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基準財政需要額については、昨年度までの給与削減措置の復元や臨時財政対策債の元利償還金の増により、昨年度と比較して0.2%の増となったが、消費税率の引き上げによる地方消費税交付金の増により、基準財政収入額も0.5%の増となったことから、単年度では概ね横ばいとなった。しかしながら、近年の人口減少や高齢化の進展により、市税等の収入が落ち込む中で、3か年平均では類似団体平均値を下回っている。今後も人口減少・少子高齢化が進むことが予想されることから、平成25年度に策定した第3次長門市経営改革プランに基づき、歳入規模・構造に見合った歳出構造への転換を図ることに加え、人口減少にも歯止めをかけていくため、平成27年10月に策定した長門市まち・ひと・しごと創生総合戦略に沿った取組を着実に推進する。
普通交付税の減により、経常一般財源歳入額が昨年度と比較して1.5%の減となったことに加え、昨年度までの給与削減措置の復元による人件費の増や、平成25年10月から診療を開始した応急診療所の運営費の増等による物件費の増の影響で、経常経費充当一般財源が前年度と比較して0.5%の増となり、比率が前年度より1.9%悪化した。今後も人件費や公債費の削減など、財政健全化へ向けた取り組みを進め、経常経費抑制に努める。
定員適正化計画に沿った職員数の削減は行われているものの、昨年度までの給与削減措置の復元により人件費が増加、また、海岸漂着物地域対策事業の実施等により物件費も増となったことに加え、人口の減少により人口一人当たりの決算額は昨年度より増加している。このため、第3次長門市経営改革プランに沿った行政組織の一層のスリム化と、公共施設の在り方について抜本的な見直しを進め、経常経費の抑制に努める。
昨年度から0.8ポイント改善したものの、類似団体平均値と比べても依然として高い状況にある。このため、定員適正化計画と合わせて、給与構造の改革等を講じ、人件費総額の抑制に努める。
定員適正化計画による職員数の削減効果は年々表れているものの、旧1市3町による合併市であり、近年の人口減少と合わせて職員数が依然として高い数値となっており、類似団体平均値を大きく上回っている。なお、第2次定員適正化計画による平成25年度末までの削減目標37人を達成(実績40人)しており、今後も第3次定員適正化計画に沿って適正な定員管理に努める。
合併後の大型建設事業にかかる起債の償還に伴い、近年では類似団体平均値を上回っているものの、市債の発行抑制と近年に実施した繰上償還により、比率は1.9%の改善となった。しかしながら、市税等の自主財源に乏しく、建設事業の財源の多くを市債に頼らざるを得ず、今後も合併特例債を活用した大型建設事業を予定しているため、引き続き市債の発行抑制に努め、市債残高の削減を図る。
第2次長門市経営改革プランに沿った定員適正化や、市債の繰り上げ償還等による財政健全化の効果が表れており、比率は年々改善している。特に平成26年度においては、臨時財政対策債をはじめとする市債発行の抑制に加え、職員数の減に伴い退職手当負担見込額が減少したことにより、昨年度と比較して10.6%改善し、類似団体平均値も下回っている。しかしながら、新市建設計画に沿った大型建設事業は平成31年度まで予定されていることから第3次長門市経営改革プランに沿った行政機構のスリム化や、公債費等の義務的経費の削減を中心とする財政健全化の取り組みを進め将来負担軽減に努める。
定員適正化計画の削減目標を前倒しで達成するなど、人件費の大幅な削減を実施しているものの、旧1市3町の合併市であり、人口規模に比べて職員数が多いことから、依然として類似団体の平均値を上回る状況にある。引き続き、定員適正化計画による職員数の削減や、諸手当等の減額、市独自の削減措置を講じ、人件費総額の抑制に努める。
物件費に係る経常収支比率は、類似団体平均値をやや下回っているものの、市の区域面積が比較的広く、行政効率が低いことや、合併時に抱えていた旧団体ごとの公共施設等の整理統合が進んでいないことに加え、施設の老朽化による修繕等が増加傾向にあることから、比率は0.5%の増となり、依然として高止まりしている。今後も、第3次長門市経営改革プランに基づいた経常経費の削減策を実施しながら、アウトソーシングと合わせた公共施設の統廃合や有効活用を図る。
扶助費に係る経常収支比率は類似団体平均値を下回っているものの、近年、介護給付費や福祉医療費は増加傾向にあり、平成26年度においても、社会情勢を背景に障害福祉サービス等給付費、生活扶助費などが大きく増加していることに加え、臨時福祉給付金給付事業の実施により、前年度と比較して、0.4%の増となっている。今後も資格審査等の適正化や各種福祉施策の見直しを行い、市民生活に与える直接的な影響を考慮しながら施策の重点化を進め、財政を圧迫する上昇傾向に歯止めをかけるよう努める。
その他に係る経常収支比率が類似団体平均値を上回っているのは、合併後の生活基盤平準化のための下水道施設整備等による公営企業会計への繰出や、国民健康保険事業会計等への赤字補てん的な繰出が要因となっている。また、庁舎建設基金を創設し、600,000千円の積立を実施したことも要因となっている。
平成17年度以降、補助費等に係る経常収支比率が類似団体を大きく下回っているのは、市町合併時に一部事務組合を構成していた、消防及び清掃部門を直営としたことによる。今後も、第3次長門市経営改革プランに基づき、補助金の交付に関する基準も含めて、毎年度見直しを行うことで、適正な支出に努める。
平成19年度から平成23年度に実施した公的資金補償金免除繰上償還から一定の効果が表れ、公債費の決算額については前年度と比較して、4.0%の減となったものの、地方税等が減少傾向にあることや、普通交付税の減により、比率は前年度からほぼ横ばいとなった。平成26年度においては、新市建設計画に基づく建設事業が集中していたことなどから、市債は前年度と比較し、11.6%の増となり、また、引き続き大型建設事業が平成31年度まで予定されていることから、公債費の負担割合は増加するものと推測されるため、公債費の負担水準を勘案しながら、普通建設事業を実施していく。
公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体平均値を下回っているものの、地方税等が減少傾向にあることや、普通交付税合併算定替が平成27年度から漸減となることから、今後も、第3次長門市経営改革プランに基づく事務事業コストの削減に努める。
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