経営の健全性・効率性について
当町においては供用開始から37年が経過し、ほぼ全町に下水道が整備され水洗化率も全国・類団ともに上回っているが、人口減少が続いているため使用料収入が減っており経常収支比率については単年度で黒字となっているが、一般会計からの繰入金に依存しているところがある。一方で供用開始から年数が経過しているため、企業債残高のピークは過ぎているものの管渠の改築を進めていく上で、今後は企業債の増加も予想されることから、事業の計画的な遂行が必要である。また経営の効率性については、当町の下水道使用料の中には温泉汚水料金も含まれるため経費回収率は高く、汚水処理原価も低く抑えられてはいるが、使用料収入の減少や温泉利用の廃止が増加傾向にあることから、将来を見据えて適正な料金設定を行う必要がある。
老朽化の状況について
供用開始後37年が経過しており、法定耐用年数を超えた資産の保有はないが、管渠の老朽化は進んでいる。将来負担が重くならないためにも、財源確保のための経営改善を行い、計画的な更新を進めていく必要がある。
全体総括
当町の下水道事業は、ほぼ全町に普及しており、施設整備から管路の維持管理や改築更新の時代へ移行している。経営の健全性・効率性及び老朽化の状況の分析から、今後も人口減少に伴う使用料収入の減少が見込まれる中、老朽化の進んだ施設の更新等に多額の資金投資が必要となってくることから、早い段階での料金の見直しを行い財源確保に努めたい。