地域において担っている役割
兵庫県において、重症患者等に対応する「新型コロナウイルス感染症重症等特定病院」に位置づけられている。通常診療においても、地域医療機関・介護全体と連携・協調して、高度急性期、高度専門、政策・先端医療の中核を担う阪神南北医療圏域の基幹医療機関であり、特にER型救命救急センター、小児救命救急センター、総合周産期母子医療センター、災害拠点病院等の政策性・公共性の高い医療機能の発揮が求められている。また、48の診療科を有することから、幅広い疾患領域への対応と総合診療能力の高さが特質である。
経営の健全性・効率性について
令和2年度以降、新型コロナウイルス患者への対応のため、一部病棟の専用病棟化や休止により、病床利用率は低下しているものの、効率的な病床運営や手術件数の落ち込みを最小限にとどめた結果、診療単価は増加傾向にあり、令和3年度は医業収益比率も前年度より改善している。経常収支比率は空床補償の補助金等もあり黒字を確保できており、これまで累積欠損金もなく健全に経営を行えている。
老朽化の状況について
平成27年7月に開設された病院であることから、建物・設備等の老朽化は比較的少ない。また、災害拠点病院として免震構造を備え、72時間の備蓄体制も整備している。一方、旧病院から引き継いだ医療機器の一部には更新予定に至るものが存在することから、経営収支の状況を踏まえつつ、医療機能の発揮に支障が生じないタイミングで計画的な機器更新を行っていく。
全体総括
阪神南北の高度急性期、高度専門、政策・先端医療を担う総合診療能力の高いレベルでの発揮が求められる地域の基幹病院として、高い病床利用を確保していることから、地域における役割は十二分に果たしている。また、兵庫県の「新型コロナウイルス感染症重症等特定病院」に位置づけられ、重症患者等への対応も行っている。当面は通常診療とコロナ診療の両立を図りながら、ポストコロナを見据え、紹介患者や3次救急患者の確保など当院の役割である高度医療の推進に取り組み、経営基盤の安定化を図る。