経営の健全性・効率性について
「経営の健全性」①経常収支比率は100%を超えているが、経費回収率は100%を下回っているため、使用料収入で経費の回収が出来ておらず一般会計からの繰入に依存している状況である。③流動比率は前年度比12.96%増となっているが、100%を下回っており、支払うべき債務に対する現金資産が少ない状況のため、企業債の借入額と償還額のバランスを考慮し企業債の発行をするなど、経営改善を図っていく必要がある。④企業債残高対象事業規模比率は前年度比5.89%減となり類似団体平均値を下回っているが、全国平均を上回る数値となっている。今後施設の老朽化が進んでいくことから、経営状況を踏まえた上で再投資をしていく必要がある。「経営の効率性」⑤経費回収率は類似団体平均は上回っているが全国平均は下回っているため、経費の節減や効率的な事業運営により、経費回収率の向上に取り組む必要がある。⑥汚水処理原価は前年度比0.48%増となり類似団体平均を下回っているが、全国平均は上回っているため、今後施設の老朽化による支出の増が見込まれるため、維持管理費の節減等に取り組む必要がある。⑧水洗化率については前年度比0.57%減となり類似団体平均、全国平均共に下回っている。今後も、未接続世帯への訪問や広報等による周知により、水洗化率の向上を図る必要がある。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率については全国平均、類似団体平均値を下回っているが、事業を開始した時期に整備した管渠等の老朽化が進んでいる状況である。②管渠老朽化率、③管渠改善率については、0%となっており法定耐用年数を経過した管渠はない。しかし、事業に着手後35年超が経過しており、管渠調査を行い部分修繕をすることで管渠の維持を図っているが、修繕する箇所数は増えていくことが考えられる。また、汚水中継ポンプ場については使用開始後25年超が経過し、施設の老朽化が顕著であり計画的な修繕や機器の入れ替え等を検討していく必要がある。今後は、ストックマネジメント計画に基づき計画的な修繕や改修を行っていく必要がある。
全体総括
1.経営基盤の強化使用料収入で経費の回収が出来ておらず一般会計からの繰入に依存している状況であり、今後は、施設の老朽化により、資本費、維持管理費共に増加することが見込まれるため、より一層の経営改善に努める。2.有収水量の確保今後とも、下水道供用開始地域での接続率の向上を図り、有収水量の増加による安定した使用料収入の確保に努める。3.老朽化対策今後は、ストックマネジメント計画や総合地震対策計画に基づき、耐震化、更新(改修)順位、更新(改修)方法を精査し、計画的に更新(改修)を行う。