経営の健全性・効率性について
経常収支比率は対前年度比11.31P増加したが、これは前年度に緊急修繕により費用が増加し、指標が悪化していたことに起因したものであり、指標自体は悪化傾向にある。また、類似団体平均値と比較すると8.04P下回っている。これは施設の老朽化による修繕費用が増加していることが主な要因であり、今後は修繕費用の平準化を図るため、修繕計画等の策定を進め、計画的に修繕を行っていく必要がある。流動比率は2000%を超え、類似団体よりも1800P以上上回っており、良好であるが、必要な更新を先送りにしている状況にある。料金回収率は類似団体平均値と比較して8.23P高いが、指標は100%を下回っている。これは施設の老朽化による修繕費用の増加により、給水原価が増加したことが主な要因である。施設利用率は配水量の減少により、対前年度比3.2P減少したが、類似団体平均値と比較して1.33P上回っており、良好である。契約率は類似団体平均値と比較して1.6P下回っており、やや低い水準である。契約水量は配水量よりも多いため、見直す必要はないことから、施設規模について今後の水需要予測も勘案しつつ検討していく必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却率は対前年度比2.14P増加し、類似団体平均値と比較して21.91P上回っており、老朽度が高いことを示している。今後は修繕費用の平準化を図るため、修繕計画等の策定を進め、計画的に修繕を行っていく必要がある。
全体総括
前年度と比較して各指標が好転する結果となった。これは前年度に緊急修繕があったことに起因するため、経営状況は一概に良好であるとは言えない。修繕を計画的に行っていないため、流動比率、企業債残高対給水収益比率および料金回収率は類似団体と比較して良好であるが、各指標が悪化傾向にあるため、経費削減等の経営改善を行う必要がある。有形固定資産減価償却率が示すように施設の老朽度が増加しており、今後は修繕費用の増加により、経営状況が悪化すると予測される。そのため、修繕計画の策定を進め、計画的に修繕を行っていく必要がある。