経営の健全性・効率性について
経常収支比率は対前年度比24.17P増加し、類似団体平均値と比較しても14.7P上回った。流動比率は2000%を超え、類似団体平均及び全国平均を大きく上回っており、良好である。料金回収率は100%を上回り、類似団体平均値と比較して33.05P上回っている。これは令和2年度は大きな修繕工事がなかったため、給水原価が対前年度比22.45P減少したことが主な要因である。予算規模が小さいことから、これらの数値は施設修繕の有無に大きく影響されるため、修繕費用の平準化を図るため、修繕計画等の策定を進め、計画的に修繕を行っていく必要がある。施設利用率は配水量が増加したため、対前年度比3.4P増加し、類似団体平均値と比較して5.46P上回っており、良好である。契約率は類似団体平均値と比較して0.25P上回っている。契約水量は配水量よりも多いため、見直す必要はないことから、施設規模について今後の水需要予測も勘案しつつ検討していく必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は対前年度比2.21P増加し、類似団体平均値と比較して23.1P上回っており、老朽度が高いことを示している。今後は修繕費用の平準化を図るため、修繕計画等の策定を進め、計画的に修繕を行っていく必要がある。
全体総括
前年度と比較して各指標が好転する結果となった。これは前年度に修繕工事があったことに起因するため、一概に経営状況が好転したわけではない。流動比率、企業債残高対給水収益比率および料金回収率は類似団体と比較して良好であるが、予算規模が小さく、施設修繕の有無に大きく影響されるため、各指標の上下に関わらず、経費削減等の経営改善を継続的に行う必要がある。有形固定資産減価償却率が示すように施設の老朽度が増加しており、今後は修繕費用の増加により、経営状況が悪化すると予測される。そのため、修繕計画の策定を進め、計画的に修繕を行っていく必要がある。