経営の健全性・効率性について
【単年度の収支】収益的収支比率は、平成25年度より大きく下降し本年度75.79%となっているが、公債費の減少に伴い、一般会計からの繰入金が減少していることが原因であり、経営状況が悪化しているものではない。【債務残高】企業債残高対事業規模比率は、施設整備は完了し年々減少している。今後も大きな投資は予定しておらず、数値は下降していく見込みである。【料金水準の適切性】経費回収率は、類似団体平均値及び全国平均値を大きく上回り推移し、本年度は100.42%となり、適正な料金水準であるといえる。【費用の効率性】汚水処理原価は、類似団体平均値及び全国平均値を下回っている状況が続き、比較的経費が抑えられているといえる。【施設の効率性】施設利用率は、20%を割る状況である。当該事業は人口減少による利用率低下が著しい区域を対象としており、今後も数値の低下が懸念される。【使用料対象の捕捉】水洗化率は、平成23年より100%となっている。
老朽化の状況について
平成12~13年にかけて供用開始された事業であり、供用開始後16年が経過したところで、比較的老朽化は進行していない状況である。現時点では適切な維持管理を行うことで施設の延命化に努めながら、施設更新に向けて検討し、計画的な更新を実施していく。
全体総括
本事業は、平成12~13年度に供用開始し、整備率及び水洗化率はともに100%となっている。経営状況は、類似団体平均値と比較しても概ね良好な状況であるが、施設利用率が低く、効率的な施設運営の観点で問題がある状況である。しかしながら、当該事業区域は地理的に過疎化が一層進んでいる地域であり大きく好転させることは困難である。今後は、平成29年4月に地方公営企業法を適用し、企業会計方式に移行することで、事業の計画性や透明性の確保、財政状況及び経営状況の透明化・明確化を図り、本年度策定した中長期的な経営の基本計画である「経営戦略」に基づき、計画的で合理的な事業運営を図る。