地域において担っている役割
地域医療支援病院として地域の医療機関等と密接に連携し、救命救急センター並びに総合診療機能を有する施設として、東葛南部地域において高度急性期医療を担っている。
経営の健全性・効率性について
令和3年度は引き続き新型コロナウイルス感染症の影響を受け、医業収支比率は前年度と同じ92.2%となった。一方で、新型コロナウイルス感染症に係る補助金により、経常収支比率は前年度比1.9ポイント増で100%を上回り、経常収益を計上することができた。また、過去5年間とも累積欠損金は発生していない。職員給与費対医業収益比率は、職員数の増等により給与費が増加したものの、医業収益も増加したことにより、前年度より減少している。(平成30年度、令和元年度は臨時・非常勤職員の給与費を賃金として「その他医業費用」で計上したため、それぞれ48.6%、48.1%となっているが、令和2年度以降と同様に計上した場合、平成30年度は52.5%、令和元年度は51.8%となる。)材料費対医業収益比率は高額な抗がん剤や診療材料の使用により、類似病院の平均値より高めとなっているが、患者1人1日当たりの収益も年々増加している。
老朽化の状況について
昭和58年の開院以来、増築工事や改修工事を繰り返してきたが、施設の老朽化および狭隘化が進んでおり、現在、病院の建替えに向けて取り組んでいる。令和3年度中に着手予定であった基本設計については、新型コロナウイルス感染症の影響などにより事業計画を変更し、令和4年度の着手となった。有形固定資産減価償却率及び器械備品減価償却率については平均値を上回っているが、新病院建設を控えているため、移行の可否を考慮しつつ、計画的な医療機器の更新および購入を行っている。
全体総括
令和3年度は引き続き新型コロナウイルス感染症の患者の受け入れを行うとともに、本来の使命である高度急性期医療の提供を維持できるよう努めた。新公立病院改革プランについては平成29年度に策定し、最終年度である令和2年度まで経常収支比率100%以上を維持することが出来た。令和3年度からは「船橋市立医療センター中期経営計画」を策定し、引き続き医療の質の向上を目指すとともに、患者1人1日当たり収益の上昇、患者数の増に向けた取り組みを行うことで経営基盤のさらなる強化を図った。また、地域における当院の役割を果たすため、引き続き救急患者の積極的な受け入れを行うとともに、地域医療支援病院として他医療機関との連携を強化することにより、紹介率・逆紹介率の上昇や患者数の増を目指す。