地域において担っている役割
国指定の地域がん診療連携拠点病院、地域医療支援病院、救急告示病院、地域周産期母子医療センター、災害拠点病院などの公的役割を持ち、地域の中核病院としての機能を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和元年度において、収入面ではがん診療、地域医療連携取組強化などによる入院患者数の増、病床利用率(④)の上昇、患者1日当たり単価(⑤⑥)の上昇などにより増収となったものの、費用面では職員数の増、薬品・診療材料費の増により支出増となった。その結果、①経常収支比率、②医業収支比率においては前年度を下回ったが、これは前年度において退職給付費用の減少による収支改善があったためである。また、③累積欠損金比率が類似病院平均値より低水準となっているのは、地方独立行政法人へ移行し4年しか経過していないことによるものである。
老朽化の状況について
地方公営企業法の全部適用から地方独立行政法人への移行時に有形固定資産は設立団体(東大阪市)から承継した。その際、移行時の有形固定資産については、建物を時価(償却後再調達原価)で、医療機器を簿価(償却後残存価額)で、それぞれ承継している。しかし、減価償却費については、移行時から新たに計上されるため、移行前の減価償却累計額は承継していない。そのため、①有形固定資産減価償却率、②機械備品減価償却率及び③1床当たり有形固定資産の3指標において、全国平均、類似病院平均値と比較し大きく乖離し、低くなっている。
全体総括
令和元年度は経常収支比率・医業収支比率ともに100%を下回ってしまったが、年々、改善の傾向が伺える。今後、後期高齢者の数がピークを迎えるとされる2025年に向け、専門性の高い医療及び高度急性期・急性期医療の提供を行う。一方で高稼働の維持と診療単価アップによる収益向上を図るとともに、薬品費、材料費、経費等の支出削減・抑制に努め引き続き収支改善に取り組む。また、それを支える人材の確保、施設・設備の長寿命化のための改修を行い、長期的に安定した医療提供体制を整備する。