経営の健全性・効率性について
・水洗化率は僅かながらも伸びていることから、今後も引続き水洗化促進を図ることで、料金収入が上がり汚水処理に係る経費を下げ、経費回収率を引き上げることができると考えている。・平成28年度から地方公営企業法を適用するため、本年度は3月31日での打切り決算となっており、3月分の料金収入が翌年度の収入となっているなど通常出納整理期間(4月~5月)で行なう収入・支出が反映されていない。・このことが、①収益的収支比率、⑤経費回収率に影響を及ぼしており中でも①収益的収支比率の減少に繋がっている要因の一つであると考えられる。・汚水処理原価については、水洗化の上昇による有収水量の増加により減少しているものの、平均値と比較しても高いことから、機械等の修繕に係る維持管理費の縮減や雨水の流入などによる不明水処理に係る経費の対策を講じなければならないと考えている。
老朽化の状況について
・供用開始から30年が経過し、施設の老朽化による維持管理費は増加傾向にある。・現在は、昭和60年に供用開始した中野浄化管理センターの長寿命化計画策定し経年劣化が激しいと診断されたものから計画的に更新等を行っている。・管渠改善率については類似団体と比較しても低いが、主要な管渠のうち11kmについては平成25年度に調査を実施済みであり改善の必要がないと判断されたものである。・これは定期的に管渠清掃を実施している成果と考えており、引続き実施していくこととし、調査未実施の管渠についても経過年数を考慮しながら点検調査を実施したいと考えている。
全体総括
・類似団体と比較し、本市の公共下水道事業の経営状況は経費回収率、水洗化率を見れば健全であると言えるが、収益的収支比率や経費回収率が100%を超えることが望ましいと考えられていることから、経営改善に向けた取り組みが必要であると考えられる。・料金の改定による料金収入の増を図る前に、まずは経費削減から取り組むべきであると考えており、今後は老朽化した農業集落排水施設との処理区統廃合を検討し、市全体として汚水処理に係る経費の削減を図る上で適正な料金負担を市民にお願いしたいと考えている。・そのためにも受入施設となる可能性のある中野浄化管理センターの長寿命化計画による施設改修は継続して実施していく必要があると考えている。