経営の健全性・効率性について
当企業団は、県営伊良原ダムを水源とする用水供給事業体であるが、ダムの完成が遅れ未完成のため、平成13年の浄水場の供用開始以降、北九州市からの分水により施設能力6割弱という非効率な運転で事業を行っている。そのため、構成団体の水道事業経営を考慮し、供給料金を資金ベースで設定し、構造的に赤字を発生させながら必要最低限の経費で事業運営を行ってきた。平成23年度に県補助金が増額されたことにより黒字転換し、以降平成27年度までは黒字を計上していた純損益は、平成28年度には人件費等の経費の増額により純損失を出したものの、本年度においては改善し、純利益を計上することとなった。また建設中であった伊良原ダムについては、本年度3月に竣工し、試験湛水中ではあるが、平成30年度4月から取水できることとなった。
老朽化の状況について
平成13年より供用を開始した比較的新しい施設のため、管路については、老朽化の取組は行っていない状況である。浄水施設に関しては、電気計装品等の耐用年数が到来しているものがあり、計画的に更新を行っているところである。
全体総括
上記のとおり、本年度までは暫定的な運営となっており、老朽施設更新もこれからというところである。一方、各構成団体水道事業においては減収や老朽施設更新等により厳しい経営となることが予想される。このことから構成団体が一体となって効率的運営を推進することが重要であるため、平成28年度に構成団体も含め経営戦略を策定し、本年度には広域統合に向け、「田川地域水道事業の統合に関する覚書」を締結し、平成31年度の経営の一体化、平成35年度の事業統合に向け、準備を進めているところである。