経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、80%台で推移しており、経費削減や接続率向上を図る必要がある。経費回収率については、類似団体平均を下回り、また、平成27年度の値が下がっているが、流入水質の悪化による維持管理費の増等によるものである。汚水処理原価については、類似団体平均を大きく上回っており、平成27年度については維持管理費の増と資本費の高止まりが要因である。そのため資本費平準化債を活用し資本費低減を図っている。また、投資の効率化や有収水量の確保が急務である。企業債残高対事業規模比率は、横ばいの状態だが、今後、企業債残高は減少する見込みのため緩やかに減少するものと考えられる。施設利用率については、類似団体平均と比べ、低い数値に留まっているが、合流式下水道地域を含むため、雨天時には稼働率が上昇する。水洗化率は、管渠の面整備を進める中で徐々に上昇してきているが、類似団体平均値を下回っており、引き続き水洗化率の向上を図る。
老朽化の状況について
昭和54年度から供用を開始しており、管渠改善率については管渠更新の実績が無いため数値は0であるが老朽化も目立ってきている。そのため、平成28年度から管渠施設長寿命化計画を策定している。また、終末処理場・ポンプ場の改築工事については、平成15年度から着手し、平成25年度から新たに作成した長寿命化計画(6ヶ年)に基づいて改築更新事業を推進している。
全体総括
経営状況については、総じて厳しい状態が続いている。要因として、地理的要因による汚水処理原価の高止まりや上昇傾向にあるがまだ類似団体平均値を下回る水洗化率などが挙げられる。より一層、維持管理費の削減や接続率の向上を図ることが経営を安定させる上で重要である。また、施設については、老朽化が進んでおり、下水道事業全体の見直しの検討をする中で更新費用の平準化を図り、持続可能な経営をしていくことが必要とされる。