1.資産・負債の状況
一般会計においては、資産総額が前年度末から737百万円の減少(△0.14%)となった。金額の変動が大きいものは投資その他の資産と基金であり、投資その他の資産は、公営企業会計への出資金等が2,384百万円増加し、基金は、財政調整基金及び減災基金を取り崩したこと等により3,235百万円減少した。また、資本的支出が業務収入を上回ったことにより、現金預金が699百万円減少した。負債総額は前年度末から134百万円増加(+0.08%)しており、主に地方債が増加したことによるものである。水道事業会計、下水道事業会計を加えた全体では、資産総額は上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて224,972百万円多くなっているが、設備整備に伴う地方債の借入等により負債総額は169,669百万円多くなっている。連結では、長岡地域土地開発公社が保有している公有用地等に係る資産を計上していること等により、一般会計等に比べて資産総額が242,259百万円)多くなっているが、負債総額も土地開発公社の借入金があること等から、179,032百万円多くなっている。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は100,345百万円で前年度と比較すると1,021百万円減少している。人件費が1,735百万円減少した一方で、物件費等は維持補修費が2,274百万円増加したほか減価償却費なども増加したため、3,072百万円増加している。移転費用が1,958百万円減少したため、経常費用は減少したが、今後も事業の見直しや、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。全体では、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、一般会計等と比べて経常収益が8,963百万円多くなっているが、国民健康保険や介護保険による負担金を補助金等に計上しているため、移転費用が45,786百万円多くなり、純行政コストは53,017百万円多くなっている。連結では、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が一般会計等と比べて11,103百万円多くなっている一方、経常費用が90,328百万円多くなり、純行政コストは79,305百万円多くなっている。
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、純行政コスト(97,577百万円)が税収等の財源(97,153百万円)を上回っており、本年度差額は▲424百万円となり、純資産残高は871百万円の減少となった。本年度差額はふるさと長岡への応援寄付金の増などにより、前年度から1,117百万円縮減しており、今後も財源の確保及び事務事業の点検によるコストの見直しを図る。全体では、特別会計の保険料が税収等に含まれることから、税収等の財源が一般会計と比べて35,282百万円多くなっている。本年度差額は318百万円となり、純資産残高は548百万円の増加となった。連結では、一般会計と比べて財源が79,913百万円多くなっており、本年度差額は184百万円となり、純資産残高は324百万円の増加となった。
4.資金収支の状況
一般会計においては、業務活動収支は6,005百万円であったが、投資活動収支については市立劇場の大規模改修を行ったことなどにより、▲7,142百万円となった。投資活動の支出を補うため、基金を取り崩している。財務活動収支については、地方債発行収入が地方債の償還額を上回ったことから418百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から719百万円減少し、1,564百万円となった。行政活動に必要な資金を基金の取崩しと地方債の発行収入によって確保している状況であり、行財政改革を更に推進する必要がある。全体では、一般会計等と比べて業務支出が53,868百万円多いが、業務収入が59,495百万円多くなっているため、業務活動収支は一般会計等より5,726百万円多い11,731百万円となった。投資活動収支では、上水道事業でインフラ施設の老朽化対策等を実施したため9,427百万円となっている。財務活動収支は地方債の償還額が地方債発行収入を上回っており、財務活動収支は▲2,993万円となり、本年度末資金残高は前年度から▲689百万円となり、11,420百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より5,543百万円多い11,548百万円となった。投資活動収支では▲9,581百万円、財務活動収支は▲2,637百万円となり、本年度末資金残高は前年度から▲666百万円となり、16,280百万円となった。
1.資産の状況
2.資産と負債の比率
純資産比率は、純行政コストが税収等の財源を上回ったことから純資産が減少し、昨年度から0.1ポイント減少している。行政コストの削減に努める。また、地方債が負債の大半を占めており、将来世代負担比率は類似団体平均を上回っている。起債にあたっては、交付税措置のある有利な地方債(合併特例債、過疎対策事業債など)を選択しており、将来負担額が過大とならないよう配慮しているが、引き続き、後世代に対する過度な負担とならないよう、健全財政の堅持に努めていく。
3.行政コストの状況
平成17年度から3度にわたり計10市町村と合併したことにより特例市中3番目に広い市域を有しているため、人口千人当たり職員数が類似団体内平均に比べ2.11人多いこと、保有する市有施設が多いことや豪雪地のため除排雪経費に多額の経費がかかることから、人件費、物件費や維持補修費が類似団体内平均に比べ高い水準となっている。純行政コストは前年度に比べ、66,700万円減少しているが、人口減少により、住民一人当たり行政コストは昨年同程度となっている。今後も定員の適正化や、施設の計画的な保全などの取り組みをすすめ、経費の節減を図る。
4.負債の状況
中越大震災からの災害復旧事業や、新市建設計画に基づく事業に取り組んだ結果、地方債現在高が上昇し、住民一人当たりの負債額が類似団体と比較して高くなっている。起債にあたっては、交付税措置のある有利な地方債(合併特例債、過疎対策事業債など)を選択しており、将来負担額が過大とならないよう配慮しているが、引き続き、後世代への過度の負担とならないよう健全財政の堅持に努める。基礎的財政収支は、大規模な公共施設整備を行ったことで、投資活動収支が▲10,384百万円となり、投資活動収支の赤字分が業務活動収支の黒字分を上回ったため、▲3,273百万円となっており、類似団体平均を下回っているが、地方債を発行して、公共施設等の必要な整備を行っているためである。経常的な支出を削減するとともに、施設整備にかかる費用を最小限に抑えるよう施設の計画的な保全などの取り組みを行う。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。指定管理者制度を導入している施設において、施設使用料が計上収益に含まれないことも要因であるが、業務費用の64%を物件費等が占めており、前年度と比較すると維持補修費2,273百万円増加している。事業に係る人員の見直しや、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の縮減に努める。