件費を抑制していく必要がある。
人口は年々減少しているものの、南北に縦長の本市特有の地形や大島村をはじめとした有人離島を抱えていることから、支所、出張所(消防も同様)及び教育関連施設を複数設置しており、類似団体等を上回っている状況にある。平成28年度から合併算定替による交付税の逓減が始まることに伴い、平成24年度に策定した第二次定員適正化計画により定員管理の適正化に努める。
類似団体と比較すると同程度の比率で推移している。平成19~21年度に実施した公的資金補償金免除繰上償還、平成22~平成26年度に実施した任意の繰上償還により、市債残高は減少傾向となっている。今後も、計画的な繰上償還と交付税措置のある起債の借入れを行いながら、将来的な公債費負担の抑制を図るものである。
将来負担比率は減少傾向にある。これは、計画的な繰上償還の実施による地方債残高の減や北松北部環境組合の施設整備の財源とした既発債残高の減による組合等負担見込額の減、計画的な定員適正化による退職不補充に伴う退職手当負担見込額の減などにより将来負担額が減少しているためである。また、普通交付税の増額に伴う標準財政規模の増、財政調整基金及び減債基金の積立による充当可能基金の増額なども要因である。今後も計画的な繰上償還の実施や定員適正化による職員数の削減と併せ経常経費の削減を図るなど行財政改革を進め財政の健全化に努める。
年々減少の傾向にあり、定員適正化計画を上回る職員数の削減(退職不補充、早期退職促進)等により人件費の抑制が図られている。類似団体と比較すると人件費に係る経常収支比率は低くなっているが、ゴミ処理業務に係る一部事務組合の負担金といった人件費に準ずる費用を合計した場合の人口一人当たりの歳出決算額は類似団体平均を上回っており、今後はこれらも含めた人件費関係経費全体について、抑制していく必要がある。
類似団体、全国平均・長崎県平均を下回っている状況であるが、近年増加傾向にある。平成26年度の増加については、退職者不補充に伴う臨時職員賃金や定期予防接種委託料の増が主な要因である。今後も引き続き、平成19年度予算編成から実施している経常経費の枠配分減額などによる歳出抑制に努める。
全国・長崎県平均を下回っており、類似団体と比較しても同水準で推移しているが、年々上昇傾向にある。その要因としては、高齢化や長引く景気低迷などの社会情勢による障害者自立支援給付や生活保護費の増である。今後も引き続き資格審査等の認定や給付の適正化に努める。
近年は類似団体、全国平均・長崎県平均より低い状況で推移している。経費の内訳として繰出金が主なものである。特別会計への繰出金については大部分が一般財源で賄われているため、歳入確保や医療費などの抑制を図り、普通会計の負担額を減らしていくよう努める。
類似団体、全国平均・長崎県平均より高い水準のまま横ばいの状況である。主な要因は、本市と近隣市の2市で構成するごみ・し尿処理を行う一部事務組合(北松北部環境組合)に対する運営負担が多大なためである。この負担金には公債費負担を含んでいるため、償還期限の平成31年度までは同程度の水準で推移すると見込まれる。
類似団体、全国平均より高い数値ではあるものの年々減少傾向にあったが、平成26年度は合併特例債の償還据置年数短縮に伴う償還元金の増により増加に転じた。今後は平成22年度から行っている任意の繰上償還を引き続き行い、将来的な財政健全化を図る。
類似団体と同水準で移行しているが、定員適正化計画の実施による人件費の抑制や一般事務経費の減額配分による物件費の抑制、補助金の見直しによる補助費等の抑制などにより歳出一般財源は年々減少傾向にある。市税収入の少ない本市は、地方交付税などに依存した財政構造であり、国庫補助、交付税の影響が財政指標に直結している。このため、今後も国の動向を注視しながら経常的な歳出抑制に努めていく。
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