藤井寺市：市立藤井寺市民病院

地域において担っている役割

藤井寺市域では、病床数が少ないため、地域の中核的な公立病院として地域医療活動を推進し、医療・保健・福祉・介護機関との連携強化を図り、安全で良質な医療の提供が求められている。また、小児科領域において、近隣に入院できる医療機関が少ないため、地域として不足する小児科機能を補完する役割を果たしている。更に、臨床研修病院としての指定を受けているため、大阪市立大学医学部、近畿大学医学部における臨床研修協力病院としての役割を担っている。

経営の健全性・効率性について

近年、患者の受診控えもあるためか患者数は伸びず、患者確保も容易ではない。そのため、患者数は入院・外来ともに前年度を下回った。患者数の落ち込みが大きく響き、医業収益は、前年度に比べ大幅な減収となったため、経常収支比率は前年度を下回るとともに、類似病院平均を下回った。また、医業収支比率についても、類似病院平均を上回ったものの、前年度を下回った。C型肝炎治療に係る新薬の使用量が増えたため、入院患者1人1日当たり収益は、類似病院平均を大きく上回った。また、院内処方のため、薬剤費が含まれていることから、外来患者1人1日当たり収益も類似病院平均を大きく上回った。材料費については、これまで価格分析・調査・交渉を徹底してこなかったことから、材料費対医業収益比率は類似病院平均を大きく上回った。

老朽化の状況について

平成22年に増築、平成23年に耐震改修工事を行ったが、既存建物の老朽化もあり、有形固定資産減価償却率は類似病院平均を上回った。機械備品減価償却率が類似病院平均を上回ったのは、経費削減のため機器の購入を先送りしたこと、また電子カルテの更新時期を迎えていることが挙げられる。

全体総括

増収に向けて、下記の取り組みを行う。1.地域連携による紹介患者を確保するため、市内を中心に地域の診療所等に対して、当院の特色・実施可能検査・担当医等の周知活動を行う。2.入院料を増やすため、急性期看護必要度加算、データ提出加算等の施設基準届け出を行う。診療報酬単価の増収に向けた施設基準の届け出を行う。3.増収に向けたワーキンググループ等の会議において、各部署より立案し、実行可能なプランについては、実施に向けて検討していく。経費削減に向けて、下記の取り組みを行う。1.ベンチマークシステムを活用し、診療材料・医薬品の価格交渉を行い、コスト削減を図る。2.職員給与費（時間外手当、特殊勤務手当等）の抑制に取り組む。また、今後、機器等の老朽化が過度に進まないよう、計画的に更新を進めていく。